SSブログ

どこまで続くSW「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」 [映画の雑感日記]

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」☆☆☆

 まあ、「儲かるんなら何でもあり」というのは、このことなんだろう。
 思えば「スター・ウォーズ」第1作(エピソード4)を渋谷の映画館で見たのは1977年なので40年も前になる。見た感想は、前評判があまりに高かったためもあって「こんなものかな」。戦闘場面などは実写型のアーケイドゲームの趣があって楽しめたのだが、ラストなどあれだけの攻防戦があったのに表彰式がそのへんの会社の入社式程度の規模でしかないなど不満もあった。その後、1980年「帝国の逆襲」1983年「ジェダイの帰還」(公開当時は「帰還」ではなく「復讐」。勝手にタイトルを変えるな)と続き、ここで一休み。
 制作兼監督のジョージ・ルーカスは第1作後「9部作」を宣言していたので、これまでの制作間隔でいけば1986年遅くても1990年くらいまでに次作が公開されると思っていた。それが10年経っても制作開始の発表すらない。「特別編」などという旧作の手直しでお茶を濁しているので、大金持ちになったルーカスは、めんどくさくシンドイ映画製作などというものはもうやらないのだろうと私は考えた。それが1999年になっていきなりエピソード1「ファントム・メナス」の新作公開。これが2002年「クローンの攻撃」、2005年「シスの復讐」と続いて完結。
 正直、映画は続編になるほどつまらなくなっていったのだが、「シスの復讐」公開時のルーカスの発言、「スター・ウォーズ」はダース・ベイダーの誕生で始まり死をもって終わった、という説得力ある言葉に私など妙に納得したものだ。当然、9部作は6部作に変更され、シリーズは完結したと思ったのも当然である。
 それが10年経った2015年、ルーカス発言は、あっという間になかったことにされ、シリーズ第7作(エピソード7)「フォースの覚醒」が公開された。配給会社も20thフォックスからディズニーに移り、今までのいきがかり上見てはみたものの、同じ「スター・ウォーズ」のシリーズに入れていいものだろうか、と正直思った。ショーン・コネリーがイオン・プロを離れて主演した「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」を見た時のように見慣れた映像がそこにあるにもかかわらず、何か感じが違うのだ。
 それでもこの第7作はヒットしたのだろう、第8作「最後のジェダイ」が2017年に公開されると発表された。会社としては儲かるか儲からないかがすべてなので、儲かる間は作り続けるんだろうな、と思っていたらナント2016年に早々と「スター・ウォーズ」が公開された。なななんだぁ、と調べてみたら要するに「スター・ウォーズ」のサイド・ストーリー。エピソード3の後、4に直接つながる話なんだそうだ。さすが、金儲けにどん欲なディズニーだけのことはある。前説が長くなってしまったが、それが本作、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」である。
 話としては、帝国によるデススターの開発とデススターの設計図を手に入れるまで。その間になんだかんだとあって、ここでも父と子ども(娘)の問題が出てくる。「またこれか」感は否めない。帝国軍提督のピーター・カッシングや最後に出てくるレイア姫キャリー・フィッシャー(お2人のご冥福をお祈りします。アレック・ギネス、クリストファー・リーetc.公開から40年も経つと多くの人が亡くなっている)は、CGでの登場。で、このラストからエピ4の冒頭へとダイレクトに続くわけである。いずれにしても、結末はわかっているのでそのぶん、ハラハラドキドキ度は薄い。
 まだ見ていない人も多いと思うので、どうでもいいようなことを2つ、3つ。
 まず、CGの人物だがピーター・カッシングはそこそこリアルにできていたが、レイア姫はいかにもCGの顔。それに、このCGの顔はちょっと老けてないかい。エピ4のときはもうちょっと子どもっぽいあんぱんのような顔だったはず。デススターの設計図はモノクロの線画で、あの程度のデータなら一瞬で送れると思うのだが転送にずいぶんと時間がかかっているのは我々が見ていない部分に精密なCG動画などあるのだろうか。あと、ちょっと大きめのロボットが出てくるのだが、R2D2やC3POなどよりよほど有能で役に立つ。なんでこの後の話(つまりエピ4)以降に出て来ないんだろうと、意地悪な疑問を呈しておこう。全体の印象としては、前半はかなり退屈、後半はまあまあといったところか。
 それにしても、この映画といいエピ7といい、意志の強い活動的な女性が主人公である。ひところ、人種差別問題の反動なのか「いい黒人」ばかりが出てきて、またかと思ったものだが近頃はこのての女性主人公がやたらと多い。最近のアメリカのトレンドなんだろうか?(この傾向が、トランプ基地外大統領の登場で変わるのか変わらないのか、変わるとすればどう変わるのか別の意味で興味深い。)

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=bxoikPW_aTQ
ローグ.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
nice!(0) 

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。