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年寄りはついていけない「パンク侍、斬られて候」 [映画の雑感日記]

「パンク侍、斬られて候」☆☆★★

 コメディ時代劇とでも言おうか。
 めちゃくちゃ時代劇とでも言おうか。
 いいかげん時代劇とでも言おうか。
 監督の石井岳龍は「狂い咲きサンダーロード」「逆噴射家族」など見ているが、こういうことをやりたいのかなぁとは思うものの、どうもピンとこない。ただ、映画の出来としてはイマイチだったがあの「蜜のあわれ」を監督したという勇気を認めて本作も見てみた。
 主演は自称・超人的剣客の掛十之進を綾野剛。私的にはとてもイケメンとは認められないが、「コウノドリ」の産婦人科医、「ハゲタカ」のトレーダーをはじめ「そこのみにて光輝く」「天空の蜂」「リップヴァンウィンクルの花嫁」などいろいろな役に挑んでいるのは評価できる。そうそう、大駄作「ルパン三世」の石川五ェ門役と「亜人」の佐藤なんてものも加えておこう。そのほかにも東出昌大(バカ殿合っているゾ)、浅野忠信、豊川悦司、國村隼、染谷将太、浅野忠信、北川景子、永瀬正敏(人間でなく言葉をしゃべる猿。ナレーションも)など相当に豪華。
 話は、まああってないような適当なものなのでwikiからコピペ。
「舞台は江戸時代。浪人・掛十之進は、仕官の職と報酬欲しさに、恐るべき災いを引き起こすとされる新興宗教団体『腹ふり党』の討伐を説く。黒和藩(くろあえはん)重臣・内藤帯刀はこれを利用して自分と対立する重臣の失脚を目論むが、教祖が捕縛された腹ふり党は既に解散しており、存在しないことを知る。内藤は偽の腹ふり党をねつ造する計画を企てるが、・・・」
 掛十之進は、まあ主人公ではあるのだが狂言回しのようなもので、話はあっちにいったりこっちにいったり。最後は、存在しない「腹ふり党」をでっち上げたらこれが数千人にも。対する城方はたかだか二十人。仕方ないのでサルを動員して、サル軍団と腹ふり党との大乱戦。超能力者は出てくるは、サル軍団の親分は天に昇ってしまうは、めんどうな人間は綾野がさっさと片付けてしまうし、もうどうでもいいという感じだ。ただ、北川景子がいてもいなくてもいい役なので何だろうと思っていたら(以下ネタバレ)冒頭の「大菩薩峠」もどきで女が顔をみせないこととリンクしていた。
 こういうめちゃくちゃは古い人間としてはついていけないなぁと思ったら脚本は宮藤官九郎。どうもこの男の脚本にはついていけない。評判だった「あまちゃん」にしても、途中東京でのAKBもどきが延々とあったり、高校まで神奈川で暮らしていた能年(のん)が、なぜか「訛っている方」だったりと私には適当過ぎる話でそれほどおもしろいものではなかった。今回も、世の定石というか予想を覆してやろうという宮藤の気持ちはわかるのだが、うっちゃりやはたき込みはよほどうまくやらないと先に足が出てしまいつまらないことになってしまう。
 私が古い人間のためか、どうにもそうしたうっちゃりやはたき込みに納得がいかず、つまらないものに思えて仕方がなかった。この映画を大絶賛している人もネットにはいるようなので、どうも宮藤官九郎の脚本は年寄りには生理的に合わない、ということにしておこう。

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=JuuAA3ihErY
パンク.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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