迷走ダイアリ
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映画・テレビドラマなどの適当感想、エッセー、小説、雑文等の一時避難場所 & おっさんが発作的に書き込む無責任方丈徒然日記
迷走ダイアリ
2019-09-26T09:21:12+09:00
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ブログ更新情報2019.09.26
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「映画の雑感日記」に「引退詐欺?『運び屋』」アップしました。もう映画に出ることはない、これが監督としては最後かもなんて言っていたような気がするクリント・イースウッドが監督・主演した作品。もう90歳くらいじゃないかと思うのだが、そもそも男で90歳というだけで十分凄いのだが、現役でしかも作る映画がおもしろいのだから困ってしまう(^^;。http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-09-26 「映画の雑感日記」に「駄作怪獣第3弾『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』」アップしました。2014年の怪獣映画「GODZILLA ゴジラ」、2017年の「キングコング 髑髏島の巨神」に続く駄作怪獣シリーズの第3弾。今回はゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラをはじめ怪獣オールスター映画なのだが、ゴジラとキングギドラ以外は出て来る必然性があったのか疑問。ともかく、怪獣が出てきて暴れりゃあいいんだろ的な映画には年寄りはついていけませんわ。http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-09-20 「映画の雑感日記」に「CGはなかなかだが退屈『流浪地球ザ・ワンダリング・アース』」アップしました。中国のSF大作。太陽に異変が起こり地球まるごと太陽系を捨てて他の恒星系をめざすなんていう、壮大かついいかげんな話。CGは思ったよりうまくできており場面によってはかなりの迫力。ただし、何万年もの航行の間のエネルギー問題など説得力のある説明はない。中国らしく?家族問題がわやわやするあたりは退屈。http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-09-11 「映画の雑感日記」に「『エル・シド』再び』」アップしました。どうも積極的に見たい映画がありません。歳をとって感性が鈍くなったのか、映画というもの自体が変わってしまったのか。先日、時間ができたとき久々に「ベン・ハー」を見たらおもしろかったので、今度は同じチャールトン・ヘストンが主演した「エル・シド」を見てみました。西洋チャンバラ、ただおもしろいだけでなく格調もあって、いいですねえ。(^^)/http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-09-03 「映画の雑感日記」に「原作に引きずられすぎ『七瀬ふたたび』」アップしました。筒井康隆の原作で「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」..
更新情報
迷走ダイアリ
2019-09-26T09:21:12+09:00
「引退詐欺?『運び屋』」アップしました。もう映画に出ることはない、これが監督としては最後かもなんて言っていたような気がするクリント・イースウッドが監督・主演した作品。もう90歳くらいじゃないかと思うのだが、そもそも男で90歳というだけで十分凄いのだが、現役でしかも作る映画がおもしろいのだから困ってしまう(^^;。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-09-26
「映画の雑感日記」に「駄作怪獣第3弾『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』」 アップしました。2014年の怪獣映画「GODZILLA ゴジラ」、2017年の「キングコング 髑髏島の巨神」に続く駄作怪獣シリーズの第3弾。今回はゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラをはじめ怪獣オールスター映画なのだが、ゴジラとキングギドラ以外は出て来る必然性があったのか疑問。ともかく、怪獣が出てきて暴れりゃあいいんだろ的な映画には年寄りはついていけませんわ。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-09-20
「映画の雑感日記」に「CGはなかなかだが退屈『流浪地球ザ・ワンダリング・アース』」 アップしました。中国のSF大作。太陽に異変が起こり地球まるごと太陽系を捨てて他の恒星系をめざすなんていう、壮大かついいかげんな話。CGは思ったよりうまくできており場面によってはかなりの迫力。ただし、何万年もの航行の間のエネルギー問題など説得力のある説明はない。中国らしく?家族問題がわやわやするあたりは退屈。
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「映画の雑感日記」に「『エル・シド』再び』」 アップしました。どうも積極的に見たい映画がありません。歳をとって感性が鈍くなったのか、映画というもの自体が変わってしまったのか。先日、時間ができたとき久々に「ベン・ハー」を見たらおもしろかったので、今度は同じチャールトン・ヘストンが主演した「エル・シド」を見てみました。西洋チャンバラ、ただおもしろいだけでなく格調もあって、いいですねえ。(^^)/
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「映画の雑感日記」に「原作に引きずられすぎ『七瀬ふたたび』」 アップしました。筒井康隆の原作で「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」と続く3部作の一つ。ただ、何の予備知識もなしにこのひたすら暗い映画をみた人は、満足できるのだろうか? 筒井絶賛といわれるヒロインも私のもっているイメージとは全く合致していない。これはもう筒井ならではのギャグなんだろうか?
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-08-29
「映画の雑感日記」に「『ベン・ハー』ついまた見てしまった」 アップしました。もちろん2016年のクソ映画ではなく、1959年のウイリアム・ワイラー監督の歴史的名作のほうです。いやあ、名画のもつ力というのは恐ろしいもので、つい冒頭の部分だけと思っていたのが3時間40分まるっと見てしまいました。おかげで、仕事の予定は大幅に狂ってしまいましたが、ま、いいか。(^^;
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-08-23
「テレビの雑感日記」に「7月期ドラマ・中間報告」 アップしました。暑さのせいもあって、ほとんどのドラマが途中棄権の脱落。今のところ「これは経費で落ちません!」と「ノーサイド・ゲーム」の2本がかろうじて踏みとどまっていますが、果して完走できるでしょうか?
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-08-17
「映画の雑感日記」に「クソゴミ映画の金字塔(^^;『プラネット・オブ・アメーバ』」 アップしました。「映画の雑感日記」始まって以来のマイナス評価というクソゴミ映画。作った人間も、それを公開した人間も万死に値する。「サムライマラソン」について「不出来で寒くなる」と書きましたが、本作は寒くなるどころかほとんど凍死もの。「サムライマラソン」が傑作に思えてきました。(^^;
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-08-10
「映画の雑感日記」に「不出来で寒くなる『サムライマラソン』」 アップしました。すべりギャグ連発で眠くなった「超高速!参勤交代」と同じ原作者で、東京オリンピックを意識でもしたのか今度はマラソン。これは当然コメディ時代劇だろうと思って見たら、ギャグはすべる以前の問題だし、盛大に血飛沫が飛んでうんざり。あまりの不出来に寒くなってしまったゾ。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-08-04
「映画の雑感日記」に「ディープだが深くない『ディープ・ブルー』」 アップしました。梅雨もようやく明けたということなので、今は夏と認定。夏の映画といえば海洋ものかホラーもの。近年、ホラー映画はCGとスプラッタに頼ったものが多く私の好みではない。ということで、海洋パニック映画。当然のようにサメが出てきて大変なことになるわけだが、まあ暇潰し程度のつもりで見るのなら腹も立たないでしょう。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-07-30
「テレビの雑感日記」に「7月期ドラマが始まった」 アップしました。韓国ドラマ、ライトノベル、マンガが原作のものばかりで、オリジナルは皆無です。これは絶対に見たいというドラマも皆無。日本のテレビ局は、報道に関してはずいぶん前から安倍忖度で壊滅状況ですが、ドラマ制作能力もここまでダメになってしまったかと溜息が出てしまいます。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-07-23
「映画の雑感日記」に「再度・今こそ『西部戦線異状なし』を見よう」 アップしました。安倍独裁政権に疑問を呈すると「非国民」だ「臆病者」だの一言で片付けられてしまい、政権=国ではないこと大前提なのに、まっとうな議論もできないのが今の日本でしょう。本当にこのままでいいのかと思うので、以前アップした雑文に加筆して再度アップしておきます。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-07-15
「映画の雑感日記」に「意外とおもしろかった『ルパン三世 風魔一族の陰謀』」 アップしました。もう30年の前のアニメですが、「太陽の王子ホルスの大冒険」や「カリオストロの城」の作画監督・大塚康生が監修をしているだけあって、意外と見られるアニメでした。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-07-10
「映画の雑感日記」に「東映の『次郎長三部作』」 アップしました。「任侠清水港」「任侠東海道」「任侠中仙道」の3本で、いずれも片岡千恵蔵主演、松田定次監督。ただ相手が変わるだけで、「いいやくざ」の清水一家が「悪いやくざ」をやっつけるという同工異曲の時代劇だが、中村錦之助、大川橋蔵、東千代之介、大友柳太朗、月形龍之介、東野英治郎、そして千恵蔵と並ぶもう1人の御大・市川右太衛門といった当時の東映オールスターの面々を拝めるだけでも楽しめるかも。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-07-05
「映画の雑感日記」に「古典ロードムービー『ユリシーズ』」 アップしました。「ユリシーズ」といえばホメーロス「オデュッセイア」のこと。本作はイタリア映画だがアメリカで今つくられたら「オデッセイ」というタイトルになっていたと思う。あ、リドリー・スコットの駄作「The Martian」の邦題が火星に1人取り残された男の話で、全然「ロード」しないのになぜか「オデッセイ」だったゾ(^^;。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-06-28
「映画の雑感日記」に「東映チャンバラ3本立て」 アップしました。大友柳太朗の「丹下左膳」(これは劇場で見た記憶がある)、中村錦之助・賀津雄の兄弟が尾州と紀州の殿様を演じる「殿さま弥次喜多」、御大・市川右太衛門の「きさらぎ無双剣」。いずれも主人公が踊るように刀を振り回せば、当たってもいないのに敵がばたばたと倒れていくという爽快?チャンバラ映画である。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-06-17
「映画の雑感日記」に「年寄りはついていけない『パンク侍、斬られて候』」 アップしました。綾野剛、東出昌大、浅野忠信、豊川悦司、國村隼、染谷将太、浅野忠信、北川景子、永瀬正敏など、おおっというほど豪華に役者をそろえた時代劇なのだが、宮藤官九郎の脚本は年寄りというか私には合わないので退屈するだけだった。若い人が見る映画なんだろうな、多分。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-06-09
「テレビの雑感日記」に「4月期ドラマと医者ドラマ」 アップしました。今期は、このドラマだけは絶対に見ておきたいというようなものはないですね。刑事物と医者物ばかりで、ちょっとうんざりしています。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-06-03
「映画の雑感日記」に「武田梨奈にアクションさせろ!『三十路女はロマンチックな夢を見るか?』」 アップしました。小さな映画サークルが仲間内だけで誉めあい「いいね、いいね」と作ったような勘違い映画。タイトル、設定ともに陳腐で退屈するばかり。オチも強引で馬鹿馬鹿しいし、そもそもせっかく武田梨奈をキャスティングしたのにアクションのひとつもさせないのは、アホか。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-05-30
「映画の雑感日記」に「久しぶりの大駄作『ネイビーシールスVSエイリアン』」 アップしました。謎の隕石調査に行く特殊部隊は、たったの4人。いかにも人間が入ってますよーというエイリアン。唯1人生き残っていた女の魅力はゼロ。にもかかわらず、謳い文句が「この映画はエキサイティングです」だって。噓つくんじゃねーよ。(▼▼メ)
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-05-23
「映画の雑感日記」に「掘り下げ不足だった『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』」 アップしました。ヌーヴェルヴァーグを代表する2人の監督の友情・別れを描いたドキュメンタリー。話でしか聞いていなかったような映像が見られるのは貴重だが、なぜ分かれることになってしまったのかという点に関しては、掘り下げ不足でものたりませんでした。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-05-17
「映画の雑感日記」に「長過ぎる『ビブリア古書堂の事件手帖』」 アップしました。黒木華、野村周平、夏帆、東出昌大と、それなりに俳優はそろえたのですが、いかんせんとても2時間もつ話ではありませんでした。そのため過去の話をかなり膨らませたんでしょうが(←推測)そのため全体のバランスが崩れてしまい残念なことになってしまいました。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-05-10
「映画の雑感日記」に「アラン・ドロンの2大名作を見る」 アップしました。10連休なのに仕事ばかりじゃあつまらんなぁと、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」 と「冒険者たち」 を立て続けに見てみました。いやぁ、もう何回目かの鑑賞になるのですが、おもしろく全然飽きない。昨今のCG過多のアクション、ファンタジー映画ばかり作っているスタッフに言ってやりたい。「これが映画というものだぜい!」
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「映画の雑感日記」に「平成の終りと映画の名作ラストシーン」 アップしました。10連休ということなのでブログもお休みしようと思ったのですが、明日(4/30)で平成も終りということなので、(改元には、めんどくさいなぁと感じているだけの人間ですが)便乗して(^^;、映画の終り・終わり方についてあれこれ書いてみました(以前、加入しているCATVのEMWというブログサイトが終了するときに書いた文章に加筆したもの。要するに、手抜きです(^^;)
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-04-29
「映画の雑感日記」に「トンデモSF『アイアン・スカイ』」 アップしました。実は1945年のナチスドイツ崩壊時に主要メンバーはロケットで月へと脱出し、地球からは見えない月の裏側に基地を建設。着々と地球侵攻の準備をしていた・・・。そんな科学力があれば戦争に負けることなどあり得ないのに、などと言ってはいけない。これは、そうした常識を一切拒否したトンデモ映画なのだから。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-04-24
「その他雑文日記」に「『蜜のあはれ』再読とドラマ『火の魚』」 アップしました。「蜜のあはれ」と言えば室生犀星の最高傑作で、日本文学の代表は「源氏物語」だけではないぞと、私は思っているくらいの名作。不思議なリアリティのあるファンタジーですが、物語の主人公と似た歳になって再読してみると、若いころとはまた別の感動がありました。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-04-17
「映画の雑感日記」に「『銀河帝国』だった『ある天文学者の恋文』」 アップしました。何でもブラックホールを撮影したとかで話題になっていますが、そういうったこととは全く関係のない大人の恋愛映画。ヒロインはアクションからヌードまで何でもやるオルガ・キュリレンコ(残念ながら?本作ではヌードは披露していない)。いかにも「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督が作りそうな映画です。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-04-11
「映画の雑感日記」に「メグちゃん?『MEG ザ・モンスター』」 アップしました。MEGとは古代サメ「メガロドン」のこと。と、書けばもうネタバレ。全長20m以上もある超巨大ザメが襲ってくるという「ジョーズ」の拡大版。劇場では、3DとIMAXで公開されたようなので、ド迫力は感じられたはず。まあ単純なストーリー展開なので退屈しのぎにはいいかも?
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-04-05
「その他雑文日記」に「何である?3月27日は植木等命日である」 アップしました。先年の、付き人だった小松政夫の「のぼせもん」のドラマを見ても、植木等は本当に希代のエンターテナーだったと思います。植木等の命日は、彼の歌でも聞きながら、わっはっははははと笑って偲びたいですね。スイスイー
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-03-26
「短編・雑文」に「亀山郁夫訳ドストエフスキー『白痴』について」 アップしました。光文社古典新訳文庫全4巻。昨年末に読了したものです。まあ、読了したといってもぼんやり読み進んだだけのものなので、評論というようなものではなく単なる感想。こんなもの読んでいるより原作を1行2行でも読んだほうがよほど人生にプラスになります。暇な人だけどうぞ。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-01-08
「映画の雑感日記」に「2018年に見た映画」の一覧表アップしました。 2018年に見た映画は40本。2011年45本、2012年54本、2013年40本、2014年38本、2015年52本、2016年49本、2017年47本ですから、なんだかんだと言いながらけっこう見ていたわけです(暇なんでしょうね?)。それにしても、マンガやライトノベル原作のCGてんこ盛り映画ばかりで、年寄りが見て楽しめる映画が本当に少なくなりました。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2019-01-03
「映画の雑感日記」に「2017年に見た映画47本」 アップしました。47本(正確には「64(ロクヨン)」が「前編」「後編」の2本、「ちはやふる」が「上の句」「下の句」の2部作なので49本)でした。いやはや、暇というか何というか。2017年に見た映画のベスト1はクリント・イーストウッド監督「バドソン川の奇跡」 です。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2017-12-27
「映画の雑感日記」に「2016年に見た映画」 アップしました。年々、おもしろくない映画が増えているような気がするのですが、映画の質が低下しているのでしょうか、それともこちらの感性が低下しているのでしょうか?
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2017-01-04
「映画の雑感日記」に「洋画のタイトルと邦題03」 アップしました。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2015-06-15
「映画の雑感日記」に「洋画のタイトルと邦題02」 アップしました。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2015-06-10
「映画の雑感日記」に「洋画のタイトルと邦題01」 アップしました。最近はそのままカタカナで表記するという無能なタイトルばかりですが、かつては見事としか言いようのない邦題、こんなタイトルつけるなと怒鳴りたくなるような邦題など、映画配給会社もそれなりに頭は使っていましたよね。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2015-06-06
「映画の雑感日記」に「お気に入りの映画100本」 をアップしました。AFIのベスト100ムービーがあまりに私の好みとかけ離れていたので作ってみました。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2015-02-04
「映画の雑感日記」に恒例の?昨年見た映画のリスト をアップしました。とりあえず昨年見た映画のベスト1は「春との旅」 です。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2015-01-10
「映画の雑感日記」に「歴代映画の興行収入」 アップしました。予想通りというか1位は「アバター」、2位「タイタニック」。私がベストテンを選んだら2作とも落選ですが、ジェームズ・キャメロンが金儲けがうまいことは認めるにやぶさかではありません。アメリカ国内だけの興行収入をインフレーション補正したものでは「風と共に去りぬ」が第1位。これもある意味納得の結果といえますね。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2014-06-29
「その他雑感日記」に「消費増税8%の便乗値上げ」 載せました。8%というのは大噓で、すでに10%以上の税金がとられている んですな。アベノミクスのおかげで大企業の従業員の賃金が上がったとかは報道しても、消費税上げで年金生活者の生活が苦しくなっているとか、便乗値上げについてはマスゴミはほとんど報道しませんねえ。
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2014-05-17
「映画の雑感日記」に恒例の「2013年に見た映画一覧」 アップしました。年々見る本数も、見たい映画も減ってきています。歳のせいなのか見たい映画が減ってきているせいなのか?
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2013-12-25
「映画の雑感日記」に「2012年に見た映画」 アップしました。52本になります。今年最後の更新です。来年もまたよろしく。m(__)m
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23
「映画の雑感日記」に「2011年にテレビで見た映画」 アップしました。しかし、たまには映画館で映画を見たいなぁ・・・。(12/24)
http://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24
このブログはバックアップのためのネットワークHDと考えている管理人の完全に個人的な目的によるものですので基本的に第三者に読まれることは想定しておりません。ただし、別に隠しておく必要性はないので第三者のアクセス拒否はしていません。ブログの話をした知り合いで「それなら読みたい」という変人・奇人もいるようなので、公開に決めました。
長いものはカテゴリーに分け、分割して置いてあります。タイトルの後に01、02などと番号をふっていますので、全部読んでみたいという暇な人は順序通り読んでいってください(別に最後から読んでもいいのですが、おもしろくない小説がさらにめちゃくちゃになっちゃいます)。00でその作品に関する前説というか馬鹿話をし、本文は01から始まります。
記事はカテゴリーからも入れますが、So-netブログカテゴリーの昇順・降順設定はカテゴリーごとには選べません。長編を読むときの便利さを考え昇順に設定してあるため(常に長編の書き出しが先頭に来る)、古いものが先にきて新しいものが後になります。長編以外は記事一覧から入ったほうが読みやすいと思います。
重ねて言いますが、重要な文書が置いてあるわけでも、おもしろい文書が置いてあるわけでもありません。ただし、こんなものでも作者には愛着があり著作権は放棄していませんので、無断使用はご遠慮ください(そんな人がいるとも思えませんが、個人的にダウンロードしたりプリントしたりして読むことは全く問題ありません)。
禁止語を設けていたのですが、それをぬうようにしてエロコメント等が入って来るので、コメントは承認制にしています。悪しからず。
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引退詐欺?「運び屋」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-09-26
「運び屋」☆☆☆★★ 麻薬の運び屋になった人物の実話に基づいた映画らしい。 なんだかあまり気乗りしない話のようなのだが、監督がクリント・イーストウッドとなるとやはり見てしまう。確か「人生の特等席」のとき、これからも監督はやるかもしれないが映画に出ることはもうないだろう、というような気がするのだが(記憶曖昧)、なんと監督・主演とはおそれいいった。「人生の特等席」は監督はしていないので、監督・主演となると、あの「グラン・トリノ」以来になるのではないのか。 確かもう89か90歳のはずだ。実話の人物は80歳過ぎてから運び屋になったということなので、それなら俺が、ということなのだろうが監督で主演。おそれいいるとは、このことだ。共演はブラッドリー・クーパー(「アメリカン・スナイパー」主役)、ローレンス・フィッシュバーン(「マトリックス」のモーフィアス)。 こう書いてくると、なんとなく重苦しい殺伐とした犯罪映画のように思えるかもしれないが、家族ドラマでもあり、クスリとするハートウォーミングな部分もある映画なので嫌な感じはしない。話自体はサスペンス・アクションになって何の不思議もないはずなのに、なぜかゆったりした気分で見ることができる。おんぼろ車がフォードからリンカーンになるなんて設定、大統領の名前にすると何がいいたいのか一目瞭然というような遊びもある。 私は、映画ってこうなんだよなと思いながら、ときどきクスリとしたりして、いいもの見せてもらいましたという気分で見終えることができた。CG過多のファンタジー映画ばかりの中で、年寄りでも見られる洋画はホント、イーストウッドの作品だけになってしまったなあということを再実感した次第。 若い人には刺激が足りないかもしれないが、老人とは孤独なもので、だから世間が注目してくれたり誉めてくれるのが生きている実感としてうれしいんだろうなぁというのが、こちらもいい歳なのでとてもよくわかる。まだ見ていない人も多いと思うのでストーリーは省略するが、百合の花で始まり百合の花で終わるあたり、憎いねえ・・・。(^^)/↓予告編https://www.youtube.com/watch?v=AH9h7e-Lx4E☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-09-26T09:14:16+09:00
「運び屋」☆☆☆★★
麻薬の運び屋になった人物の実話に基づいた映画らしい。
なんだかあまり気乗りしない話のようなのだが、監督がクリント・イーストウッドとなるとやはり見てしまう。確か「人生の特等席」のとき、これからも監督はやるかもしれないが映画に出ることはもうないだろう、というような気がするのだが(記憶曖昧)、なんと監督・主演とはおそれいいった。「人生の特等席」は監督はしていないので、監督・主演となると、あの「グラン・トリノ」以来になるのではないのか。
確かもう89か90歳のはずだ。実話の人物は80歳過ぎてから運び屋になったということなので、それなら俺が、ということなのだろうが監督で主演。おそれいいるとは、このことだ。共演はブラッドリー・クーパー(「アメリカン・スナイパー」主役)、ローレンス・フィッシュバーン(「マトリックス」のモーフィアス)。
こう書いてくると、なんとなく重苦しい殺伐とした犯罪映画のように思えるかもしれないが、家族ドラマでもあり、クスリとするハートウォーミングな部分もある映画なので嫌な感じはしない。話自体はサスペンス・アクションになって何の不思議もないはずなのに、なぜかゆったりした気分で見ることができる。おんぼろ車がフォードからリンカーンになるなんて設定、大統領の名前にすると何がいいたいのか一目瞭然というような遊びもある。
私は、映画ってこうなんだよなと思いながら、ときどきクスリとしたりして、いいもの見せてもらいましたという気分で見終えることができた。CG過多のファンタジー映画ばかりの中で、年寄りでも見られる洋画はホント、イーストウッドの作品だけになってしまったなあということを再実感した次第。
若い人には刺激が足りないかもしれないが、老人とは孤独なもので、だから世間が注目してくれたり誉めてくれるのが生きている実感としてうれしいんだろうなぁというのが、こちらもいい歳なのでとてもよくわかる。まだ見ていない人も多いと思うのでストーリーは省略するが、百合の花で始まり百合の花で終わるあたり、憎いねえ・・・。(^^)/
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=AH9h7e-Lx4E
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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駄作怪獣第3弾「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-09-20
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」☆☆ 外国版ゴジラは、空虚超大作専門監督ローランド・エメリッヒ(「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー 」「2012」)のイグアナトカゲ・ゴジラが砲弾を避けて街中を逃げ回る?「GODZILLA 」(1998年)が最初だろうか。モンスターサウルスとかいうことならそこそこ見られる映画だったが、これをゴジラと言われると私には納得できない映画だった。まあ、これに懲りてハリウッドではゴジラ映画は2度と作られないだろうと思っていたのだが、2014年になって突如「GODZILLA ゴジラ」という映画が作られた。 このゴジラが、頭が小さくて胴体がデブという初代ゴジラから見続けてきて者としては、涙が出るくらいの不細工デブ・ゴジラ。怪獣プロレスの場面も暗くてかったるくて不満が残った。その流れで作られたのが「キングコング 髑髏島の巨神」。これまたヘリコプターなのだから遠くから攻撃すればいいのに近づいてコングに全滅させられてしまうなどひどい映画だった。その「コング」映画のラストでゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラの古代壁画が映し出されるので、もう次作は明白。予想通りに作られたのが、この「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」だ。 見ていない人もいると思うので細かいストーリーは書かないが、環境テロリストが出てきたり、狂信的な女科学者がいたり、家族の愛憎問題があったりする中に、ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラその他の怪獣続々登場でもう収拾がつかなくなってしまっている。このての映画なので、あれだけの大惨事で死なないのはおかしいじゃないかなどと無粋なことは言わない。にしてもだ、娘が簡単に逃げ出せるのは不思議だし、モスラ、ラドンについては出す意味があったのかどうか不明だし、キングギドラが地球外生物だなんて今さら何を言っているんだ、そんなもの「三大怪獣地球最大の決戦」を見た者なら誰でも知っていることだ。知らないのなら教えてやろう。あれは、金星から来たんだぞ。 渡辺謙の特攻隊も、日本人だからってまたこれかという感じだ。アホは、日本人というはトッコウ、ハラキリくらいしか知らないのだろう。いくら人類の危機だからってゴジラを覚醒させるためという名目で簡単に原爆を投下するのもどうかと思う。「インディー・ジョーンズ」でハリソン・フォードが冷蔵庫に入って原爆直下にいたにもかかわらず助かるなど、アメリカ人の..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-09-20T20:52:21+09:00
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」☆☆
外国版ゴジラは、空虚超大作専門監督ローランド・エメリッヒ(「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー 」「2012」)のイグアナトカゲ・ゴジラが砲弾を避けて街中を逃げ回る?「GODZILLA 」(1998年)が最初だろうか。モンスターサウルスとかいうことならそこそこ見られる映画だったが、これをゴジラと言われると私には納得できない映画だった。まあ、これに懲りてハリウッドではゴジラ映画は2度と作られないだろうと思っていたのだが、2014年になって突如「GODZILLA ゴジラ」という映画が作られた。
このゴジラが、頭が小さくて胴体がデブという初代ゴジラから見続けてきて者としては、涙が出るくらいの不細工デブ・ゴジラ。怪獣プロレスの場面も暗くてかったるくて不満が残った。その流れで作られたのが「キングコング 髑髏島の巨神」。これまたヘリコプターなのだから遠くから攻撃すればいいのに近づいてコングに全滅させられてしまうなどひどい映画だった。その「コング」映画のラストでゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラの古代壁画が映し出されるので、もう次作は明白。予想通りに作られたのが、この「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」だ。
見ていない人もいると思うので細かいストーリーは書かないが、環境テロリストが出てきたり、狂信的な女科学者がいたり、家族の愛憎問題があったりする中に、ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラその他の怪獣続々登場でもう収拾がつかなくなってしまっている。このての映画なので、あれだけの大惨事で死なないのはおかしいじゃないかなどと無粋なことは言わない。にしてもだ、娘が簡単に逃げ出せるのは不思議だし、モスラ、ラドンについては出す意味があったのかどうか不明だし、キングギドラが地球外生物だなんて今さら何を言っているんだ、そんなもの「三大怪獣地球最大の決戦」を見た者なら誰でも知っていることだ。知らないのなら教えてやろう。あれは、金星から来たんだぞ。
渡辺謙の特攻隊も、日本人だからってまたこれかという感じだ。アホは、日本人というはトッコウ、ハラキリくらいしか知らないのだろう。いくら人類の危機だからってゴジラを覚醒させるためという名目で簡単に原爆を投下するのもどうかと思う。「インディー・ジョーンズ」でハリソン・フォードが冷蔵庫に入って原爆直下にいたにもかかわらず助かるなど、アメリカ人の原爆に対する認識はあいかわらがこんなものなのか。スタッフ全員で撮影に入る前に原爆記念館を見学してこいと言いたい。ラストで多くの怪獣たちがゴジラを取り囲んで平伏しているなんざ、この映画はコメディだったのか。それでも儲かれば作り続けるのがハリウッド。次回は「Godzilla vs. Kong」なんだそうだ。まあ、勝手にやってくれい。
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=I_sDRg4oOHQ
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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CGはなかなかだが退屈「流浪地球ザ・ワンダリング・アース」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-09-11
「流浪地球ザ・ワンダリング・アース」☆☆☆ 珍しい中国のSFスペクタクル映画「流浪地球( ザ・ワンダリング・アース、さまよえる地球)」。この2月に封切られ1週間で興収400億円を突破したという話だが(1月で750億円を突破したという話もある)、なんせあの国は白髪三千丈の国なので、まあ話半分に聞いておいたほうがいいだろう。 話は太陽が赤色巨星化し地球軌道までもが飲み込まれてしまうことがわかり、地球がまること太陽系から脱出するというもの。地球が軌道を変えて危機を回避するというと、私のような年寄りには半世紀も前の東宝映画「妖星ゴラス」が思い出されるわけ。ただ、あれは巨大質量をもつ妖星ゴラス(要するに中性子星)から逃れるため南極にロケット基地を建設し、ゴラスの軌道からちょいと離れるだけだが、こちらは太陽系を捨てて他の恒星系(4.3光年なんて言葉が出てくるのでおそらく最も近い恒星アルファ・ケンタウリだろう)をめざすというのだからスケールだけはでかい。 SFフアンなら「2001年宇宙の旅」でおなじみのアーサー・クラークの処女作「太陽系最後の日」を思い出すかもしれない。太陽爆発が活発化し、地球が生命の住めない惑星になりつつあるという設定も似ていなくはない。ただ、こちらは、地球に見切りを付けた人類は無数のロケットで宇宙に飛び出すわけで、地球がまるごと「逃げ出す」という話ではない。ハインラインの「宇宙の孤児」は巨大宇宙船での航行であり、やはり地球まるごとというわけではない。さすがに太陽からはどんどん離れるわけで地上は極寒。人々は推進ロケットの関係者以外は地下での生活を余儀なくされている。 まあ、こうした地球の最後、人類の最後に関わる話は今までいろいろなSF作品で語られてきたわけで、もちろん製作者はそうしたものを参考にしているのだろう。しかし、地球環境は基本的に太陽エネルギーに頼っているわけで、「放浪」を始めたらいったいエネルギー環境などどう整備するんだろう。氷の惑星では植物の光合成なども当然ないわけで、ある程度は地下資源を利用するとしても、それはタコが自分の脚を食べるようなもので、目的の恒星系にたどり着くまでの何万年もの期間資源が保つとはとても思えない。とすれば、行き着く先はのたれ死にの全滅である。 CGは予想よりはずっとうまく出来ており、広大な氷原の光景など悪くはない。が、展開される話は上記のように整合性がなく、しかもかなり陳腐..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-09-11T13:04:14+09:00
「流浪地球ザ・ワンダリング・アース」☆☆☆
珍しい中国のSFスペクタクル映画「流浪地球( ザ・ワンダリング・アース、さまよえる地球)」。この2月に封切られ1週間で興収400億円を突破したという話だが(1月で750億円を突破したという話もある)、なんせあの国は白髪三千丈の国なので、まあ話半分に聞いておいたほうがいいだろう。
話は太陽が赤色巨星化し地球軌道までもが飲み込まれてしまうことがわかり、地球がまること太陽系から脱出するというもの。地球が軌道を変えて危機を回避するというと、私のような年寄りには半世紀も前の東宝映画「妖星ゴラス」が思い出されるわけ。ただ、あれは巨大質量をもつ妖星ゴラス(要するに中性子星)から逃れるため南極にロケット基地を建設し、ゴラスの軌道からちょいと離れるだけだが、こちらは太陽系を捨てて他の恒星系(4.3光年なんて言葉が出てくるのでおそらく最も近い恒星アルファ・ケンタウリだろう)をめざすというのだからスケールだけはでかい。
SFフアンなら「2001年宇宙の旅」でおなじみのアーサー・クラークの処女作「太陽系最後の日」を思い出すかもしれない。太陽爆発が活発化し、地球が生命の住めない惑星になりつつあるという設定も似ていなくはない。ただ、こちらは、地球に見切りを付けた人類は無数のロケットで宇宙に飛び出すわけで、地球がまるごと「逃げ出す」という話ではない。ハインラインの「宇宙の孤児」は巨大宇宙船での航行であり、やはり地球まるごとというわけではない。さすがに太陽からはどんどん離れるわけで地上は極寒。人々は推進ロケットの関係者以外は地下での生活を余儀なくされている。
まあ、こうした地球の最後、人類の最後に関わる話は今までいろいろなSF作品で語られてきたわけで、もちろん製作者はそうしたものを参考にしているのだろう。しかし、地球環境は基本的に太陽エネルギーに頼っているわけで、「放浪」を始めたらいったいエネルギー環境などどう整備するんだろう。氷の惑星では植物の光合成なども当然ないわけで、ある程度は地下資源を利用するとしても、それはタコが自分の脚を食べるようなもので、目的の恒星系にたどり着くまでの何万年もの期間資源が保つとはとても思えない。とすれば、行き着く先はのたれ死にの全滅である。
CGは予想よりはずっとうまく出来ており、広大な氷原の光景など悪くはない。が、展開される話は上記のように整合性がなく、しかもかなり陳腐で、おおっと驚かされるような展開はない。また、いかにも中国らしく家族の問題がからんでくるので、ちょっと退屈する。家族の問題などどうでもいいとは言わないが、こんなんラストで「めでたしめでたし」でいいんだろうか?
↓予告編
http://www.nicovideo.jp/watch/sm34269835
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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「エル・シド」再び
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-09-03
先日、「天気の子」が興収100億円を超えたというニュースがあった。興収200億円超えの「君の名は。」の新海監督によるアニメである。それ自体はある意味おめでたいことでケチをつける気は全くない。ただ、「君の名は。」は私も見たが、(男女入れ替わりや次元、時制の問題などそれなりにうまく処理されてはいたものの)なんだか既視感が先に立って退屈なものだった。なんであんなにヒットしたのか、老化した頭では理解できない。その同じ監督のアニメと考えると、どうももう一つ見に行こうという気になれないのだ。まあ、テレビ放映時に時間がとれれば見るだろうとは思うが。 ところで、そのニュースの中で今年は早くも100億円超えの映画がこれで3本になったと伝えていた。残りの2本は「トイ・ストーリー4」と「アラジン」のいずれもディズニー映画。「アラジン」は外国のサイトにアップされているものを見たが(英語がダメなので半分も理解できないということを差し置いても)退屈なものだった。一応「実写版」と言われているが全編CGのようなものだ。以前、アニメとして作っているので今度は「実写」と宣伝したらまたまた儲かったということだ。アクドイなあ。「トイ・ストーリー」については、かなり以前に「1」を見たがつまらなかったので、時間が限られている老人としては、見る予定はない。 だからといってダメな映画と言っているわけではない。 老人が見るにはあまり合わない映画だと言っているだけで、それ以上でも以下でもない(もちろん、感性にぴったりでおもしろかったと言う老人がいても否定はしない)。少数のマニア相手の映画事情は知らないが、大々的な商業映画で、老人が見てもそれなりに感動できる映画が少なくなったのは事実だろう。こちらの感性が鈍くなったからとは、思いたくない。去年を振り返っても感動ではたのは、「ボヘミアン・ラプソディー」くらいのものだ。話題になる洋画はほとんどがディズニーお子様ランチかマーベルコミック物、邦画はホラーかファンタジー物ばかり。もちろん、質のいいおもしろい映画も作られているのだろうとは思うのだが、情弱の年寄りのもとにはなかなか情報が入ってこない。 救いは若いころ見ておもしろかった映画で、今見てもおもしろい映画があることだ(もちろん例外はあって、東映のチャンバラ時代劇やボブ・ホープ&ビング・クロスビーの「珍道中」シリーズなど今ではテンポも悪くシナリオも雑。退屈でとても最後まで..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-09-03T10:29:48+09:00
ところで、そのニュースの中で今年は早くも100億円超えの映画がこれで3本になったと伝えていた。残りの2本は「トイ・ストーリー4」と「アラジン」のいずれもディズニー映画。「アラジン」は外国のサイトにアップされているものを見たが(英語がダメなので半分も理解できないということを差し置いても)退屈なものだった。一応「実写版」と言われているが全編CGのようなものだ。以前、アニメとして作っているので今度は「実写」と宣伝したらまたまた儲かったということだ。アクドイなあ。「トイ・ストーリー」については、かなり以前に「1」を見たがつまらなかったので、時間が限られている老人としては、見る予定はない。
だからといってダメな映画と言っているわけではない。
老人が見るにはあまり合わない映画だと言っているだけで、それ以上でも以下でもない(もちろん、感性にぴったりでおもしろかったと言う老人がいても否定はしない)。少数のマニア相手の映画事情は知らないが、大々的な商業映画で、老人が見てもそれなりに感動できる映画が少なくなったのは事実だろう。こちらの感性が鈍くなったからとは、思いたくない。去年を振り返っても感動ではたのは、「ボヘミアン・ラプソディー」くらいのものだ。話題になる洋画はほとんどがディズニーお子様ランチかマーベルコミック物、邦画はホラーかファンタジー物ばかり。もちろん、質のいいおもしろい映画も作られているのだろうとは思うのだが、情弱の年寄りのもとにはなかなか情報が入ってこない。
救いは若いころ見ておもしろかった映画で、今見てもおもしろい映画があることだ(もちろん例外はあって、東映のチャンバラ時代劇やボブ・ホープ&ビング・クロスビーの「珍道中」シリーズなど今ではテンポも悪くシナリオも雑。退屈でとても最後まで見られない)。
ということで、前回の「ベン・ハー」に習って、今回は同じくチャールトン・ヘストン主演の歴史劇大作「エル・シド」を見た。これも3時間を超え、途中でインターミッションの入る70mm大作である。映画の出来としては「ベン・ハー」より2ランクは落ちるが、「ベン・ハー」は映画史に残る大傑作。細かいところで気になる点はいくつかあるが、これはこれで見応え十分の映画であることをあらためて確認した。もう40年以上も前のことになるがテレビ東京で放送されたとき、解説の故・山城新伍が「最近もおもしろい映画は作られていますが、この映画のように格調をもった映画というのは少なくなった気がします」と言っていたが、全くその通りである。
例によって、以前書いた雑文(加筆あり)をコピペしておく。
↓予告編
https://trailers.moviecampaign.com/detail/6529
70mm史劇大作「エル・シド」
今ではほとんど忘れられかかっている映画「エル・シド」(1961)について書こうと思う。異教徒からスペインを救った中世スペインの英雄ロドリゴ・ディアス(強いだけではなく情けも知る武将であったことからエル・シドと称された)の物語である。
主演は「ベン・ハー」のチャールトン・ヘストン、ヒロインにソフィア・ローレンという両アカデミー賞受賞俳優、監督に「ウインチェスター銃73」のアンソニー・マンという70ミリ大作で、半世紀も前の封切り時にはそれなりに話題になりヒットもしたのだが、最近では話題にのぼることもあまりない。3時間を超える長編なのでTV放映されることも今ではまずない。あっても大幅にカットされているのが常なので見る気はしない。かつてレーザーディスクが出ていたが、今はどうだろう? しかし、この映画、「昔の映画」という一言で消してしまうには、あまりに惜しい。
手近な本をめくってみたらある作家が映画に関するエッセイの中で「エル・シド」に触れていた。が、合戦シーンなどスタンリー・キューブリックの「スパルタカス」がいかによくできていて、「エル・シド」がダメなのかという証拠として触れられているだけなのでちょっと異論がある。「スパルタカス」は、私が映画のベストテンを選べば必ず入ってくるほどの名作で、そういった映画史に残る名作と比べて駄作と決めつけられたのでは、かわいそうな気がするのである。その辺も含めて書いていきたい。
制作は、当時スペインに本拠をかまえ、キリストの生涯を描いた「キング・オブ・キングス」、故・伊丹十三(当時、一三)も出ていた「北京の55日」、「ベンハー」の仇役メッサラのスティーブン・ボイド主演の「ローマ帝国の崩壊」などの70ミリ大作を続々と制作していたサミュエル・ブロンストン。スベクタクル好きの私は、「70ミリ映画は全部見てやるぞ」と心に決め「黄金の矢」「シエラザード」果ては大映の「釈迦」や「秦始皇帝」などという際物まで見ていたくらいだから、上記の作品はもちろん総て見ている。プロンストンの作品は、それぞれスケ−ルの大きさには目を見張るものがあるが、正直隙間風が吹き抜けるといったものが多く、唯一、スペインの英雄を主人公にしたこの「エル・シド」がロケーションの素晴らしさとあいまって最高の出来栄えとなったのである(と、思っている)。
監督は、前年一旦「スパルタカス」の監督に決まりながらもプロデューサー兼主演のカーク・ダグラスと衝突して監督の座を追われたアンソニー・マン。紀元前と中世の違いこそあれ、同じ70ミリ大作の歴史劇ということもあり、「この映画で見返してやるんだ」といった気迫が画面の随所に感じられる。原作はコルネイユの「ル・シッド」(この戯曲を読みたいだけのために私は筑摩書房の世界文学大系「古典劇集」という菊判の分厚い本を買ってしまったのだ)といえないこともないが、コルネイユの戯曲は「ロミオとジュリエット」に代表されるような家と家との対立という部分に力点が置かれており、別にスペクタクル史劇ではない。映画は別物と考えた方がいい。また後に岩波文庫から「エル・シードの歌」という叙事詩が出たが、こちらのほうがまだ映画に近いと言える(ただし、全編読むのはかなり退屈でシンドイ)。
主演のチャールトン・ヘストンは、まさに適役。風貌といい彼以外にエル・シド役は考えられないといってもいい。ヒロインもソフィア・ローレンのような大柄の女優でなくては騎士の妻は勤まらない。スペインを侵略するイスラム教徒の敵役ハーバート・ロムは「ピンク・パンサー」で間抜けな警部役を演じている俳優だが、ここでは憎らしいほどの鬼気迫る演技を見せている。従って敵が巨大で憎らしいほど、エル・シドの活躍もまた引き立つというわけである。細かいことを書くと、ローレンと張合う王女役のジュヌヴィエーヴ・パージュはビリー・ワイルダー監督の「シャーロック・ホームズの冒険」にも出ているのだが、この映画の音楽が「エル・シド」と同じミクロス・ローザというのは、何かの因縁か?
エル・シドの主な戦いは4つ。
最初は、後に彼の妻となるシメーヌの父親との闘い。これは、家と騎士の名誉を賭けた闘いで、相手が婚約者の父ということもあり、建物の中で行われ、エル・シドの闘いたくはないのだが闘わなければならない心情を表すように、画面全体が暗い。ただ。現代の感覚から言うと、そこまで家の名誉を重んじるというというのは、ちょっとわかりづらい。
2番目がカラオーラという土地の所有をかけた王の最高騎士としての闘い。相手の挑戦を受ける建物の中(相手の投げた手袋を拾い上げる=挑戦を受けたという印、ヘストンが実にかっこいい。映画としては「ベン・ハー」の方が明らかに上なのだが、俳優ヘストンとしては、こちらの方が光っているというのが私の持論である)から屋外の城と闘技場までをパンで見せる切り替えが見事。スペインの古城が否が応でも雰囲気を盛り上げる。闘いの前の儀式の見せ方も騎士のプライドがよく伝わり、これにローレンと王女の二人の女の意地までからんで、わくわくさせるものがある。このような中世の一対一の闘いを描いた場面としては、最高のものではないかと思う。
3番目は13人の騎士との闘い。これは、ストーリー的には大して重要な場面ではないが、静の場面が続いた後だけにリズムとスピード感が際だち、合わせてエル・シドの強さを印象付けるシーンである。繰り返しになるがともかくヘストンがカッコイイので、相手が13人だろうと勝ってしまう説得力がある。ローザの軽快な音楽もいい。
そして、最後のスペインの存亡を賭けたバレンシアの戦いとなる。空間的にも登場人物の数からいっても、どんどんスケールが大きくなり最後にどーんと大決戦があるわけで、シナリオのうまさである。エル・シドを先頭に突進する騎兵の群れでスピード感を出しておき、敵の大群を挟んで、歩兵の大群を前方からと俯瞰の2ショットで見せる70mm大画面を十分に意識した見せ方もうまい。激突してからのシーンは、もう少し短くてもいいのかな、という気がしないではないが、エル・シドの横に常に旗を配し、彼の位置を観客にわからせるというのも、なかなかの工夫である。この戦いでエル・シドは重症を負うのだが、それまでかたくなに協力を拒んでいた国王が駆けつけ、一気にラストになだれ込むあたりなかなかよくできている。
バレンシアの戦いの当初に、エル・シドが「神と国王とスペインのために」と言う言葉が、ラストで国王の口から「神とエル・シドとスペインのために」と言い換えられるあたりも、うまい。「かくしてエル・シドは、歴史の門から伝説の中へと駆けて行ったのである」というナレーションに至っては、正座して聞きたいというくらい格調が高い。ラスト、エル・シドを乗せた白馬が画面の右から左へと波打ち際を走っていくシーンなどまさに伝説の騎士が天に駆け昇っていくようで、思わず目頭が熱くなる。「笑点」流に言えば、座布団2枚、いや10枚やりたいくらいのものである。
国王争いをする兄弟がどちらも髭をはやしていて見分けがつきにくいとか、死んだエル・シドが先陣をきるラストの戦いの布陣がわかりにくい(というか、相手方の布陣と城の造りが最後までわからない)、あるいはインターミッションの前のヘストンがローレンと再び会う前の、エル・シドから水をもらうラザルスという病人のもったいぶった言葉はいったいどうなったんだ、などという細かいことは忘れて、ここは娯楽大作と考え、西洋講談の名調子に身をゆだねようではないか。
幻の「エル・シド」マーチ
CATVの「ザ・シネマ」チャンネルで先日亡くなったチャールトン・ヘストン主演の「エル・シド」をやっていたので録画してみた。
史劇大好き人間、70mm映画大好き人間、ローザの音楽大好き人間の私が、あの「ベン・ハー」ヘストンがスペインの英雄剣士を演じたこの映画を見逃すわけはない。公開前から早々とミクロス・ローザ作曲のサウンドトラック盤LPを買い、映画自体も劇場で三度も見ている。もちろんビデオも持っている。NHK-BS2で放送されたものも無論S-VHSで録画したものなのだが、ノーカットなのはいいとしても残念ながらインターミッションの間奏曲(勇壮なマーチ風の曲なので「エル・シドマーチ」とも言われる)がカットされメインタイトルの曲でごまかしていた。どうせ半世紀も前の古い映画だからわかりはしないだろう、ということなのだろうがこちらは当時2000円もしたサウンドトラック盤LPを買い、ハミングできるくらい何度も聞いているのだ。レーザーディスクでも「エル・シド」を見ている(さすがにレーザーディスクのものはちゃんと序曲も間奏曲も終曲も入っていた)。たちどころに「おいおい」ということになったわけだ。インターミッションの時間そのものも短くなっていたので、「安倍様のNHK」としては時間短縮のためこういった「暴挙」にでたのだろう。地上波ではなくBSなのだから完全版を放送するのが「筋」というものだろう。
民放で放送されるときは序曲までカットされるのがほとんど。それよりはマシというところなのだが、NHKはいわば「有料放送」なのだからここは納得いかない。インターミッションの前と後では十数年の月日が経っているという設定なので、やはりきちんとインターミッションを入れ、その年月の間のエル・シドの数々の戦いと勝利をイメージさせる「エル・シドマーチ」はぜひ聞きたいところである。
幸い、「ザ・シネマ」チャンネルはノーカット放映なので、よしよしと思って録画したのである(なにせ朝6:00からの放送なのでタイマー録画)。このチャンネルはトリミング版で放送される映画が多いので危惧していたのだが、ノートリミング版で第一関門クリア。序曲もあって第二関門クリア。ところがである、インターミッションがまるまるなくていきなり後半戦に突入してしまったのである。唖然呆然とはこういうことをいう。怒り狂って(^_^;録画データは速攻で消してしまったのだが、こうなると「エル・シド」マーチを聞くにはDVDを買うか、WOWOWで放送されるのを気長に待つしかないのかもしれない。まあ、その頼みのWOWOWも「2001年宇宙の旅」「グランプリ」といったシネラマ映画は平気でトリミング版を放送しているので、油断はできないのだが・・・。
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原作に引きずられすぎ「七瀬ふたたび」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-08-29
「七瀬ふたたび」☆☆★★ もう40年くらい前だろうかNHKが午後6時あたりの早い時刻にこのドラマをやっていて、数回見た記憶がある。ヒロイン火田七瀬を演じていたのは多岐川裕美(このころすでに20代後半だったのではないのか。私の七瀬のイメージは20歳そこそこだったので「おばさんがやるなよ」と思ったものだ)。原作は筒井康隆で「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」と続く3部作の一つ。なぜ真ん中のこの作品からドラマ化されたのかはよくわからないが、「家族八景」が連作短編風なので、長編になっているこちらのほうが視聴者を引っ張っていけるという計算があったのかもしれない。 その後、このシリーズは何回もドラマ化されたが、映画化されたのは今回が初めて。なんでも「筒井康隆作家生活50周年記念映画」なんだそうだ。相手の心が読める(テレパス)ヒロインを演じるのは芦名星という知らない女優。色黒で田舎くさく、なんだか七瀬のイメージに合わずヤンキーにしか見えない。が、まあ原作からはいろいろな人がいろいろなイメージを得るものなので、文句は言わないことにする(原作者筒井がイメージにピッタリとか言っていたなんて記事があるが、ギャグか?)。 ただ、このシリーズ、筒井は大いに遊んでいてテレパスの他にも念力(テレキネシスダンテ・カーヴァー)、予知能力者(田中圭)、時間航行者(タイムリープ佐藤江梨子)など超能力者が続々と登場する。こうした超能力者が時の権力から狙われ、追われるというのはヴァン・ヴォクト「スラン」以来のSFの伝統とでもいうべきものだ。SF同人誌までやっていた筒井は、もちろんそんなことは知っている。ステレオタイプ的展開であることを承知の上で大いに遊んでいるのだ(この筒井の遊びは最終「エディプスの恋人」において、ええーっそんなぁというくらい最高潮になるのだが、ここには書かない)。 そのあたりの「遊び」がわかっていないと、わけのわからない人間(超能力者)が出てきてわけのわからないことが起こり、彼らを狙う謎の組織がやたら発砲し人を殺すという展開がごちゃごちゃになって混乱してしまう。こうした闇権力による殺人集団に追われる話よくあるでしょう、それのパロディですよーという作者の声が聞けるか聞けないかが理解と評価の分かれ目になるだろう。 それにしても、私はもともとSF少年だったし、このシーリーズ原作も読んでいるので彼らの超能力やその関係についてはあらか..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-08-29T14:13:45+09:00
「七瀬ふたたび」☆☆★★
もう40年くらい前だろうかNHKが午後6時あたりの早い時刻にこのドラマをやっていて、数回見た記憶がある。ヒロイン火田七瀬を演じていたのは多岐川裕美(このころすでに20代後半だったのではないのか。私の七瀬のイメージは20歳そこそこだったので「おばさんがやるなよ」と思ったものだ)。原作は筒井康隆で「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」と続く3部作の一つ。なぜ真ん中のこの作品からドラマ化されたのかはよくわからないが、「家族八景」が連作短編風なので、長編になっているこちらのほうが視聴者を引っ張っていけるという計算があったのかもしれない。
その後、このシリーズは何回もドラマ化されたが、映画化されたのは今回が初めて。なんでも「筒井康隆作家生活50周年記念映画」なんだそうだ。相手の心が読める(テレパス)ヒロインを演じるのは芦名星という知らない女優。色黒で田舎くさく、なんだか七瀬のイメージに合わずヤンキーにしか見えない。が、まあ原作からはいろいろな人がいろいろなイメージを得るものなので、文句は言わないことにする(原作者筒井がイメージにピッタリとか言っていたなんて記事があるが、ギャグか?)。
ただ、このシリーズ、筒井は大いに遊んでいてテレパスの他にも念力(テレキネシスダンテ・カーヴァー)、予知能力者(田中圭)、時間航行者(タイムリープ佐藤江梨子)など超能力者が続々と登場する。こうした超能力者が時の権力から狙われ、追われるというのはヴァン・ヴォクト「スラン」以来のSFの伝統とでもいうべきものだ。SF同人誌までやっていた筒井は、もちろんそんなことは知っている。ステレオタイプ的展開であることを承知の上で大いに遊んでいるのだ(この筒井の遊びは最終「エディプスの恋人」において、ええーっそんなぁというくらい最高潮になるのだが、ここには書かない)。
そのあたりの「遊び」がわかっていないと、わけのわからない人間(超能力者)が出てきてわけのわからないことが起こり、彼らを狙う謎の組織がやたら発砲し人を殺すという展開がごちゃごちゃになって混乱してしまう。こうした闇権力による殺人集団に追われる話よくあるでしょう、それのパロディですよーという作者の声が聞けるか聞けないかが理解と評価の分かれ目になるだろう。
それにしても、私はもともとSF少年だったし、このシーリーズ原作も読んでいるので彼らの超能力やその関係についてはあらかじめわかっていたが、予備知識なしにいきなりこの映画を見るのは辛いのではないのか。と同時に、少なくとも「七瀬ふたたび」に限ればこの物語は悲しいくらいに暗い。それは解決への糸口が全く提示されていないからだ。この映画で初めて火田七瀬を知った観客は果してこの結末に満足できるのだろうか。原作を通読していてこの後の展開を知っている私にも原作に近いとはいえ結末には満足できなかった。百歩譲って小説なら許容できるにしても、映画の結末としてこれでいいのだろうか?
話は少し飛ぶが、007シリーズを思い起せばそのあたりの原作と映画との関係は極論すれば別物なのだということがわかるだろう。傑作の誉れ高い「ロシアより愛をこめて」は全体としては原作の流れにそっているものの、ボンドがオリエント急行を降りてからのヘリコプタやモーターボートの銃撃戦は原作にはない。映画ならではの見せ場をあえて作ったわけだ。だからこそ傑作になった。また、ボンドは毎回のように女性とうまくやってしまうのだが、次の作品ではそんなことありましたかねといった感じで立ち回る。過去の事件についてもせいぜい話の中で出てくる程度のものである。ジェームズ・ボンドなる人物が出てくるというだけで、シリーズ全体がサーガになっているわけではないのだ。
この火田七瀬のシリーズもそういう意味では七瀬という魅力的なテレパスが登場する3本のお話と考えるべきである(七瀬の年齢などを見ると、007よりは3本の間に関係性はあるのだが)。連作短編でユーモラスな面もあった「家族八景」と比べ、ヒロインは同じでも「七瀬ふたたび」は暗い長編である。小説の場合は私のようにすでに「家族八景」を読んでいて、おっ続編が出たのか、と「七瀬ふたたび」にやって来る者が多いと思うのだが、映画は「その1本」が勝負である。筒井康隆原作ということなので「時をかける少女」のようなものを期待して来るひともいるかもしれない。もし原作をすでに読んでいる人を想定して映画を作っているのだとしたら、バカとしか言いようがない。
七瀬の話にこの映画で初めて接し、とても暗い出口のないような話に加わってしまった観客にはこの結末はとても納得できるものではないだろう。この結末では、原作に引きずられすぎ映画としての創意工夫に欠けていたと言われても仕方ない。映画には映画として見る者を納得させる別の結末があってもよかったのではないのか。というより、そうすべきだった(きっぱり)。
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=Jzvh5TSmjl8
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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「ベン・ハー」ついまた見てしまった
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-08-23
いやはや、名画のもつ力というのは恐ろしいと、つくづく思った。 ウイリアム・ワイラー監督の名作「ベン・ハー」は1959年の製作なのでナントもう60年も前の映画だ。劇場でも見たし、レーザーディスクも買ったし、テレビで放送される度にそれこそ何度も見た。にもかかわらず、仕事の前に冒頭の音楽をちょっとだけ聞きたく(見たく)なり見始めたらいつの間にか映画に入り込んでしまい、止まらなくなった。気がつけば、インターミッション前の、外へ出て行くベン・ハーの背後で枯れ葉がさーっと流れる名シーン。そして、間奏曲。こうなると戦車競走も待っているし最後まで見るしかないと腹を括った。遂に3時間40分を完走で、よかったなぁ・・・と感動に浸る。いやあ、いい映画は何度見ても色あせないものだなぁと、満足してタバコ(プルームテック+)を一服。おかげで、今日やる予定だった仕事は翌日に持ち越し。時間の巻き戻しはできないのだから、「思い通りにならない日には、明日がんばろう・・・♪」 と、「365日の紙飛行機」を口ずさんで誤摩化す。 名画のもつ力というものを軽んじていたというしかない。なぜ急に見たくなり、聞きたくなったのだう。多分、このところクソゴミ映画ばかり見てきたので、たまには安心して見られる名画を見て精神の安定を保とうとしたのかもしれない(^^;。 以下に、以前、「ベン・ハー」について書いた雑文を再掲載しておきますので(加筆アリ)、この映画に関心のある人、感動した人、そして暇を持て余している人は読んでみてください。↓予告編https://www.youtube.com/watch?v=dyP3gkUNPs0★「ベン・ハー」(1959)について 「ベン・ハー」は、ユダヤ人ジュダー・ベン・ハーとキリストの受難を重ね合わせたスペクタクル大作史劇で、最初見たときにはとてつもなく感動し、「世の中にこんな素晴らしい映画があったのか」とさえ思ったものだ。もちろん3時間40分の長編だが退屈するというようなことは全くない。この映画を初めて見たのは当時名古屋随一の洋画ロードショー館・テアトル名古屋の70mm大画面。二番館、三番館専門の私がこんな高級!映画館に入ったのも初めてなら、70mm映画をきちんと70mm用画面で見たのもこれが初め。階段状に並んだ椅子もすばらしく、大画面を前に上映前からわくわくしていたのを思い出す。 どうでもいいことだが、購入したパンフレットには、撮..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-08-23T10:43:03+09:00
ウイリアム・ワイラー監督の名作「ベン・ハー」は1959年の製作なのでナントもう60年も前の映画だ。劇場でも見たし、レーザーディスクも買ったし、テレビで放送される度にそれこそ何度も見た。にもかかわらず、仕事の前に冒頭の音楽をちょっとだけ聞きたく(見たく)なり見始めたらいつの間にか映画に入り込んでしまい、止まらなくなった。気がつけば、インターミッション前の、外へ出て行くベン・ハーの背後で枯れ葉がさーっと流れる名シーン。そして、間奏曲。こうなると戦車競走も待っているし最後まで見るしかないと腹を括った。遂に3時間40分を完走で、よかったなぁ・・・と感動に浸る。いやあ、いい映画は何度見ても色あせないものだなぁと、満足してタバコ(プルームテック+)を一服。おかげで、今日やる予定だった仕事は翌日に持ち越し。時間の巻き戻しはできないのだから、
「思い通りにならない日には、明日がんばろう・・・♪」
と、「365日の紙飛行機」を口ずさんで誤摩化す。
名画のもつ力というものを軽んじていたというしかない。なぜ急に見たくなり、聞きたくなったのだう。多分、このところクソゴミ映画ばかり見てきたので、たまには安心して見られる名画を見て精神の安定を保とうとしたのかもしれない(^^;。
以下に、以前、「ベン・ハー」について書いた雑文を再掲載しておきますので(加筆アリ)、この映画に関心のある人、感動した人、そして暇を持て余している人は読んでみてください。
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=dyP3gkUNPs0
★「ベン・ハー」(1959)について
「ベン・ハー」は、ユダヤ人ジュダー・ベン・ハーとキリストの受難を重ね合わせたスペクタクル大作史劇で、最初見たときにはとてつもなく感動し、「世の中にこんな素晴らしい映画があったのか」とさえ思ったものだ。もちろん3時間40分の長編だが退屈するというようなことは全くない。この映画を初めて見たのは当時名古屋随一の洋画ロードショー館・テアトル名古屋の70mm大画面。二番館、三番館専門の私がこんな高級!映画館に入ったのも初めてなら、70mm映画をきちんと70mm用画面で見たのもこれが初め。階段状に並んだ椅子もすばらしく、大画面を前に上映前からわくわくしていたのを思い出す。
どうでもいいことだが、購入したパンフレットには、撮影にはMGMカメラ65という機器が使われ映像部分の幅が65mm、6本トラックだったかの音声部分が5mmで計70mmとなるというようなことが書いてあった。その後、70mm映画追っかけ人間になったわけだが、スーパーパナビジョン70、ウルトラパナビジョン70、Todd-AO70、スーパーテクニラマ70などいろいろあってどうちがうのかは未だに不明(^^;。
いわゆる「立体音響」というのもこれが初めてだった。すっかり感動した私は、その後「ベン・ハー」を、行きつけの洋画三番館・オーモン劇場、そして(劇場名は忘れてしまったが名宝会館内の70mm上映館のスカラ座だったのではないかと思う(^^;)再上映時と、都合3回も劇場で見た。
後年、テレビ放映されたときには当時まだ高価だったVHSビデオデッキで前後編を録画したものの、実質3時間程度にカットされていたため、あのシーンがない、このシーンもないと不満ばかりが残った。そのためレーザーディスクが出ると2枚組10800円とこれまたいい値段だったがすぐに買い、ノートリミング盤が出るとまた買い求めた。さらにWOWOWやNHK-BS、CSのザ・シネマで放送されたものも見ているので、通しで見ただけでも10回以上見ているはずだ。WOWOWのものは画質もよかったので、DVD2枚組に録画してある。
という前置きはともかくとして、「ベン・ハー」は実によくできている映画で、映画初心者からマニアまで満足させるという点でも代表的な歴史映画、いやそういった狭い範疇を超えた映画史上の金字塔と言える。アカデミー賞最多の11部門受賞は当然の結果で、この記録は「タイタニック」や「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」に並ばれてしまったが、1950年代末から60年代にかけての映画がまだ力をもっていた時代での大記録である。賞の数自体も今と比べると少ない。比べる方が失礼というものだろう。ちなみにこのときのアカデミー賞で唯一不満に思えるのはヒュー・グリフィス(戦車競走用のウマを所有しているアラブのおっさん)の助演男優賞で、これはどう考えても敵役を熱演したスティーブン・ボイドにあげるべきだったろう。オイルマネーの威力?まさかね。
また話が逸れそうになったが、この映画の成功は監督ウイリアム・ワイラーの手腕に帰するところが大きいと思う。
さすがに「ローマの休日」「必死の逃亡者」「大いなる西部」「コレクター」などの名監督である(「孔雀夫人」などそれ以前の作品にも名作が多いという話だが、私は見ていない)。
たとえば、ベン・ハー(チャールトン・ヘストン。この映画でアカデミー主演男優賞を受賞した。納得)と許婚者エスターとのシーンには、バックに格子戸が繰り返し映し出されるが、こういう細かいところをきちんと撮れるかどうかが大画面映画にとってもやはり大切なのである。きちんと撮れているので、格子戸が傾きエスターのいないシーンが映し出されると、それだけでベン・ハーの孤独感が伝わってくるわけだ。
ちなみに、エスターがベン・ハーと会うときは外付けの階段を降りてくるパターンになっていて、これは天使のイメージを連想させるためではないかと思う(ラストでは、これが逆になり、ベン・ハーが上階で彼の母妹とエスターが階段を上がってくるパターンになる。つまり、ベン・ハーも「復讐」という呪縛から開放されたことがわかる)。
ベン・ハーの母親役を演じるマーサ・スコットは、「十戒」でヘストンがモーゼを演じた時も実の母親役をやっている。ワイラーは、こういう映画通をニヤリとさせるところまできちんと考えて作っているのだと思う。ちなみに、妹役の地味なキャシー・オドンネルは確かワイラーの兄さんのお嫁さんだったはず。
有名な戦車競走のシーンについては何人もの人が書いているので今さら詳しくは書かないが、あれは集合合図がかかり、仇役のメッサラ(スティーブン・ボイド)の戦車が刃物をそなえたギリシャ戦車であることをきちんと観客に知らせ、ミクロス・ローザの勇壮な音楽と共に戦車が場内を一周し、というセレモニニーで盛り上げておいて、スタートとなるので効果的なのである。メッサラの馬が黒で、ベン・ハーの馬が白というのもどちらの馬がどこにいるのか子供でも一目でわかってよい。何周したかを魚のマークで知らせたり、一旦遅れたベン・ハーが追いついたりということろもきちんと描かれている(ちなみに私が読んだ原作の記憶では、ベン・ハーがメッサラの戦車の車輪に自分の戦車の車軸を突っ込んで破壊したはずである。もちろん、映画のような展開の方が遥かに自然である)。
戦車競走のどでかい競技場にしろ、ローマへの凱旋シーンにしろ、初めの方に出てくるエルサレムの町へのローマ総督の入場シーンにしろ迫力満点なのは言うまでもない。あまりのスケールの大きさに声もないとは、こういう場面のことを言うのである。こんなに金をかけて大丈夫なんだろうか、と心配になるほどだが、こういうシーンに金をかけないと「スター・ウォーズ」(第1作、つまりエピソード4のことです)のラストのようにせっかく宇宙規模で戦われた戦争に勝利したのに記念式典がスーパー・ダイエーの入社式のようになってしまい、映画そのものをだいなしにしてしまうのである。
ただし、一言言っておきたいのは、ただ巨大セットを作って出すだけではダメだということ。戦車競走のシーンをもう一度例にとれば、まず戦車の集合場所は背後に壁があり、前方には太い柱がある、という閉鎖された空間である。それが競技場に出て行って初めて空間が広がり、巨人像が映し出されて度胆を抜かれ、さらに競技場全体の俯瞰(後方にエルサレムの丘と空が広がる)が示されて「うわーっ、すげえ」ということになるのである。こういう見せ方に関してもワイラーは、手抜かりがない。
海戦にしても、その前にガレー船の櫓の漕ぎ方や司令官アリアスとの関係などをきちんと描き、船の形や色、各々の服飾などもちゃんと整理されているので迷うことはない。戦闘の前に奴隷は鎖に繋がれるのだが、ベン・ハーだけは鎖をはずされる。そして櫓を漕ぐシーンに移るのだが、満身の力で漕ぐので漕ぎ終えた姿勢は自然と上を向くことになる。すると甲板から見下ろしているアリアスの姿が見える。彼が鎖をはずしてくれたんだとそれでわかるわけで、その後、ベン・ハーがアリアスを助けることにも納得がいくのである。
もう一つ書いておくと、この映画の縦糸の一つに生命の源である「水」での癒しというものがある。癩病にかかって重病なベン・ハーの母妹が、十字架で流されたイエスの血が雨とともに大地に広がり完治するという奇跡がその典型だろう。砂漠でイエスから水をもらって生き延びたベン・ハーが、十字架に向かうイエスに水を差し出す感動的なシーンがあるが、あれも都合よく差し出すわけではない。イエスをもっと間近でと歩くベン・ハーが警備のローマ兵に、邪魔だとばかりに盾で強引に壁に押し付けられる。するとそこに水場があり、そうだと水を汲んで差し出すという過程がきちんと描かれている。決してご都合主義のシナリオではないのだ。
エンド・マーク前に夕陽の十字架を背景に羊の群れが移動していく、まるで絵画のように美しいシーンが映し出されるが、これも「神は迷える子羊を導きたまう」とでも言うべきメッセージで、3時間40分という大作を締めくくるのにピッタリのシーンである。ラストはハレルヤコーラスと共に幕となるのだが、全編を彩るミクロス・ローザの音楽の素晴らしさについては別稿で書く(私は2000円もするMGMレコードを買って楽曲をすべて暗記したのだ(^^;)。
そんなわけで「ベン・ハー」は、長い映画で登場人物も多いのだが、人物の描き分けもきちんとなされており、シナリオにも破綻するところがない。つまり、映画史上最大の作品の一つであると同時に、いい意味で非常にわかりやすい映画になっているのである。小学生は小学生なりに、マニアはマニアなりに楽しめ感動できる映画なのである。大画面で見るに越したことはないが家庭のテレビでも十分に感動でき、2度、3度と見る度に発見のある映画でもある。
私は、「歴史映画を1本だけ見たいのですが、どんな映画を見ればいいのでしょう?」という問いには、容易に答えられる。
「『ベン・ハー』を見なさい」
★「ベン・ハー」の音楽について
1960年当時はビデオもDVDももちろんなく、リバイバル上映なるものが全くなかったわけではないが、それかいつになるかはわからない。勢い、記憶のためにはパンフレットを買い、レコードを買うことになる。2000円もするMGMレコード(LP)を買い、すり切れるほど聞いて楽曲をすべて暗記したことは、上に書いた。
ただし、映画自体劇場で3度も見ているので映画とサントラ盤との違いが気にはなった。FMラジオなどで「ベン・ハー序曲」と言ってかけられる曲はサントラ盤でも確かに「序曲」と書かれている。が、この「序曲」と言われる曲は正確には「メイン・タイトル」とでも言うべきもので、キリスト生誕のシーンが終わった後、所謂タイトルバックに流れる曲である。映画での「序曲」は映像が出る前に6〜7分程度あり、勇壮というよりは、どちらかというと緩やかな曲である。この序曲が静かに終わるとMGMのライオンが吠えていきなりキリスト生誕の場面、その後にレコードでいう「序曲」が始まるのである。
私の勘違いかと思っていたが、ノートリミング完全版レーザーディスクで記憶に間違いないことを確認できた。サントラ盤とジャケットにはっきり書かれているにもかかわらず、不可解な点はほかにもある。たとえば、あのあまりに有名な戦車競走の入場シーンの音楽が入っていないのも不可解。ローマ軍がエルサレムに入って来る(例の瓦が落ちる前の)シーンに使われている印象的な行進曲も入っていない。さらに言えば、フィナーレの音楽は溜に溜めておいて最後の最後に初めて「ハレルヤ」のコーラスが入るのだが、レコードでは最初からハレルヤコーラスが入る。
「キング・オブ・キングス」にしろ「エル・シド」にしろ指揮はミクロス・ローザ自身がとっているのに「ベン・ハー」のレコードだけはなぜかカルロ・サヴィーナという人物がローマ交響楽団の指揮をとっている。ところが「サントラ盤」の解説書には「ガレー船」のシーンの音楽指揮をするミクロス・ローザの写真が載っているのだ。
確かに「ベン・ハー」はローマのチネチッタ・スタジオで撮影されたのだが、これはどういうことなのか? くどいようだが、レコードジャケットにはオリジナル・サウンドトラックと明記してあるのだ。「ベン・ハー」のサントラ盤は、本当にサントラ盤なのかという疑惑が浮かぶのも当然と言えば当然のことである。
気になるので調べてみた。
http://homepage1.nifty.com/kotachi/ben_hur.htm
に「ベン・ハー」の音楽という記述があり、LPレコードの「オリジナル・サウンドトラック」というのは全くの嘘であることがはっきりした。ゲッ(^^;。これはもう、一種の詐欺ではないのか。長年の疑問が解けてホッとしたとともに、当時2000円という大金(私の一月の小遣いが1000円の時代である)をはたいて買ったものが偽物と知って少々、いやかなりの落胆も。
「ベン・ハー」の音楽は、今でもCDで出ていると思うが、本当のサントラ盤なのか偽サントラ盤なのかよく確認してから買ってほしいと思う。
(あらためて上のURLを確認したらどうやらリンク切れのようだ。残念)
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7月期ドラマ・中間報告
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-08-17
7月に始まったドラマも折り返し点。ほとんどのドラマが途中棄権の脱落で、「これは経費で落ちません!」と「ノーサイド・ゲーム」が、かろうじて踏みとどまっていますが、果して完走できるかどうか?「螢草 菜々の剣」 NHK-BSドラマ、 ヒロインは清原果耶。朝ドラ「あさが来た」で「ふゆ」というけっこう重要な役をやっていた女優。現在進行形の朝ドラ「なつぞら」でもなつの妹役で出ていた。そういえば先日見た「マンゴーの樹の下で」というフィリピン戦線での日本女性をテーマにしたドラマでもヒロインをやっていたのでNHKのお気に入りなのかもしれない。父を切腹に追い込み、住み込み女中をしていた一家を壊滅させた轟平九郎なる悪人が出てきたので、最後は清原がこいつと対決することになるのだろう。にしても、この単純ストーリーで全10話はちょっと長すぎる気がする。(多摩のIHさんから「全7話」との指摘がありました。訂正します。今、4話なので後3話。ちょうどいい長さかもしれませんね。ピンチになるとそれを待っていたように助けてくれる人物が次々と現れてくるのは気になりますが・・・)「これは経費で落ちません!」 NHK金曜夜10時から放送される「ドラマ10」で、ヒロインの経理部員・森若沙名子に多部未華子(それにしても多部ちゃんずいぶんと顔が変わったなあ(^^;)。同僚の背の低い女優、どこかで見たことがあるなぁと思っていたら朝ドラ「ひよっこ」の米屋の娘だった。多部がてきぱきと数字を片付けていくところがなかなかおもしろいコメディになっている。経理といえばサラリーマン時代、お盆に急遽沖縄出張が決まったが飛行機は満席。部長からファーストクラスをとってもいいという了解をもらっていその旨注記して伝票を出したにもかかわらず、経理から呼び出しがかかって揉めたことがあったなぁ。「サイン 法医学者柚木貴志の事件」 大森南朋が監察医を演じる。ほかに仲村トオル、木下ほうか、松雪泰子、飯豊まりえ。原作が韓国ドラマで別にいいのだが、かんじんの解剖で事件が解決するのでもなく人間関係とかあいかわらずの組織の闇ばかりが強調されるクズドラマ。昔の事件関係者4人全員が次々と殺されるなんて殺される方は用心しないのか。殺す方は疑われると思わないのか。思わないとしたら、馬鹿だ。しかも、主人公の大森までが掌返しで突然噓をつき、その結果2人が死んでしまう。アホか。「監察医 朝顔」 まだ新米(見習い?)の監..
テレビの雑感日記
迷走ダイアリ
2019-08-17T15:51:32+09:00
「螢草 菜々の剣」
NHK-BSドラマ、 ヒロインは清原果耶。朝ドラ「あさが来た」で「ふゆ」というけっこう重要な役をやっていた女優。現在進行形の朝ドラ「なつぞら」でもなつの妹役で出ていた。そういえば先日見た「マンゴーの樹の下で」というフィリピン戦線での日本女性をテーマにしたドラマでもヒロインをやっていたのでNHKのお気に入りなのかもしれない。父を切腹に追い込み、住み込み女中をしていた一家を壊滅させた轟平九郎なる悪人が出てきたので、最後は清原がこいつと対決することになるのだろう。にしても、この単純ストーリーで全10話はちょっと長すぎる 気がする。
(多摩のIHさんから「全7話」との指摘がありました。訂正します。今、4話なので後3話。ちょうどいい長さかもしれませんね。ピンチになるとそれを待っていたように助けてくれる人物が次々と現れてくるのは気になりますが・・・)
「これは経費で落ちません!」
NHK金曜夜10時から放送される「ドラマ10」で、ヒロインの経理部員・森若沙名子に多部未華子(それにしても多部ちゃんずいぶんと顔が変わったなあ(^^;)。同僚の背の低い女優、どこかで見たことがあるなぁと思っていたら朝ドラ「ひよっこ」の米屋の娘だった。多部がてきぱきと数字を片付けていくところがなかなかおもしろいコメディになっている。経理といえばサラリーマン時代、お盆に急遽沖縄出張が決まったが飛行機は満席。部長からファーストクラスをとってもいいという了解をもらっていその旨注記して伝票を出したにもかかわらず、経理から呼び出しがかかって揉めたことがあったなぁ。
「サイン 法医学者柚木貴志の事件」
大森南朋が監察医を演じる。ほかに仲村トオル、木下ほうか、松雪泰子、飯豊まりえ。原作が韓国ドラマで別にいいのだが、かんじんの解剖で事件が解決するのでもなく人間関係とかあいかわらずの組織の闇ばかりが強調されるクズドラマ。昔の事件関係者4人全員が次々と殺されるなんて殺される方は用心しないのか。殺す方は疑われると思わないのか。思わないとしたら、馬鹿だ。しかも、主人公の大森までが掌返しで突然噓をつき、その結果2人が死んでしまう。アホか。
「監察医 朝顔」
まだ新米(見習い?)の監察医万木朝顔に上野樹里。父親でベテラン刑事の万木平に時任三郎。第1話は底の浅いゴミのようなくだらない話だった。2話以降見ていない。監察医が活躍しないのなら監察医をヒロインにする必要などないと思うのだが。
「ボイス 110緊急指令室」
これも韓国ドラマが原作。退屈なので第2話以降見ていない。
「TWO WEEKS」
これまた韓国ドラマ。主役に三浦春馬のほか、芳根京子、比嘉愛未、黒木瞳、三浦貴大、高嶋政伸と役者は揃えているのだが、第1話途中で脱落。別に嫌韓ということはないのだが、どうも韓国ドラマは生理的に合わないのだろうか。
「時空探偵おゆう 大江戸科学捜査」
ヒロイン(佐久間由衣)が押し入れを通って現代と江戸時代を行き来する、SF推理ドラマ。よくある設定と言ってしまえばそれまでで、いくらなんでもこのあとひとひねりあるのだろう。と思っていたら全くなかった(^^;。現代に戻って鑑定調査してくれる男が簡単に、これは江戸時代のものだ、江戸と現代を行き来しているのだろうと考えるなんて、あり得ないだろうそんなこと。
「警視庁ゼロ係」シーズン4
主役は東大卒で公務員試験首席合格(自称)のキャリア警視、小早川冬彦(小泉孝太郎)。小泉の空気読めない軽さと毒舌、松下と安達の掛け合い対立などあいかわらずおもしろいのだが、どうも深刻になりすぎてこのシリーズのよさを発揮できていない。
「ノーサイド・ゲーム」
TBSの日曜劇場は、またまた池井戸ドラマ。池井戸ドラマには以前「ルーズベルト・ゲーム」という野球ドラマがあったが、かなり退屈なドラマだった。今度は、目先を変えてのラグビー。敵役は上川。池井戸ドラマなのでいずれ左遷された大泉の「倍返し」があるのだろう。ただ、「半沢直樹」や「下町ロケット」などでもそうなのだが、痛めつけられて逆転するという単純な構図ばかりなので、こちらもかなり飽きてきている。4〜5話程度が適当だろう。10話とかだといくら第1部、第2部などと分けたところで間延び感は否めない。池井戸ドラマは「花咲舞がだまってない」のように1話完結か、前後篇の2話完結のシリーズにしたほうがいいのではないのか。
「ルパンの娘」
ルパンの子孫・三雲華を深田恭子が演じるコメディ。母の小沢真珠、父の渡部篤郎、以下総てが泥棒の一家。華の恋人瀬戸康史の家は警察一家(藤岡弘怪演)。毎回似たような話で飽きた。こうなったらもう、Gカップとも言われるフカキョンが脱ぐしかないだろう。
「Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜」
ヒロインは石原さとみ、そのほか福士蒼汰、志尊淳、田口浩正、勝村政信、段田安則、岸部一徳ら。第1作で脱落。これほどギャグがすべりにすべっているドラマはあまり見たことがない。
「なつぞら」
4月から放送されているNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)。ヒロインは広瀬すず。東映動画というかアニメ関連のところだけ見ている。これはどう見ても太田さんなので宮崎らしき人物とくっつくのだろうと思っていたら大塚モデル(麒麟の川島)とくっついてしまったのでびっくり。と思っていたらヒロイン(モデルは奥山)が高畑勳とくっついてしまったので、さらにびっくり。あれもこれもと手を出した結果、回収に汗だくになっている脚本は軸がぶれぶれであまりうまくはない。
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クソゴミ映画の金字塔(^^;「プラネット・オブ・アメーバ」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-08-10
「プラネット・オブ・アメーバ」マイナス☆☆☆☆☆! 前回「サムライマラソン」の感想に「これほどのゴミ映画は本当に久しぶりだ」と書いたら、そんなもの吹っ飛ぶようなとてつもないクソゴミゴミ映画が出てきた。ギネスに登録申請したいほどのクソゴミ映画だ。まさにクソゴミ映画のエポックメイキング、金字塔と言っていい。 「監禁惑星アメーバ」というタイトルもあるようだが、「監禁逃亡」というエロチックVシネマからのタイトルイメージパクリの可能性も高い。内容がすっからかんの最悪ならタイトルも適当。興業関係者がこんなクソ映画をよく公開する気になったなぁと思う。が、その前に製作関係者がマイナス評価にしかならないこんなクソ映画をよく公開する気になったなぁとも思う。制作費を少しでも回収したいということなのだろうが、公開すればスタッフ、キャストともチョー恥ずかしい真っ黒歴史として残ってしまう。公開しないほうがまちがいなくよかったのに。アドバイスできる人間もいないほどのバカ集団だったのだろうか。 話は謎の宇宙生物による地球侵略という手垢のついたテーマ。若い女性が次々と捕らえられ、その宇宙生物によって妊娠させられるというもの。当然、赤いアメーバらしきものが登場する。しかし、このアメーバ、どうひいき目に見たって赤いセロファンの中に人間が入ってうごめいているだけのようにしか見えない。中学生の学芸会だってもう少しマシだろうが。半世紀以上も前にスティーブ・マックイーンの「絶対の危機」という映画があり、ぐじゅぐじゅアメーバー状生物が登場したが、あの貧相な特撮が立派に思えるほどだ。これまた半世紀も前の「ウルトラマン」のほうが、ことストーリー展開という意味でも、特撮の出来映えでもはるかにマシだ。 アメーバに追いつめられた絶体絶命の男女が爆弾を手にして自爆というのは明らかに「エイリアン2」からのイタダキなんだろうが、かんじんの爆発シーンはなし。おいおい、そんなのアリかよ。結局、最後までクライマックスらしきものはないままオシマイ。 監督の越坂康史は全く知らない。ヒロインも色黒で貧相な川上奈々美という知らない女優。調べてみたら「セクシー女優(いわゆるAV女優のことを最近ではこう呼ぶ)」らしいのだが、薄暗い中で推定Bカップの貧相オッパイがちらりと一瞬見える程度でSEXシーンもなし。もちろんヘアも見えない(^^;。ふつうのVシネマだって、もう少しサービスシーンがあるゾ。(..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-08-10T11:01:11+09:00
「プラネット・オブ・アメーバ」マイナス☆☆☆☆☆!
前回「サムライマラソン」の感想に「これほどのゴミ映画は本当に久しぶりだ」と書いたら、そんなもの吹っ飛ぶようなとてつもないクソゴミゴミ映画が出てきた。ギネスに登録申請したいほどのクソゴミ映画だ。まさにクソゴミ映画のエポックメイキング、金字塔と言っていい。
「監禁惑星アメーバ」というタイトルもあるようだが、「監禁逃亡」というエロチックVシネマからのタイトルイメージパクリの可能性も高い。内容がすっからかんの最悪ならタイトルも適当。興業関係者がこんなクソ映画をよく公開する気になったなぁと思う。が、その前に製作関係者がマイナス評価にしかならないこんなクソ映画をよく公開する気になったなぁとも思う。制作費を少しでも回収したいということなのだろうが、公開すればスタッフ、キャストともチョー恥ずかしい真っ黒歴史として残ってしまう。公開しないほうがまちがいなくよかったのに。アドバイスできる人間もいないほどのバカ集団だったのだろうか。
話は謎の宇宙生物による地球侵略という手垢のついたテーマ。若い女性が次々と捕らえられ、その宇宙生物によって妊娠させられるというもの。当然、赤いアメーバらしきものが登場する。しかし、このアメーバ、どうひいき目に見たって赤いセロファンの中に人間が入ってうごめいているだけのようにしか見えない。中学生の学芸会だってもう少しマシだろうが。半世紀以上も前にスティーブ・マックイーンの「絶対の危機」という映画があり、ぐじゅぐじゅアメーバー状生物が登場したが、あの貧相な特撮が立派に思えるほどだ。これまた半世紀も前の「ウルトラマン」のほうが、ことストーリー展開という意味でも、特撮の出来映えでもはるかにマシだ。
アメーバに追いつめられた絶体絶命の男女が爆弾を手にして自爆というのは明らかに「エイリアン2」からのイタダキなんだろうが、かんじんの爆発シーンはなし。おいおい、そんなのアリかよ。結局、最後までクライマックスらしきものはないままオシマイ。
監督の越坂康史は全く知らない。ヒロインも色黒で貧相な川上奈々美という知らない女優。調べてみたら「セクシー女優(いわゆるAV女優のことを最近ではこう呼ぶ)」らしいのだが、薄暗い中で推定Bカップの貧相オッパイがちらりと一瞬見える程度でSEXシーンもなし。もちろんヘアも見えない(^^;。ふつうのVシネマだって、もう少しサービスシーンがあるゾ。(今はダメなようだが)かつての「2時間サスペンス」や、ドラマ「時間ですよ」だってもう少し裸があったゾ。あまりの見せ惜しみに、いくら何でもこれで終わるわけはないだろう、後半に何かあるのでは・・・と微かに期待して見ているうちに映画は終わってしまった(;_;)。
つまり、見るべきところが1つもないという、なぜセクシー女優を使ったのか全くわからない、ある意味貴重な映画だった。
こんなテレビドラマにも劣るクソゴミ映画を見る人がいるんだろうかと思ったら、舞台挨拶にはそこそこの人がいて驚いた。ぴっくりぽんだ。(^^;
https://www.youtube.com/watch?v=Bne2-DbRPS0
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=aFhi6pkvMRM
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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不出来で寒くなる「サムライマラソン」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-08-04
「サムライマラソン」☆★★ 監督・脚本がバーナード・ローズという外国人。名前は聞いたことがあるが、ボケのせいもあり何を撮った人なのか思い出せない。ともかく役者が豪華。人物が錯綜するが公儀隠密の「草」に佐藤健。ヒロイン雪姫に小松菜奈。そのほか森山未來、青木崇高、染谷将太、竹中直人、豊川悦司、長谷川博己、門脇麦、筒井真理子・・・。映画が2本は作れそうな陣容である。 話は「安政遠足(あんせいとおあし)」と呼ばれる、安政年間に安中藩で行われた長距離走が元。なんでもこれが「日本マラソン発祥」ということらしいのだが、山あり谷あり階段ありの、まあクロスカントリーのようなもの。「超高速!参勤交代」の土橋章宏「幕末まらそん侍」が原作だというので、歴史コメディだろうと思って見た(ただし「超高速」は続編の「リターンズ」を含めてすべり通しの映画だったのでそれほど期待はしていない)。 このての映画は、本筋がスタートする前の「布陣」が重要になる。競技に参加する人物たちのキャラや役割などがきっちり描かれていないとその後の展開がわけのわからないものになり、ぐじゃぐじゃになってしまうからだ。 というような話で私が思い出すのは、もう半世紀も前のケン・アナキン監督・脚本の70mm映画「素晴らしきヒコーキ野郎」。20世紀初頭、飛行機が発明されて何年も経っていない時代のロンドン・パリ間のヒコーキレースを描いた映画だ。ともかく参加する連中が、堅物のドイツ軍人、プレイボーイのフランス人、飲んだくれのスコットランド人、そして黒ずくめの悪役など各人のキャラが立っており、もちろん飛行機もそれぞれ形が違う。レース開始前から当然のように鞘当て、つばぜり合い、企みなどあって退屈せず、レース開始後もうまく描き分けが出来ているので大いに楽しむことができた。https://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2013-02-27 対して、本作。藩主が部下たちの体力と頑張りを試すためという理由はわかるにしても、それが幕府に誤解され血で血を洗う戦いになるというのはちょっと、相当、いや、かなり無理がある。「草」の設定にも無理があり、姫の行動に至っては理解不能。しかもこの姫、鉄砲で撃たれて弾を抜くという重症なのにタカタカと普通に走るという不思議。竹中が疲労で倒れそうだったのに突然勢いよく走り出すのは忍法でも使ったのか。ともかくマラソンの途中で理解不能部分続出。いろいろ..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-08-04T10:34:13+09:00
「サムライマラソン」☆★★
監督・脚本がバーナード・ローズという外国人。名前は聞いたことがあるが、ボケのせいもあり何を撮った人なのか思い出せない。ともかく役者が豪華。人物が錯綜するが公儀隠密の「草」に佐藤健。ヒロイン雪姫に小松菜奈。そのほか森山未來、青木崇高、染谷将太、竹中直人、豊川悦司、長谷川博己、門脇麦、筒井真理子・・・。映画が2本は作れそうな陣容である。
話は「安政遠足(あんせいとおあし)」と呼ばれる、安政年間に安中藩で行われた長距離走が元。なんでもこれが
「日本マラソン発祥」ということらしいのだが、山あり谷あり階段ありの、まあクロスカントリーのようなもの。「超高速!参勤交代」の土橋章宏「幕末まらそん侍」が原作だというので、歴史コメディだろうと思って見た(ただし「超高速」は続編の「リターンズ」を含めてすべり通しの映画だったのでそれほど期待はしていない)。
このての映画は、本筋がスタートする前の「布陣」が重要になる。競技に参加する人物たちのキャラや役割などがきっちり描かれていないとその後の展開がわけのわからないものになり、ぐじゃぐじゃになってしまうからだ。
というような話で私が思い出すのは、もう半世紀も前のケン・アナキン監督・脚本の70mm映画「素晴らしきヒコーキ野郎」。20世紀初頭、飛行機が発明されて何年も経っていない時代のロンドン・パリ間のヒコーキレースを描いた映画だ。ともかく参加する連中が、堅物のドイツ軍人、プレイボーイのフランス人、飲んだくれのスコットランド人、そして黒ずくめの悪役など各人のキャラが立っており、もちろん飛行機もそれぞれ形が違う。レース開始前から当然のように鞘当て、つばぜり合い、企みなどあって退屈せず、レース開始後もうまく描き分けが出来ているので大いに楽しむことができた。
https://meisoud.blog.so-net.ne.jp/2013-02-27
対して、本作。藩主が部下たちの体力と頑張りを試すためという理由はわかるにしても、それが幕府に誤解され血で血を洗う戦いになるというのはちょっと、相当、いや、かなり無理がある。「草」の設定にも無理があり、姫の行動に至っては理解不能。しかもこの姫、鉄砲で撃たれて弾を抜くという重症なのにタカタカと普通に走るという不思議。竹中が疲労で倒れそうだったのに突然勢いよく走り出すのは忍法でも使ったのか。ともかくマラソンの途中で理解不能部分続出。いろいろなエピソードもマラソンの流れを止めてしまうようなものが多く、ぎくしゃくして話に乗っていけない。
さらに問題なのは、スプラッタ。
「参勤交代」はギャグがすべりにすべっていたが、それでも製作者が歴史コメディ映画を作りたいという意図は伝わってきた。しかし、本作はどんな意図で作られたのか、私には最後までわからなかった。その一因がスプラッタ。
この映画、やたら人が死ぬ。それだけでもなんだかなぁという感じなのだが、その血が盛大に飛び散る。さらに切り落とされた首がごろんと転がったりもする。ラス前は、ずらっと農道に死体がずらりと並べられているシーンが。これではとても笑えないし、感動もできない。これほどのゴミ映画は本当に久しぶりだ。
ただただ、地平線の彼方までドン引いて「見なかった」ことにするしかない。まあ、コミカルな歴史劇だと勘違いして見た私が悪いのだろうが、いったいどういうつもりでこんなクソ映画を作ったのだろう。あまりのドンすべりギャグに寒くなるので、これで暑さを克服しろとでも言いたいのだろうか?
↓「サムライマラソン」予告編
https://www.youtube.com/watch?v=KEnIMopv2v8
↓「素晴らしきヒコーキ野郎」予告編
https://www.youtube.com/watch?v=05rrOsKsmqM
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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ディープだが深くない「ディープ・ブルー」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-07-30
「ディープ・ブルー」☆☆★★★ タイトルに反してそれほど深海の話ではない。前日「MEG」という巨大サメの映画を見たので、ついでに見てみた。もう20年も前の映画だが、確か続編(未見)も出来たはずなので、それなりにヒットしたのだろう。監督はレニー・ハーリン(「ダイハード2」「クリフハンガー」)なので初めったら期待はしていなかったが、その通りの出来だった(^^;。 話は、アルツハイマー病の治療薬を開発するためにアオザメの脳細胞を利用する(なぜアオザメなのかの明確な説明はもちろんない)研究をしている施設が・・・・ということで、嵐のときにヘリが墜落し施設が機能不全になりという予想通りの展開。後は押し寄せてくる水と、水槽から自由になったサメとの闘いが延々と続く。登場人物は、サメの番人というか射撃の腕も立つカーター(トーマス・ジェーンという知らない俳優)が一応は主人公か。サメの脳にあれこれいらんことをしたスーザン博士という小生意気な女が一応ヒロインか。これにデブの料理人やら金髪の姉ちゃん(美人なのだが事が起こってからはわーきゃーとうるさいだけでホント邪魔)などがからんでくる。ちなみに私が唯一知っていた俳優は社長を演じたサミュエル・L・ジャクソン(「ジュラシック・パーク」「スター・ウォーズ エピソード3」)だが、特別出演といった感じだ。 で、崩壊しかかっている施設からの脱出行がかなり長く続くが、ある部分は「エイリアン」、ある部分は「ポセイドンアドベンチャー」。もちろん、それらの映画には遠く及ばないのは言うまでもない。この手の映画の定番としてあまり重要そうに見えない人間から次々とサメに殺られていくわけだ。こんな映画今さら見る人もいないと思うのでネタバレをしてしまうと、海面までたどり着けたのはカーター、スーザン、デブの3人。デブは一旦サメに殺られそうになるのだが、そんな馬鹿なという感じで重症を負いながらも無事。 で、ここからがよくわからなくなる。 残った1匹のサメがフェンスを破って外洋へ出ようとする。それを阻止するためにカーターが爆薬入りの銛を撃ち込もうとするのだが、遠すぎてダメ。するとスーザンがサメをおびき寄せようと自らを傷つけ血を流しながら海にザブン(おびき寄せるだけならザブンしなくても血を流せばいいのでは?)。それで寄ってきたサメをカーターが射つのかなと思っていたら、ナント銛を置いたままザブン。いったい銛なしで何をしようとした..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-07-30T19:03:39+09:00
「ディープ・ブルー」☆☆★★★
タイトルに反してそれほど深海の話ではない。前日「MEG」という巨大サメの映画を見たので、ついでに見てみた。もう20年も前の映画だが、確か続編(未見)も出来たはずなので、それなりにヒットしたのだろう。監督はレニー・ハーリン(「ダイハード2」「クリフハンガー」)なので初めったら期待はしていなかったが、その通りの出来だった(^^;。
話は、アルツハイマー病の治療薬を開発するためにアオザメの脳細胞を利用する(なぜアオザメなのかの明確な説明はもちろんない)研究をしている施設が・・・・ということで、嵐のときにヘリが墜落し施設が機能不全になりという予想通りの展開。後は押し寄せてくる水と、水槽から自由になったサメとの闘いが延々と続く。登場人物は、サメの番人というか射撃の腕も立つカーター(トーマス・ジェーンという知らない俳優)が一応は主人公か。サメの脳にあれこれいらんことをしたスーザン博士という小生意気な女が一応ヒロインか。これにデブの料理人やら金髪の姉ちゃん(美人なのだが事が起こってからはわーきゃーとうるさいだけでホント邪魔)などがからんでくる。ちなみに私が唯一知っていた俳優は社長を演じたサミュエル・L・ジャクソン(「ジュラシック・パーク」「スター・ウォーズ エピソード3」)だが、特別出演といった感じだ。
で、崩壊しかかっている施設からの脱出行がかなり長く続くが、ある部分は「エイリアン」、ある部分は「ポセイドンアドベンチャー」。もちろん、それらの映画には遠く及ばないのは言うまでもない。この手の映画の定番としてあまり重要そうに見えない人間から次々とサメに殺られていくわけだ。こんな映画今さら見る人もいないと思うのでネタバレをしてしまうと、海面までたどり着けたのはカーター、スーザン、デブの3人。デブは一旦サメに殺られそうになるのだが、そんな馬鹿なという感じで重症を負いながらも無事。
で、ここからがよくわからなくなる。
残った1匹のサメがフェンスを破って外洋へ出ようとする。それを阻止するためにカーターが爆薬入りの銛を撃ち込もうとするのだが、遠すぎてダメ。するとスーザンがサメをおびき寄せようと自らを傷つけ血を流しながら海にザブン(おびき寄せるだけならザブンしなくても血を流せばいいのでは?)。それで寄ってきたサメをカーターが射つのかなと思っていたら、ナント銛を置いたままザブン。いったい銛なしで何をしようとしたのか。完全に馬鹿である。全く。馬鹿につける薬はないとはよく言ったもので、スーザンは噛み殺され、カーターも瀕死の重症。デブが銛を射ってくれてようやくジ・エンド。
・・・にしてもだ、まあ小生意気とはいえ目の前で女性が惨殺されたというのに、カーターとデブがにやにやしながら、
「寿司でも食いに行くか」
いったい何を考えているんだ、チミたちは。こうしてみると、スピルバーグの「ジョーズ」は前半と後半で別映画になってしまったという欠点はあるにせよ、それなりによく出来ていたと思う。対する本作は、シナリオがあまりに適当過ぎる。サメを出せばいいってもんじゃないんだぞ!
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=GCs2slK8GkY
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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7月期ドラマが始まった
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-07-23
4月期で比較的見たドラマは「インハンド」「きのう何食べた?」「大富豪同心」。ただし、どれも全話見たわけではない。「インハンド」山下智久が主役で、濱田岳、菜々緒、時任三郎、松尾貴史、光石研、宮崎美子、観月ありさら力が入っていた。山Pは天才寄生虫研究者という設定だが、あまり寄生虫が関係なくなってから話がおもしろくなった。こういう変人だと山Pの某演技もそれほど違和感を感じない。「きのう何食べた?」原作はマンガだと思うのだが、西島秀俊と内野聖陽の同性愛ドラマ。内野が絶品。田中美佐子、梶芽衣子、チャンカワイ、山本耕史、志賀廣太郎、佐藤仁美とテレ東にしては役者を揃えた。なんてことはない淡々としたドラマだがつい見てしまった。(^^;「大富豪同心」は、あきらかに筒井康隆「富豪刑事」のパクリと言って悪ければインスパイアされたドラマ。もっと馬鹿馬鹿しくてカラッとした笑いに仕上げてくれればよかったのだが、ちょっと人情的なものが入ってきてつまらなくなった。 ・・・ということで、以下は7月期ドラマの冒頭を見た感想。あくまで第1話を適当に見たものの個人的な感想なので、世紀の大傑作だと言う人がいても否定する気はない。「サイン 法医学者柚木貴志の事件」☆☆★★ 大森南朋が法医学者を演じる、医者物と刑事物という現在人気の2大潮流を合わせたようなドラマなので人気は出るかもしれない。仲村トオル、木下ほうか、松雪泰子、飯豊まりえ(テレ東?深夜のドラマ「居酒屋ふじ」に出ていた。「イイトヨ」なんて変な名前なので記憶に残ったが、顔はまだきちんと認識できていない)。嫌いな西田敏行が出ているので、どうなのかなぁと思っていたが、展開から第1話のゲスト出演のようで助かった。原作が韓国ドラマらしいので人間関係などくどくならなければいいのだが。「監察医 朝顔」☆☆ まだ新米(見習い?)の監察医万木朝顔に上野樹里。父親でベテラン刑事の万木平に時任三郎(好演)。母親の石田ひかりは、東日本大震災で行方不明という設定なので、回想シーンと写真でのみ登場。祖父に柄本明。その他、風間俊介、中尾明慶、斉藤陽一郎、板尾創路、山口智子、志田未来ら。いわゆる「月9」なので、落ち目とはいえフジもそれなりに役者を揃えている。原作は、マンガ。ただし、少なくとも第1話は底の浅いゴミのようなくだらない話だった。2話以降見ていない。「ボイス 110緊急指令室」☆☆★ これも韓国ドラマが原作。今やオリジ..
テレビの雑感日記
迷走ダイアリ
2019-07-23T10:27:35+09:00
「インハンド」 山下智久が主役で、濱田岳、菜々緒、時任三郎、松尾貴史、光石研、宮崎美子、観月ありさら力が入っていた。山Pは天才寄生虫研究者という設定だが、あまり寄生虫が関係なくなってから話がおもしろくなった。こういう変人だと山Pの某演技もそれほど違和感を感じない。
「きのう何食べた?」 原作はマンガだと思うのだが、西島秀俊と内野聖陽の同性愛ドラマ。内野が絶品。田中美佐子、梶芽衣子、チャンカワイ、山本耕史、志賀廣太郎、佐藤仁美とテレ東にしては役者を揃えた。なんてことはない淡々としたドラマだがつい見てしまった。(^^;
「大富豪同心」 は、あきらかに筒井康隆「富豪刑事」のパクリと言って悪ければインスパイアされたドラマ。もっと馬鹿馬鹿しくてカラッとした笑いに仕上げてくれればよかったのだが、ちょっと人情的なものが入ってきてつまらなくなった。
・・・ということで、以下は7月期ドラマの冒頭を見た感想。あくまで第1話を適当に見たものの個人的な感想なので、世紀の大傑作だと言う人がいても否定する気はない。
「サイン 法医学者柚木貴志の事件」☆☆★★
大森南朋が法医学者を演じる、医者物と刑事物という現在人気の2大潮流を合わせたようなドラマなので人気は出るかもしれない。仲村トオル、木下ほうか、松雪泰子、飯豊まりえ(テレ東?深夜のドラマ「居酒屋ふじ」に出ていた。「イイトヨ」なんて変な名前なので記憶に残ったが、顔はまだきちんと認識できていない)。嫌いな西田敏行が出ているので、どうなのかなぁと思っていたが、展開から第1話のゲスト出演のようで助かった。原作が韓国ドラマらしいので人間関係などくどくならなければいいのだが。
「監察医 朝顔」☆☆
まだ新米(見習い?)の監察医万木朝顔に上野樹里。父親でベテラン刑事の万木平に時任三郎(好演)。母親の石田ひかりは、東日本大震災で行方不明という設定なので、回想シーンと写真でのみ登場。祖父に柄本明。その他、風間俊介、中尾明慶、斉藤陽一郎、板尾創路、山口智子、志田未来ら。いわゆる「月9」なので、落ち目とはいえフジもそれなりに役者を揃えている。原作は、マンガ。ただし、少なくとも第1話は底の浅いゴミのようなくだらない話だった。2話以降見ていない。
「ボイス 110緊急指令室」☆☆★
これも韓国ドラマが原作。今やオリジナルドラマは深夜以外は番外地で、外国のドラマかマンガ、小説が原作のものばかりだ。制作側の力が落ち、また安全策ばかりを狙っているせいだろう。3年前に妻(菊池桃子)を殺害された緊急指令室の出動班班長に唐沢寿明。室長に真木よう子。サインかボイスか知らんが、似たようなドラマばかりで第2話以降見る気がしない、というか見ていない。
「TWO WEEKS」☆☆
何だこりゃ、殺人未遂の前科があり、娘が白血病で、骨髄移植まで2週間、殺人の濡れ衣をかけられる。ベタもベタ、こんなベタベタの話を恥ずかし気もなく・・・と思ったら、これまた韓国ドラマ。主役に三浦春馬のほか、芳根京子、比嘉愛未、黒木瞳、三浦貴大、高嶋政伸と役者は揃えているのだが、(別に国粋主義者ではないのだが)多くの韓国ドラマのベタでクドイ展開にはついていけない。第1話の途中で脱落。それにしても、どのドラマも、マンガ、ライトノベル、韓国ドラマのどれかが原作でオリジナルは皆無。日本のテレビドラマ製作陣はいつの間に壊滅してしまったのだろう?
「時空探偵おゆう 大江戸科学捜査」☆☆★
ヒロイン(佐久間由衣)が押し入れを通って現代と江戸時代を行き来する、SF推理ドラマ。よくあると言ってしまえばそれまでだが、このあとひとひねりあるのだろうか。現代の部分でヒロインが熱狂的な推理小説マニアだとか意味付けをつくっておかないと、探偵は難しいような気がするのだが(知り合いに「分析」できる男が出てくるが、まだうまく機能していない)。それに、もともとがワンアイデアの話なので、30分2話で1つの事件が解決していくような軽い展開にしたほうがよかったのではないのか。深夜ということもあり、このドラマを見続けるのは厳しいのでティーバーで見ようと思う。
「警視庁ゼロ係」シーズン4☆☆★
主役は東大卒で公務員試験首席合格(自称)のキャリア警視、小早川冬彦(小泉孝太郎)。警視庁の吹き溜まりともいわれるゼロ係の面々、松下由樹、安達祐実、木下隆行(TKO)などもキャラが立っていてよい。ただ、小泉よりも階級は下の係長が大杉漣の死亡により片岡鶴太郎に代わってしまったのは残念。残念といえば署長(石丸謙二郎)の腰巾着をやっている岸明日香のGカップ巨乳も宝の持ち腐れで大残念。小泉の空気読めない軽さと毒舌、松下と安達の掛け合い対立などあいかわらずおもしろいのだが、第1回のSPは話がどうも重くなりすぎてこのシリーズのよさを発揮できていない。
「ノーサイド」☆☆☆
TBS日曜劇場は、またまた池井戸ドラマ。池井戸ドラマには以前「ルーズベルト・ゲーム」という野球ドラマがあったが、やや退屈した。今度は、目先を変えてのラグビー。4月期の似非池井戸ドラマとでもいうべき「集団左遷」がつまらなかったので、池井戸かぁと思いながらティーバーで第1回を見たが、大泉洋と松たか子が意外にいい味を出していてそれなりにおもしろかった。やはり「似非」のただただ「がんばれ」だけでなく、本家はきちんと数字を出したり緊張感がある。敵役は上川で、池井戸ドラマなので左遷された大泉の「倍返し」がいずれあるのだろう。ただ、日曜夜9時というのはなかなか時間がとれないので、ティーバーでの視聴かな?
「ルパンの娘」☆☆★★
ルパンの子孫・三雲華を深田恭子が演じるコメディ。母の小沢真珠、父の渡部篤郎、以下総てが泥棒の一家。華の恋人瀬戸康史の家は警察一家(藤岡弘怪演)。フカキョンと瀬戸との別れのシーンはベランダにいるフカキョンの映し方がなんだか「ロメオとジュリエット」に似ているなぁと思っていたら、台詞も音楽も「ロメオとジュリエット」のものだった。おいおい(^^;。突如ミュージカルになったり、やくざの組長としてプロレスラー藤原喜明(「藤原組」組長)が出てきたり、工夫は凝らしているが、どうもすべっている感が強い。ま、なんといってもむちむち巨乳フカキョンの露出度がそれほどでもないのが残念。
「Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜」☆☆
ヒロインは石原さとみ、そのほか福士蒼汰、志尊淳、田口浩正、勝村政信、段田安則、岸部一徳とそれなりに役者を揃えているので、そこそこ力は入っているのだろう。万が一興味があるという人は、見てくださいとだけ言っておこう。ともかくギャグがことごとくすべっている。TBSの火曜ドラマ枠は「カルテット」「逃げ恥」「義母と娘のブルース」などなかなか尖ったドラマを放送してきたが、私はとりあえず第1作で脱落する。見続ける人いるんだろうか?
「なつぞら」
4月から放送されているNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)だが、ヒロインが北海道から東京に出てきてアニメーターになってからおもしろくなった。朝ドラといえば、もちろん人間関係の葛藤が泣かせばで、そこが見せ場でもあるのだが、途中参入なのでよくわからない。アニメ制作現場にしか興味のない私にとってはそれよりも、この人物のモデルは高畑勳だ、宮崎駿だ、大塚康生だというところがおもしろい。ドラマの見方としては反則のようなものだが、今後もアニメ関連のところだけ見ていきたい。
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)。今回は、第1回についての感想です。
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再度・今こそ「西部戦線異状なし」を見よう
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-07-15
戦争大好き安倍政権の唱える「集団的自衛権」に疑問を呈すれば、議論なんてものは素通りで「非国民」「臆病者」なんてコメントがやって来る。政権=国では絶対にないはずだし、戦争なんて事態になったらコメントをくれたネトウヨたちが最前線に立つということは絶対にないだろうと思う。 一強をいいことに「上級国民」は、噓はつき放題、身内贔屓はやり放題。もちろん、責任など誰1人としてとらないその周囲には利権のおこぼれにあずかろうという人物や、虎の衣ならぬ安倍の衣をまとって意見の違う者を罵倒し日頃の憂さ晴らしをしているネトウヨたちが群れている、というのが今の日本だろう。 もし、将来、日本という国がもう少しマシになったとしたら、おそらく「あの時代の連中は何やってたんだ」ということになるのだろうと思う。何も言わなかった、やらなかったと思われるのも不本意なので以前書いた雑文(少し加筆してある)を再度アップしておこうと思う。 「西部戦線異状なし」の原作はレマルク。 私は半世紀も前の高校時代にこのルポルタージュ日記風の小説を読んだがあまり感心しなかった。生意気盛りで刺激に飢えている高校生には、あまりに淡々と進んで行く物語が、どうにももの足りなかったのだ。が、大学に入ってから見た映画(もちろんリバイバル上映)はその1万倍もおもしろい大傑作だった。見たのは名古屋の名宝会館内のスカラ座。70mm上映可能館なので、左右はスタンダードサイズなのだが天地いっぱいの大画面でこの映画を見られたのは、本当によかった。あまりのすばらしさに映画が終わってもすぐには立ちたくない心境だった。この映画については、以前こんなことを書いている「(戦争映画があまり好きではない)私が唯一名作と認める戦争映画の例外中の例外がある。ルイス・マイルストン監督の『西部戦線異状なし』である。アカデミー賞をとったのは当然で、これは、戦争映画という枠組みを超えた「映画」として掛け値なしの名作である。未見の人は、レンタルビデオでもいいから、ぜひ見て欲しい。 出征兵士を送り出す華々しいパレードが行われている場面をずっと引いてくると、教室の中で教師が、今こそ銃をとって戦えと演説している場面、靴の主が銃弾に倒れて次々と変わっていくシーン、蝶を採ろうとした主人公が銃弾に倒れ無数の十字架が並ぶ画面にオーバーラップしながらまだ生に未練があるように振り向きながら去って行くラストなどは、おそらく映画史に残る名シ..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-07-15T10:52:30+09:00
一強をいいことに「上級国民」は、噓はつき放題、身内贔屓はやり放題。もちろん、責任など誰1人としてとらないその周囲には利権のおこぼれにあずかろうという人物や、虎の衣ならぬ安倍の衣をまとって意見の違う者を罵倒し日頃の憂さ晴らしをしているネトウヨたちが群れている、というのが今の日本だろう。
もし、将来、日本という国がもう少しマシになったとしたら、おそらく「あの時代の連中は何やってたんだ」ということになるのだろうと思う。何も言わなかった、やらなかったと思われるのも不本意なので以前書いた雑文(少し加筆してある)を再度アップしておこうと思う。
「西部戦線異状なし」の原作はレマルク。
私は半世紀も前の高校時代にこのルポルタージュ日記風の小説を読んだがあまり感心しなかった。生意気盛りで刺激に飢えている高校生には、あまりに淡々と進んで行く物語が、どうにももの足りなかったのだ。が、大学に入ってから見た映画(もちろんリバイバル上映)はその1万倍もおもしろい大傑作だった。見たのは名古屋の名宝会館内のスカラ座。70mm上映可能館なので、左右はスタンダードサイズなのだが天地いっぱいの大画面でこの映画を見られたのは、本当によかった。あまりのすばらしさに映画が終わってもすぐには立ちたくない心境だった。この映画については、以前こんなことを書いている
「(戦争映画があまり好きではない)私が唯一名作と認める戦争映画の例外中の例外がある。ルイス・マイルストン監督の『西部戦線異状なし』である。アカデミー賞をとったのは当然で、これは、戦争映画という枠組みを超えた「映画」として掛け値なしの名作である。未見の人は、レンタルビデオでもいいから、ぜひ見て欲しい。
出征兵士を送り出す華々しいパレードが行われている場面をずっと引いてくると、教室の中で教師が、今こそ銃をとって戦えと演説している場面、靴の主が銃弾に倒れて次々と変わっていくシーン、蝶を採ろうとした主人公が銃弾に倒れ無数の十字架が並ぶ画面にオーバーラップしながらまだ生に未練があるように振り向きながら去って行くラストなどは、おそらく映画史に残る名シーンだと思う。
が、私が『西部戦線異状なし』は名作だ、と言うのはそういう(所謂反戦的)場面があるからということだけではない。実は、これほど迫力のある戦闘シーンを他の映画で見たことがないのである。塹壕で待機していていよいよ敵が攻めてくる場面の迫力たるや思わず体に震えが来たほどである。ソ連(という国がかつてあったのだ)の「戦争と平和」や、アカデミー賞を授賞した「パットン大戦車軍団」など大規模な戦闘シーンを描いた映画はあるが、緊張感で震えが来るなんてことはなかった。画面にそれほど迫力があり、(第一次世界大戦の映画なのに)現実感があるということなのだろう。
二回にわたって行われる戦闘シーンを見るだけでも映画の力というものを感じさせる、文句無しの名画である。逆に、生々しい戦争というものを映画が扱う場合、この『西部戦線異状なし』くらいの名作の域に達していないと現実の重みに負けて、映画が自立出来ないのだろうと思う。」
名作なので記憶に残っているシーンは多いが、塹壕に身を隠した主人公がそこへ飛び込んできた敵兵を、自分の身を守るためとはいえ刺してしまい、その瀕死の敵と一晩同じ塹壕で過ごすシーンなどとくに印象に残っている。敵兵が死んだあとポケットをさぐると身分証書に挟まれていた1枚の家族の写真、・・・思わず目頭が熱くなった。かつて日本では鬼畜米英なんて教えられていたようだが、このワンシーンを見ただけで敵も(自分と同じように)決して鬼畜ではない普通の人間だとわかる。相手もまた同じように無事の帰りを待ちわびている家族のいる人間なのだ。そして悲しいことにそんな普通の人間が殺し殺されていくのが戦争なのだ。
それを何よりも明確に表しているのがタイトルで、レマルクの原作では「Im Westen nichts Neues」(西部戦線には報告すべきようなニュースはない)。映画のタイトルも「All Quiet on the Western Front」(西部戦線は何事もなく静まり返っている)。「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」これが、主人公が死んだ日の前線からの報告なのである。
映画を見終わった後には深い感動と、私利私欲のために戦争を起こした者や組織に対する憎悪が残る。言うまでもなく戦争の最大の犠牲者は戦死者である。そして、死んだ者は何も語らない。だから、それをいいことに前線からは遠い安全なところでうまいものを食べ、無理矢理の命令を下して多くの者たちを死地に追いやったにもかかわらず生き残った為政者たちは再び威勢のいいことを声高に叫ぶ。この映画の冒頭、ドイツは今や危機的状況にある若者は今こそ銃をとれ、と叫ぶ教師のように。教室内は熱狂の嵐となり、ここで立ち上がらない者は臆病者、祖国に対する裏切り者だといった雰囲気の中、主人公も軍隊に志願するのだが・・・。
↓ここで全編が見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=rBLJcMAC7Gk
https://www.youtube.com/watch?v=ZdUA0nVXIpY
久しぶりに見て、今という時代がまさに同じ閉塞状況の時代であることに気づかされる。誰かが威勢のいいことを叫べばそれを聞く者はストレス解消になるわけだ。「集団的自衛権」「原発」「秘密保護法」・・・安倍独裁政権からは威勢のいい叫び声ばかりが聞こえてくる。反対はもちろん、疑問を唱えるものは、すぐさま「非国民」。
「集団的自衛権」にしても、国を守るのは当たり前だろう、という一言で終り。ここでも、反対はもちろん、疑問を唱えるものは、すぐさま「臆病者」。都合が悪くなると話をそらして逃げる安倍こそ臆病者の小心者だと思うのだが、そこでは真っ当な議論は拒否され、何時間も「議論」したからもう十分だろうという結論がポンと出される。
そこではなぜ今まで法制局は「集団的自衛権」は憲法に抵触するとしてきたのか、なぜこの時期に抵触しないと方向転換したのか(独裁者が自分の意のままになる人物を長官に据えたからである)、新たな法律を制定しないと国を守れないような状況にあるのか、などといった議論すらなく、反対する者は非国民と言われかねない状況だ。しかし、本当にそれでいいのか。安倍や麻生、「生産性」の水田や「恥」も知らない三原などは絶対にこの映画は見ないと思うのだが、今こそ1人でも多くの人にこの映画を見てほしい。
もう1本今だから見てもらいたい映画ということになれば、「ローマの休日」「スパルタカス」の脚本家ダルトン・トランボ渾身の映画「ジョニーは戦場へ行った」だろう。これも劇場で見たが出てきて周りの景色に色があることにとても感動した記憶がある。この映画については、こんなことを書いている。
「『ジョニーは戦場へ行った』は1939年にトランボ自身が書いた小説。その後、第2次世界大戦や朝鮮戦争が起こるたびに発禁処分になった。まあこういう話を知るとアメリカも決して民主主義のモデル国で言論の自由が保障されているなんてことは幻想であることがわかるのだが、その自身の原作を1971年ベトナム戦争の最中に自身が監督(最初にして最後の監督)して映画化してしまったところに、『生きる』ということの意味を問い続けたトランボの気骨というか執念を感じざるを得ない。実際、私はこの映画を映画館で見たのだが、呆然としたまま見終わってすぐに席を立つ気になれなかった。映画館を出ると平日の昼間で、頭上には青空が広がり、すべてのものに色があるのがとても素晴らしいことのように感じられたものである(映画を見た人だけにわかるように書いている)。生きていることを実感させる、そして生きていることの意味を否応無しに問いかけてくる、とてもいい映画だ。『映画の力』とは、こういうものなのだろう」
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意外とおもしろかった「ルパン三世 風魔一族の陰謀」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-07-10
「ルパン三世 風魔一族の陰謀」☆☆☆★ もう3か月ほど前になるが、モンキー・パンチ(加藤一彦)さんが亡くなった。モンキー・パンチといえば「ルパン三世」、というか「ルパン三世」だけの人だった。そのルパンは、漫画のころは女は犯すは人は殺すはそれなりの「悪漢」だったが、いつの間にか「いい人」になってしまった。まあ、本家アルセーヌ・ルパンも中期以降は愛国者であり冒険家のドン・ルイス・ペレンナだったり、探偵ジム・バーネットだったりするので、それに習ったわけだ。・・・というのは全くのデタラメで、テレビアニメではそもそも悪漢では企画が通らないのだろう。そのアニメの設定が漫画にもブーメランで、漫画のルパンもいい人になってしまった。また、五ェ門などルパンの命を狙う恐ろしい敵だったのだが、これまたいつの間にかルパンの頼もしい見方になってしまった。 というような話はともかく、本作は「ルパンVS複製人間」「カリオストロの城」「バビロンの黄金伝説」に続く劇場版ルパンの第4作だそうだ。 1987年の映画だというのだから、もう30年以上も前のアニメだ。歳が歳なので、「時代遅れ」なんて言われるのには慣れっこだが、今さらこの古いアニメを見ているのは、自身で考えても時代遅れ。 今さらバカか、なんて言われそうだが、「ルパン三世」は週間漫画アクションでの第1回から読んでいるものの、格別のフアンというわけでもない。アニメに関してはテレビ版の出来のいいもの何本かと「カリオストロの城」だけあればいいという人間なので、アニメシリーズを追っかけているわけではない。 だったらなんで今になってそんな昔のアニメをということになるわけだが、大塚康生が作画監督をしているという話をルパンフアンの知り合いから聞いたからである。伝説の「太陽の王子ホルスの大冒険」にしろ「カリオストロの城」しろ、この人が作画監督をしている作品は駄作にはならないので、私は信頼しているわけだ(聞いた話では「作画監督」だったが、アニメのクレジットを確認したら「監修」だった)。で、見てみようかということになった。まあ、大塚康生がかかわったアニメは(興行的には)コケルという伝説もあるが、ヒットしたかどうかは見る方には関係ない。 話は、ナントあの五ェ門の結婚式から始まる!と書いてもほとんどの人がすでに見て知っているだろうから簡単に書く。結婚相手の紫(クラリスなどよりはよほど活発な女性で好感がもてる。ただし、ク..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-07-10T11:14:39+09:00
「ルパン三世 風魔一族の陰謀」☆☆☆★
もう3か月ほど前になるが、モンキー・パンチ(加藤一彦)さんが亡くなった。モンキー・パンチといえば「ルパン三世」、というか「ルパン三世」だけの人だった。そのルパンは、漫画のころは女は犯すは人は殺すはそれなりの「悪漢」だったが、いつの間にか「いい人」になってしまった。まあ、本家アルセーヌ・ルパンも中期以降は愛国者であり冒険家のドン・ルイス・ペレンナだったり、探偵ジム・バーネットだったりするので、それに習ったわけだ。・・・というのは全くのデタラメで、テレビアニメではそもそも悪漢では企画が通らないのだろう。そのアニメの設定が漫画にもブーメランで、漫画のルパンもいい人になってしまった。また、五ェ門などルパンの命を狙う恐ろしい敵だったのだが、これまたいつの間にかルパンの頼もしい見方になってしまった。
というような話はともかく、本作は「ルパンVS複製人間」「カリオストロの城」「バビロンの黄金伝説」に続く劇場版ルパンの第4作だそうだ。
1987年の映画だというのだから、もう30年以上も前のアニメだ。歳が歳なので、「時代遅れ」なんて言われるのには慣れっこだが、今さらこの古いアニメを見ているのは、自身で考えても時代遅れ。
今さらバカか、なんて言われそうだが、「ルパン三世」は週間漫画アクションでの第1回から読んでいるものの、格別のフアンというわけでもない。アニメに関してはテレビ版の出来のいいもの何本かと「カリオストロの城」だけあればいいという人間なので、アニメシリーズを追っかけているわけではない。
だったらなんで今になってそんな昔のアニメをということになるわけだが、大塚康生が作画監督をしているという話をルパンフアンの知り合いから聞いたからである。伝説の「太陽の王子ホルスの大冒険」にしろ「カリオストロの城」しろ、この人が作画監督をしている作品は駄作にはならないので、私は信頼しているわけだ(聞いた話では「作画監督」だったが、アニメのクレジットを確認したら「監修」だった)。で、見てみようかということになった。まあ、大塚康生がかかわったアニメは(興行的には)コケルという伝説もあるが、ヒットしたかどうかは見る方には関係ない。
話は、ナントあの五ェ門の結婚式から始まる!と書いてもほとんどの人がすでに見て知っているだろうから簡単に書く。結婚相手の紫(クラリスなどよりはよほど活発な女性で好感がもてる。ただし、クラリスほどかわいくないのは大減点)が風魔一族にさらわれ、隠し金庫の中からは莫大な財宝にまつわる黄金の鍵が入った壷が発見される。どうやら飛騨高山だったかの山奥の洞窟の中に黄金の城があるらしい。しかし、そこへたどり着くまでには様々な罠が仕掛けられた洞窟を進まねばならず(「レイダース」)・・・、というもの。全体の骨組みはあの「カリオストロ」と言ってよい。少なくとも、大塚が監修にあたり「カリオストロ」を意識していたことはまちがいないだろう。
冒頭登場する風魔一族のコスチュームは「カリオストロ」でホテルに現れる殺人鬼集団とそっくり、城内の歯車はカリオストロ城の内部の歯車を連想させる。五ェ門とヒロイン紫との過去ので愛の回想シーンもルパンとクラリスとの出会いの回想シーンを意識したものであることまちがいない。森の中を走るシーンや、パトカーとの公道でのカーチェイスも同様。
「カリオストロ」ほどではないにしろ話はそこそこしっかりしており、アニメの動きも悪くない。にもかかわらず、何か微妙な違和感があるの。「本物」のルパンと何か違うぞ、と誰かが頭の中でささやきかけてくるのだ。その理由は、見終わった後、再度冒頭のクレジットを見て判明した。
レギュラー陣5名の声優が総て変更されているのだ(カッコ内がそれまでのレギュラー声優)。
ルパン三世・古川登志夫(山田康雄)、次元大介・銀河万丈(小林清志)、石川五ェ門・塩沢兼人(井上真樹夫)、峰不二子・小山茉美(増山江威子)、銭形警部・加藤精三(納谷悟朗)といった具合(カッコ内がレギュラー声優)。(ルパンフアンの間では有名な話かもしれないが)声優陣が総て代わっているのだ。
アニメのシリーズものは絵と声が合致して初めて成立する。そんなことはド素人でもわかるはずだが、山田が亡くなりルパンの声が栗田に代わったのとは訳が違うのである。それなりの事情があったのかもしれないが、なんでこんなバカなことをしてしまったのだろう。何か理由があったのだろうが、手を付けてはいけない禁断の部分に手を付けてしまったのだ。次作からはまた元の声優に戻っているのだから、よほど抗議が殺到したのだろう。フアンでもない私にも、その気持ちはわかる。
登場する車がフィアット500、シトロエン2CV、日産ブルーバード410型など「カリオストロ」に登場したものが再登場(ナンバーなどは日本のものになっている。県警も埼玉県警ではなく岐阜県警)するのは、もちろん大塚康生の指示だろう。登場する列車も多分実際に存在する鉄道車両らしく見えるので、手抜かりはない。水陸両用シーンでマフラー(排気管)が伸びて水面上に出ているなど、さすがに大塚監修は芸が細かい。
そうしたこともあって、それなりにおもしろく見られた佳作ではあった。上に声優陣の変更による「違和感」があったと書いたが、それは見ているうちにそれほど感じなくなったことは、付け加えておきたい。新たな声優陣は別に下手ではない。かつて「スターウォーズ」(epi.4)がテレビ発放映されたとき、レイア姫の声を聞き、多くの視聴者(私もその中の1人)が腰を抜かした大場久美子のような無能は誰1人としていない。皆、プロなのだ(ただし、今回の主役とも言える五ェ門の声だけは大時代ががった井上のほうがやはりよかった。「カリオストロ」の五ェ門の「可憐だ・・・」などもはや世界文化遺産に登録されてもおかしくない)。
ルパンフアンなら必見。なぁんて30年も前のアニメに対して言っているのは私だけで、フアンはとっくに見ているんだろう。要するに、このアニメを見ていなかったのは、時代遅れのおっさん、私唯1人ということか。(;_;)
↓予告編ないので「カリオストロ」で我慢して。m(__)m
https://www.youtube.com/watch?v=wYGfRDmmba8
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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東映の「次郎長三部作」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-07-05
子どものころ、映画といえば東宝でも松竹でも大映でも日活でもなく、東映。正確に言えば東映のチャンバラ映画だった。盆、正月に泊まりに行って遊んだ従兄弟の家の近くには名古屋東映、生家のちかくにはSK東映があり、見逃しても三番館の中村映劇があった。「次郎長三国志」やくざ映画というより、チャンバラ映画として見たわけだ。 今回、あらためて3本続けて見ると、悪い奴らがいて最後は「正義の」清水一家がやっつけるというパターンはどれも同工異曲(東映の考えではやくざは、義理人情を重んじる任侠の「いいやくざ」と、利権のために庶民を弾圧する「悪いやくざ」に二分されるらしい)。よくもまあ毎年劇場に通って見たものだと我ながら感心する。今のようにビデオで何回も見たりテレビで放送されるなどということのない時代なので、見ればそれなりに新鮮に感じられたものだ。また、映画館に行くということ自体が楽しい時代だったのだと思う。「任侠清水港」☆☆★★★ これは確か正月映画として見た記憶がある。清水の次郎長はもちろん片岡千恵蔵。その貫禄ぶりには今見ても納得のものがある。もう1人の御大、市川右太衛門は大前田英五郎としての客分出演。森の石松・中村錦之助、追分の三五郎・大川橋蔵、大政・原健策、そのほか月形龍之介、東野英治郎、山形勲、進藤英太郎、東千代之介、大友柳太朗、伏見扇太郎(この人、いつの間にか消えちゃいました)と、正月らしくオールスター映画だった。監督は松田定次。 話は、おなじみのエピソードがいろいろあって、一旦は鉾を収めた次郎長だったが、都鳥の吉兵衛(山形勲)に森の石松が惨殺されたことを知り、一大決戦を挑む。清水一家がまるで踊るように刀を振り回すと斬られてもいないのに周りの敵はバタバタと倒れてしまうので勝敗は明らか。無事、石松の仇を討って映画は終わる。観客も「いい方」の完全勝利とあって溜飲が下がるというわけだ。「任侠東海道」☆☆★★ これも翌年だったかも正月映画だったような気がする。次郎長の片岡千恵蔵はそのままだったが、中村錦之助は前作で森の石松を演じ死んでしまったのでもう清水一家にはいない。しかし、人気絶頂の錦ちゃんを出さないわけにはいかない。というわけで、しれっと桶屋の鬼吉として復活。大政も大友柳太朗にバトンタッチ。大河内傳次郎がさすがの貫禄を見せれば、御大・市川右太衛門も今度は吉良の仁吉として再登場。山形勲、進藤英太郎といったところも前作とは「無関係..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-07-05T09:48:54+09:00
今回、あらためて3本続けて見ると、悪い奴らがいて最後は「正義の」清水一家がやっつけるというパターンはどれも同工異曲(東映の考えではやくざは、義理人情を重んじる任侠の「いいやくざ」と、利権のために庶民を弾圧する「悪いやくざ」に二分されるらしい)。よくもまあ毎年劇場に通って見たものだと我ながら感心する。今のようにビデオで何回も見たりテレビで放送されるなどということのない時代なので、見ればそれなりに新鮮に感じられたものだ。また、映画館に行くということ自体が楽しい時代だったのだと思う。
「任侠清水港」☆☆★★★
これは確か正月映画として見た記憶がある。清水の次郎長はもちろん片岡千恵蔵。その貫禄ぶりには今見ても納得のものがある。もう1人の御大、市川右太衛門は大前田英五郎としての客分出演。森の石松・中村錦之助、追分の三五郎・大川橋蔵、大政・原健策、そのほか月形龍之介、東野英治郎、山形勲、進藤英太郎、東千代之介、大友柳太朗、伏見扇太郎(この人、いつの間にか消えちゃいました)と、正月らしくオールスター映画だった。監督は松田定次。
話は、おなじみのエピソードがいろいろあって、一旦は鉾を収めた次郎長だったが、都鳥の吉兵衛(山形勲)に森の石松が惨殺されたことを知り、一大決戦を挑む。清水一家がまるで踊るように刀を振り回すと斬られてもいないのに周りの敵はバタバタと倒れてしまうので勝敗は明らか。無事、石松の仇を討って映画は終わる。観客も「いい方」の完全勝利とあって溜飲が下がるというわけだ。
「任侠東海道」☆☆★★
これも翌年だったかも正月映画だったような気がする。次郎長の片岡千恵蔵はそのままだったが、中村錦之助は前作で森の石松を演じ死んでしまったのでもう清水一家にはいない。しかし、人気絶頂の錦ちゃんを出さないわけにはいかない。というわけで、しれっと桶屋の鬼吉として復活。大政も大友柳太朗にバトンタッチ。大河内傳次郎がさすがの貫禄を見せれば、御大・市川右太衛門も今度は吉良の仁吉として再登場。山形勲、進藤英太郎といったところも前作とは「無関係」の悪役として再登場してくる。「仁義なき戦い」でもそうだったが一度死んだ役者がシリーズの中で(何の説明もなく)別人として再登場してくるのは、いわば東映のお家芸なので驚くには当たらない。
話は、仙右衛門(大川橋蔵)の叔父一家を皆殺しにした3人をかくまう悪党連中を荒神山で壊滅させるまで。吉良の仁吉はこの戦いで鉄砲に撃たれ一命を落とすが、御大だけにその死に際のかっこよさが引き立つ。御大の機嫌を損ねないためにももう1人の御大・千恵蔵に「吉良の仁吉は富士の山にも似た、男の中の男だったなぁ」とつぶやかせることも忘れてはいない。
「任侠中仙道」☆☆★★
片岡千恵蔵の次郎長はそのままだが、俳優と役柄はまたまた大幅変動。桶屋の鬼吉は前作で別に死んではいないのだが、本作の中村錦之助は小川の勝五郎。大政も大友柳太朗から若山富三郎にバトンタッチ。人気の問題と言ってしまえばそれまでだが、第1作で大政を演じた原健策は、ナントカの政右衛門とかいう悪役に格下げられてしまった。ちなみに毎回特別出演の御大・市川右太衛門は本作でも下手な役を割り振るわけにはいかず、吉良の仁吉は死んでしまったが、国定忠治として復活している。
話は、凶作にあえぐ農民を救うため悪いやくざから金を奪い米の買い付けしようという国定忠治。悪人たち(こういう誰が見ても悪い方といい方にくっきり区別されるのがかつての東映時代劇の特徴。悪人を演じる俳優は半固定なので、顔を見ただけで「こいつは悪い方」と子どもにもわかる。いくら農民を救うためとはいえ強盗は強盗だと思うのだが、忠治はあくまでいい人)の計略で忠治一家は次郎長一家と対決しそうになるが(両御大が刀を交えるシーン初めて見た)、そこは東映。悪党の策略を知った両一家が悪人たちをバッタバッタと斬り倒し、めでたしめでたし。今回も御大・千恵蔵に「国定の、俺ぁ、お前さんを忘れねえぜ」と言わせている。それにしても(この映画も間違いなく見ているはずなのに忘れていたが)、ラストシーンで清水一家が、赤城山に向かう忠治一家に、さよなら〜と笠を左右に振るのには思わず笑った。
このほか片岡千恵蔵の次郎長物には確か「勢揃い東海道」というこれまたオールスター映画があったはずだが見ていない。いや、見ている可能性がないではないのだが、どれも似たような話なので記憶にない。次郎長物には、東宝版の「次郎長三国志」(次郎長・小堀明男、森の石松・森繁久彌)、東映版の「次郎長三国志」(次郎長・鶴田浩二、森の石松・長門裕之)があり、監督はいずれもマキノ雅弘だがこれも見ていない。
それにしても御大・市川右太衛門は「旗本退屈男」くらいしか浮かばないが、片岡千恵蔵は、清水次郎長をはじめ、「忠臣蔵」の大石内蔵助、「いれずみ判官」の遠山の金さん、「大菩薩峠」の机竜之助、「七つの顔」の多羅尾伴内、宮本武蔵、金田一耕助と主演作がいくつも思い浮かぶ。渋いところでは工藤栄一監督の「十三人の刺客」の主演・島田新左衛門役。リメイク版の役所広司と比べればその貫禄の差がわかろうというものである。テレビでは加藤剛主演の「大岡越前」で越前の父親役をさすがの貫禄で演じていたのが記憶に残っている。文句なしの大スターだと断言したい。
ところで、名古屋に「千恵蔵ビル」というのがあり、片岡千恵蔵御大が建てたビルだという話を聞いたことがあるが、本当だったのだろうか?
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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古典ロードムービー「ユリシーズ」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-06-28
「ユリシーズ」☆☆★★ カーク・ダグラス主演の「オデュッセイア」の物語。 いわゆる元祖ロードムービーのようなもので、まあ見せ場は一つ目の巨人が出てくるスペクタクルシーンか。ただ、予算もあまりなかったのだろう、今のCGとはいわないがそれほど迫力はない。せめてレイ・ハリーハウゼンが特撮を手がけた「シンドバット七回目の航海」(1958年)に出てくる一つ目の巨人サイクロップスくらいの迫力と異形さはほしかった。本作は1954年製作なのでそれより少し前になるが現代に恐竜が出現する「原始怪獣現割る」は1953年だからハリーハウゼンに頼めないことはなかったと思う。同じ1954年の映画だったら日本の「ゴジラ」のほうがはるかに迫力もあり映画としての出来もよい。ハリーハウゼンがダメなら円谷英二に頼んでほしかった。本作はせっかくの素材を全然生かし切れていない。 カーク・ダクラスといえば後に「スパルタカス」という傑作を製作し主演したハリウッドの大スター。ただし、ジョン・スタージェス「OK牧場の決闘」のドク・ホリディ役で人気がブレイクしたのが1957年なので1954年製作の本作のころはまだイマイチ売れなくて苦労していたんだろう。・・・と書いてきて、待てよとダグラスの年譜を見たら、1951年にビリー・ワイルダー監督の「地獄の英雄」、ウイリアム・ワイラー監督の「探偵物語」、さらに1954年にはディズニーの「海底二万哩 」など軒並み主役を演じている。おいおい、すでに売れているじゃないか。なんで出たんだろう? カーク・ダクラス以外では妻ペネロピーにシルヴァーナ・マンガーノ(妖女キルケーと二役)、ナウシカァ(宮崎アニメ「風の谷のナウシカ」の名前はここから)にロッサナ・ポデスタ、ペネロピーに言いよるアンソニー・クインあたりか。シルヴァーナ・マンガーノもロッサナ・ポデスタも歳とってお化けになっちゃったけど、このころはきれいだったなぁ。・・・はともかく、トロイ戦争に始まり海難、ナウシカァ、キルケー、帰国、大虐殺ととりあえず大筋は外していない。 では、おもしろいかというと演出が平板で合戦シーンもイマイチ、特撮はイマニという具合で退屈。イタリア映画ということで同じくイタリア映画の「ニュー・シネマ・パラダイス」でこの映画のワンシーンが紹介されているが、一つ目の巨人はともかく、ラストの大虐殺などイタリア映画特有の残虐さしつこさがあり、あまり子どもには見せたくない映..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-06-28T09:57:40+09:00
「ユリシーズ」☆☆★★
カーク・ダグラス主演の「オデュッセイア」の物語。
いわゆる元祖ロードムービーのようなもので、まあ見せ場は一つ目の巨人が出てくるスペクタクルシーンか。ただ、予算もあまりなかったのだろう、今のCGとはいわないがそれほど迫力はない。せめてレイ・ハリーハウゼンが特撮を手がけた「シンドバット七回目の航海」(1958年)に出てくる一つ目の巨人サイクロップスくらいの迫力と異形さはほしかった。本作は1954年製作なのでそれより少し前になるが現代に恐竜が出現する「原始怪獣現割る」は1953年だからハリーハウゼンに頼めないことはなかったと思う。同じ1954年の映画だったら日本の「ゴジラ」のほうがはるかに迫力もあり映画としての出来もよい。ハリーハウゼンがダメなら円谷英二に頼んでほしかった。本作はせっかくの素材を全然生かし切れていない。
カーク・ダクラスといえば後に「スパルタカス」という傑作を製作し主演したハリウッドの大スター。ただし、ジョン・スタージェス「OK牧場の決闘」のドク・ホリディ役で人気がブレイクしたのが1957年なので1954年製作の本作のころはまだイマイチ売れなくて苦労していたんだろう。・・・と書いてきて、待てよとダグラスの年譜を見たら、1951年にビリー・ワイルダー監督の「地獄の英雄」、ウイリアム・ワイラー監督の「探偵物語」、さらに1954年にはディズニーの「海底二万哩 」など軒並み主役を演じている。おいおい、すでに売れているじゃないか。なんで出たんだろう?
カーク・ダクラス以外では妻ペネロピーにシルヴァーナ・マンガーノ(妖女キルケーと二役)、ナウシカァ(宮崎アニメ「風の谷のナウシカ」の名前はここから)にロッサナ・ポデスタ、ペネロピーに言いよるアンソニー・クインあたりか。シルヴァーナ・マンガーノもロッサナ・ポデスタも歳とってお化けになっちゃったけど、このころはきれいだったなぁ。・・・はともかく、トロイ戦争に始まり海難、ナウシカァ、キルケー、帰国、大虐殺ととりあえず大筋は外していない。
では、おもしろいかというと演出が平板で合戦シーンもイマイチ、特撮はイマニという具合で退屈。イタリア映画ということで同じくイタリア映画の「ニュー・シネマ・パラダイス」でこの映画のワンシーンが紹介されているが、一つ目の巨人はともかく、ラストの大虐殺などイタリア映画特有の残虐さしつこさがあり、あまり子どもには見せたくない映画なのかもしれない。
元本の「オデュッセイア」は学生時代に筑摩世界文学大系の第1巻、高津春繁訳で読んだ。呉茂一訳「イーリアス」との合本だった。「イーリアス」がアキレウス(アキレス)の怒りとその結末というトロイア戦争のある部分を凝縮して取り出した構成の傑作だったのに対し、「オデュッセイア」は平坦なロードムービー的構成で私としてはあまり感心はしなかった。ただ、オデュッセウスのちょっと疑り深い性格は比較的うまく表現されていて、最後は神の言うことまで疑ってかかるのには笑ったが・・・。
ちなみにジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」は、黄色い箱に入っていた新潮社世界文学全集の伊藤整・永松定訳(全2巻)を大学のとき買って読み始めては見たもののすぐにちんぶんかんぷん。現代のオデッセイの心象風景は複雑すぎて理解できず、結局1/4ほど悪戦苦闘したところで投げ出してしまった。その後、いろいろな訳が出版され、とくに柳瀬尚紀訳はかなり話題になったのだがその時のトラウマがあるためか再チャレンジする気になれずに放置。おそらく、この小説は死ぬまでに読むことはないと思う(^^;。
↓予告編
https://seesaawiki.jp/eiga2000/d/%A5%E6%A5%EA%A5%B7%A1%BC%A5%BA%A1%A61954
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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食べられない?イチゴ
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-06-22
散歩をしていたら、某マンションの前庭に隠れるようにしてイチゴの実が。実がなっているということは、それ以前には白い花が咲いていたんでしょうが、気がつきませんでした。まあ、肥料もやっていないんでしょう、実は小さく何よりも埃・排ガスたっぷりで食べようという気にはなれません。ただ、栽培品種に改良される前の野生イチゴはこんなんだったのかなと想像すると、ちょっといい感じにも見えるので不思議です。
その他雑文日記
迷走ダイアリ
2019-06-22T10:18:21+09:00
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東映チャンバラ3本立て
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-06-17
子どものころ見に連れていかれた、あるいは見に行った映画はなんといっても東映のチャンバラ映画だった。まず、子どもにとっては「いい方」「悪い方」がはっきりしているのがありがたい。しかも、「いい方」は絶対に勝つので安心して見ていられるし、見終わった後も気分がいい。相手が何十人いようと主人公が踊るように剣を振ると刃先が当たってもいないのに敵がばたばたと倒れていくのも爽快だ。そんな東映チャンバラ映画が著作権切れなのかどうか知らないが外国のサイトにアップされていたので暇潰しに見てみた。「丹下左膳」☆☆★★ 丹下左膳といえば大河内傳次郎の名前があがるが、嵐寛寿郎、月形龍之介、丹波哲郎あたりも演じている。今回見たのは大友柳太朗が演じた1958年坂。タイトルは単に「丹下左膳」だが内容は「百万両の壺(こけ猿の壺)」。「乾雲坤竜」の巻と並ぶ丹下左膳の2大ストーリーである。東映スコープ(要するにシネマスコープ)1周年記念ということで、丹下左膳・大友柳太朗、柳生源三郎・大川橋蔵、蒲生泰軒・大河内傳次郎、将軍吉宗・東千代之介、大岡越前守・月形龍之介、ちょび安・松島トモ子そのほか山形勲、多々良純、左卜全、美空ひばりとオールスター。監督は東映時代劇量産の松田定次。その昔、三番館で見て、毒薬を飲んでしまった大川橋蔵を助けに大友柳太朗が走るシーンが写ると拍手、捕り方が走るシーンが写ると拍手という感じで忙しかったことを思い出した。当時は全く気がつきもしなかったが、丹下左膳といえばこの人といわれる大河内傳次郎が蒲生泰軒役で出ていたのはある意味リスペクトということか。ただ、サービスのつもりなのかせっかく出ているんだからという感じで美空ひばりの歌がやたらと挿入されるのでその度に流れが中断されてしまうのにはまいった。「殿さま弥次喜多」☆☆ 中村錦之助が尾州宗長と弟の中村賀津雄が紀州義直を演じ、自由を求めて弥次喜多道中を繰り広げるコメディ時代劇。これに瓦版の特ダネ記者として美空ひばり、その父に大河内伝次郎らが加わる。監督は沢島忠。高貴なお方とマスコミ関係者という取り合わせは、「ローマの休日」を意識したものか。いずれにしてもスラップスティックというより底の浅いドタバタが織り込まれるもののほとんど笑えない。次期将軍に誰がなるのかという流れの中でまあ陰謀が渦巻き、最後は吉原での大立ち回り。何十人斬ったかしれないがまあ踊りのような立ち回りなので華麗ではあっても迫力・..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-06-17T09:20:41+09:00
「丹下左膳」☆☆★★
丹下左膳といえば大河内傳次郎の名前があがるが、嵐寛寿郎、月形龍之介、丹波哲郎あたりも演じている。今回見たのは大友柳太朗が演じた1958年坂。タイトルは単に「丹下左膳」だが内容は「百万両の壺(こけ猿の壺)」。「乾雲坤竜」の巻と並ぶ丹下左膳の2大ストーリーである。東映スコープ(要するにシネマスコープ)1周年記念ということで、丹下左膳・大友柳太朗、柳生源三郎・大川橋蔵、蒲生泰軒・大河内傳次郎、将軍吉宗・東千代之介、大岡越前守・月形龍之介、ちょび安・松島トモ子そのほか山形勲、多々良純、左卜全、美空ひばりとオールスター。監督は東映時代劇量産の松田定次。その昔、三番館で見て、毒薬を飲んでしまった大川橋蔵を助けに大友柳太朗が走るシーンが写ると拍手、捕り方が走るシーンが写ると拍手という感じで忙しかったことを思い出した。当時は全く気がつきもしなかったが、丹下左膳といえばこの人といわれる大河内傳次郎が蒲生泰軒役で出ていたのはある意味リスペクトということか。ただ、サービスのつもりなのかせっかく出ているんだからという感じで美空ひばりの歌がやたらと挿入されるのでその度に流れが中断されてしまうのにはまいった。
「殿さま弥次喜多」☆☆
中村錦之助が尾州宗長と弟の中村賀津雄が紀州義直を演じ、自由を求めて弥次喜多道中を繰り広げるコメディ時代劇。これに瓦版の特ダネ記者として美空ひばり、その父に大河内伝次郎らが加わる。監督は沢島忠。高貴なお方とマスコミ関係者という取り合わせは、「ローマの休日」を意識したものか。いずれにしてもスラップスティックというより底の浅いドタバタが織り込まれるもののほとんど笑えない。次期将軍に誰がなるのかという流れの中でまあ陰謀が渦巻き、最後は吉原での大立ち回り。何十人斬ったかしれないがまあ踊りのような立ち回りなので華麗ではあっても迫力・緊張感はない。最後にくじ引きで将軍が決まったオシマイ。子どものころから中村兄弟は似ているが、錦ちゃんと比べて弟の賀津雄はパッとしないなあと思っていたが、2人並ぶとその差は歴然。整形以外に話題のない姉の有村藍里と朝ドラ女優で紅白の司会までやった妹の有村架純姉妹のようなものか。もしかするとこのシリーズ3本も作られたそうだが、錦ちゃんによる弟救済映画たったのかもしれない。
「きさらぎ無双剣」☆☆★
市川右太衛門といえば「旗本退屈男」なのだが、それ以外の映画もあったので見てみた。御大以外にも松方弘樹、里見浩太郎、高田浩吉(大岡越前守)、近衛十四郎(敵役)、東千代之介(将軍・徳川吉宗)などのほか、若山富三郎、山形勲、月形哲之介、坂東好太郎なども顔を出す。東映の得意技「スターをずらりと並べてみました」映画なのだが、ストーリー展開がぐだぐだでそれぞれの役も生かされていないので、この人出す必要あったのかなという気にもなる。「殿さま弥次喜多」では尾張と紀州は仲良しこよしだったのだがこの映画では一転、将軍・徳川吉宗追い落としの「尾張の陰謀」が話の中心になる。ちょっと感心したのが近衛十四郎(本作では息子の松方弘樹とは敵味方(^^;)の太刀捌き。東映のチャンバラは踊りのようなもので市川右太衛門の太刀が華麗なのはその典型。対する近衛の太刀はまあ踊りは踊りなのだが、スピードが抜群で現実に立ち会ったら右太衛門もかなわないなと思わせるものがあった(ま、東映映画なのでラストは当然「いい方」が勝つわけだが)。さすが。
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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年寄りはついていけない「パンク侍、斬られて候」
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-06-09
「パンク侍、斬られて候」☆☆★★ コメディ時代劇とでも言おうか。 めちゃくちゃ時代劇とでも言おうか。 いいかげん時代劇とでも言おうか。 監督の石井岳龍は「狂い咲きサンダーロード」「逆噴射家族」など見ているが、こういうことをやりたいのかなぁとは思うものの、どうもピンとこない。ただ、映画の出来としてはイマイチだったがあの「蜜のあわれ」を監督したという勇気を認めて本作も見てみた。 主演は自称・超人的剣客の掛十之進を綾野剛。私的にはとてもイケメンとは認められないが、「コウノドリ」の産婦人科医、「ハゲタカ」のトレーダーをはじめ「そこのみにて光輝く」「天空の蜂」「リップヴァンウィンクルの花嫁」などいろいろな役に挑んでいるのは評価できる。そうそう、大駄作「ルパン三世」の石川五ェ門役と「亜人」の佐藤なんてものも加えておこう。そのほかにも東出昌大(バカ殿合っているゾ)、浅野忠信、豊川悦司、國村隼、染谷将太、浅野忠信、北川景子、永瀬正敏(人間でなく言葉をしゃべる猿。ナレーションも)など相当に豪華。 話は、まああってないような適当なものなのでwikiからコピペ。「舞台は江戸時代。浪人・掛十之進は、仕官の職と報酬欲しさに、恐るべき災いを引き起こすとされる新興宗教団体『腹ふり党』の討伐を説く。黒和藩(くろあえはん)重臣・内藤帯刀はこれを利用して自分と対立する重臣の失脚を目論むが、教祖が捕縛された腹ふり党は既に解散しており、存在しないことを知る。内藤は偽の腹ふり党をねつ造する計画を企てるが、・・・」 掛十之進は、まあ主人公ではあるのだが狂言回しのようなもので、話はあっちにいったりこっちにいったり。最後は、存在しない「腹ふり党」をでっち上げたらこれが数千人にも。対する城方はたかだか二十人。仕方ないのでサルを動員して、サル軍団と腹ふり党との大乱戦。超能力者は出てくるは、サル軍団の親分は天に昇ってしまうは、めんどうな人間は綾野がさっさと片付けてしまうし、もうどうでもいいという感じだ。ただ、北川景子がいてもいなくてもいい役なので何だろうと思っていたら(以下ネタバレ)冒頭の「大菩薩峠」もどきで女が顔をみせないこととリンクしていた。 こういうめちゃくちゃは古い人間としてはついていけないなぁと思ったら脚本は宮藤官九郎。どうもこの男の脚本にはついていけない。評判だった「あまちゃん」にしても、途中東京でのAKBもどきが延々とあったり、高校まで神奈川で暮らして..
映画の雑感日記
迷走ダイアリ
2019-06-09T11:23:16+09:00
「パンク侍、斬られて候」☆☆★★
コメディ時代劇とでも言おうか。
めちゃくちゃ時代劇とでも言おうか。
いいかげん時代劇とでも言おうか。
監督の石井岳龍は「狂い咲きサンダーロード」「逆噴射家族」など見ているが、こういうことをやりたいのかなぁとは思うものの、どうもピンとこない。ただ、映画の出来としてはイマイチだったがあの「蜜のあわれ」を監督したという勇気を認めて本作も見てみた。
主演は自称・超人的剣客の掛十之進を綾野剛。私的にはとてもイケメンとは認められないが、「コウノドリ」の産婦人科医、「ハゲタカ」のトレーダーをはじめ「そこのみにて光輝く」「天空の蜂」「リップヴァンウィンクルの花嫁」などいろいろな役に挑んでいるのは評価できる。そうそう、大駄作「ルパン三世」の石川五ェ門役と「亜人」の佐藤なんてものも加えておこう。そのほかにも東出昌大(バカ殿合っているゾ)、浅野忠信、豊川悦司、國村隼、染谷将太、浅野忠信、北川景子、永瀬正敏(人間でなく言葉をしゃべる猿。ナレーションも)など相当に豪華。
話は、まああってないような適当なものなのでwikiからコピペ。
「舞台は江戸時代。浪人・掛十之進は、仕官の職と報酬欲しさに、恐るべき災いを引き起こすとされる新興宗教団体『腹ふり党』の討伐を説く。黒和藩(くろあえはん)重臣・内藤帯刀はこれを利用して自分と対立する重臣の失脚を目論むが、教祖が捕縛された腹ふり党は既に解散しており、存在しないことを知る。内藤は偽の腹ふり党をねつ造する計画を企てるが、・・・」
掛十之進は、まあ主人公ではあるのだが狂言回しのようなもので、話はあっちにいったりこっちにいったり。最後は、存在しない「腹ふり党」をでっち上げたらこれが数千人にも。対する城方はたかだか二十人。仕方ないのでサルを動員して、サル軍団と腹ふり党との大乱戦。超能力者は出てくるは、サル軍団の親分は天に昇ってしまうは、めんどうな人間は綾野がさっさと片付けてしまうし、もうどうでもいいという感じだ。ただ、北川景子がいてもいなくてもいい役なので何だろうと思っていたら(以下ネタバレ)冒頭の「大菩薩峠」もどきで女が顔をみせないこととリンクしていた。
こういうめちゃくちゃは古い人間としてはついていけないなぁと思ったら脚本は宮藤官九郎。どうもこの男の脚本にはついていけない。評判だった「あまちゃん」にしても、途中東京でのAKBもどきが延々とあったり、高校まで神奈川で暮らしていた能年(のん)が、なぜか「訛っている方」だったりと私には適当過ぎる話でそれほどおもしろいものではなかった。今回も、世の定石というか予想を覆してやろうという宮藤の気持ちはわかるのだが、うっちゃりやはたき込みはよほどうまくやらないと先に足が出てしまいつまらないことになってしまう。
私が古い人間のためか、どうにもそうしたうっちゃりやはたき込みに納得がいかず、つまらないものに思えて仕方がなかった。この映画を大絶賛している人もネットにはいるようなので、どうも宮藤官九郎の脚本は年寄りには生理的に合わない、ということにしておこう。
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=JuuAA3ihErY
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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4月期ドラマと医者ドラマ
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2019-06-03
最近のテレビドラマは刑事物(推理物)と医者物ばかりで、嫌いではないのだがまあちょっとというかかなり飽きているというのが正直な感想だ。先日、知り合いとそんな話をしていたらいろいろある医者ドラマのどんな話が好きなのかと質問されたので、あれこれ記憶をたどってみると、 「医龍」の第8話 天才麻酔医・阿部の彼女が銃弾にたおれるまでの前半はだらだらした展開でたるいが、坂口が登場してからの夏木の登場、麻酔医・阿部の参入と後半のテンポがとてもいい。いつもはうるさい感じがするテーマ曲も夏木登場のシーンでは、ちょっとぞくぞくさせられるものがあった。 「コウノドリ」の第1話と第3話 綾野、星野、大森、坂口、松岡となかなか豪華な布陣。第1話は冒頭から吉田羊登場まで快テンポ。第3話はピアノの好きな盲目の少女をめぐる物語。あえて選ぶとしたら第3話かな。 「グッド・ドクター」の第5話 天才的少年歌手と彼の歌が大好きな入院中の少年の物語。もう少しというところでの再発は、がんセンターに入院していたものとしてその辛さが実感される。劇中で唄われる「365日の紙飛行機」は私が聞いたこの歌のベストだ。 ・・・なんてところが記憶に残っている。 そのほかの医者物では沢村一樹の「ドクターズ」や、視聴率のよかった米倉涼子の「ドクターX」、最近売れっ子になった斉藤工の「最上の命医」あたりか。ただ、それなりに退屈しのぎにはなったものの、とりたてておもしろかった、感動したという記憶はない(「最上の命医」は第6話まではそこそこだったのだが、第7、8話はぐだくだでひどいできだった。このラスト2話は暇潰しにはならないことを付け加えておこう)。 現在放送中のドラマだと「インハンド」の第6話はなかなかよくできていたと思うのだが、この回の話(他の分野でも天才的だという説明はあるのだが)主人公を寄生虫研究者にした意味があまりなかったのではないかという疑問が残る。あ、考えてみたらこのドラマ、医者物であるとともに刑事物でもあるナ。「ラジエーションハウス」「白衣の戦士!」というのも医者物のようだが、見ていない。 さすがに医者物と同様、いや医者物以上に大繁盛している刑事ドラマを見ている暇はない。刑事物については、私が刑事物のオーソリティーと認めている多摩のIHさんから何か送られてきたらブログに掲載しようと思う。 医者物、刑事物とも全話を通しての大きな流れがないことはないのだがたいていどう..
テレビの雑感日記
迷走ダイアリ
2019-06-03T10:12:20+09:00
「医龍」の第8話 天才麻酔医・阿部の彼女が銃弾にたおれるまでの前半はだらだらした展開でたるいが、坂口が登場してからの夏木の登場、麻酔医・阿部の参入と後半のテンポがとてもいい。いつもはうるさい感じがするテーマ曲も夏木登場のシーンでは、ちょっとぞくぞくさせられるものがあった。
「コウノドリ」の第1話と第3話 綾野、星野、大森、坂口、松岡となかなか豪華な布陣。第1話は冒頭から吉田羊登場まで快テンポ。第3話はピアノの好きな盲目の少女をめぐる物語。あえて選ぶとしたら第3話かな。
「グッド・ドクター」の第5話 天才的少年歌手と彼の歌が大好きな入院中の少年の物語。もう少しというところでの再発は、がんセンターに入院していたものとしてその辛さが実感される。劇中で唄われる「365日の紙飛行機」は私が聞いたこの歌のベストだ。
・・・なんてところが記憶に残っている。
そのほかの医者物では沢村一樹の「ドクターズ」や、視聴率のよかった米倉涼子の「ドクターX」、最近売れっ子になった斉藤工の「最上の命医」あたりか。ただ、それなりに退屈しのぎにはなったものの、とりたてておもしろかった、感動したという記憶はない(「最上の命医」は第6話まではそこそこだったのだが、第7、8話はぐだくだでひどいできだった。このラスト2話は暇潰しにはならないことを付け加えておこう)。
現在放送中のドラマだと「インハンド」の第6話はなかなかよくできていたと思うのだが、この回の話(他の分野でも天才的だという説明はあるのだが)主人公を寄生虫研究者にした意味があまりなかったのではないかという疑問が残る。あ、考えてみたらこのドラマ、医者物であるとともに刑事物でもあるナ。「ラジエーションハウス」「白衣の戦士!」というのも医者物のようだが、見ていない。
さすがに医者物と同様、いや医者物以上に大繁盛している刑事ドラマを見ている暇はない。刑事物については、私が刑事物のオーソリティーと認めている多摩のIHさんから何か送られてきたらブログに掲載しようと思う。
医者物、刑事物とも全話を通しての大きな流れがないことはないのだがたいていどうでもいいようなもので、メインは1話完結。ドラマの初めのほうでつかんだ視聴者を流れに乗せて見続けさせようというのではなく、途中からでも好きなときだけでも大丈夫、気楽に「参加」できますよーというのが昨今のドラマの流行らしい。
KSさんからのメールやwildさんのブログを読むと朝ドラの「なつぞら」の評判がいいようだが、1度も見ていない(^^;。どうも毎朝見るという地道な生活は私には向いていないようだ。ここ何年かでは「ゲゲゲの女房」「あさが来た」「ひよっ子」を少し見た程度のものだ。これも朝ドラオーソリティーのKSさんかwildから感想が届くようならアップします。
良作が放送されることがある日曜劇場の「集団左遷 」は、銀行マン福山が明確な方針も示さず「ガンバレ、ガンバレ」の号令ばかり。スタッフは、竹槍でB29は落とせなかったことを知らないらしい。呆れて、第1作で終了。
むしろ、筒井康隆「富豪刑事」のまがい物のような「大富豪同心」を見ている。出来は、まあ、暇潰しにはなるといったところか。そのほかでは、高橋、斉藤、滝藤の「東京独身男子」、西島、内野の「きのう何食べた?」という2本の深夜ドラマ。この2本については、見ているというよりも何かやってるかな?と、テレビをつけたらやっていて最後の10分だけ見たなどというのがほとんど。1話まるっと見たということは1度もない。
そうそう、この話はジャニタレ岡田クンの「白い巨塔」どうですか、というところから始まったのだった。私が「見ていない」と言ったことから上記の質問になったのだ。その前に唐沢が演った「白い巨塔」も見ていない。ただ、田宮二郎の映画は見ている。映画は見ていてテレビドラマは見ていないのは「砂の器」と同じパターン。映画の加藤剛の役をテレビでは、40年くらい前に田村正和、30年近く前に佐藤浩市、21世紀になって中居正広、佐々木蔵之介とあって、つい先日も中島健人(ジャニタレ?)のドラマが放送されたようだが、いずれも見ていない。
要するに「白い巨塔」も「砂の器」映画がとてもよく出来ていたので、あらためてドラマを見ようという気が起きないのだ。黒澤の名作も「隠し砦の三悪人」が大駄作リメイクされたり、「天国と地獄」や「生きる」がテレビドラマ化され、つい見てしまって痛い目にあっているので、「防衛本能」が働いているのかもしれない。いや、きっとそうだ(^^;。
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