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ちょっと退屈「メッセージ」 [映画の雑感日記]

「メッセージ」☆☆☆

 SF映画である。原題は「Arrival」。
 大昔にシネラマだったか70mmだったかの大作で「ザ・メッセージ」というアンソニー・クインがマホメットを演じた映画があった。私は見ていないが、紛らわしいなあ。ぶつぶつ。今回の映画の監督はドゥニ・ヴィルヌーヴとクレジットが出たが知らない。主演の言語学者ヒロイン・ルイーズ(私の耳には「ルイス」と聞こえるが、とりあえず「公式」に従っておく)はエイミー・アダムス(「人生の特等席」でクリント・イーストウッドの娘をやった人。老けたなぁ)、相手役の科学者にジェレミー・レナー(「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」に出ていた人だと思う)。
 この映画、wikiなどを見ると制作は去年なのだが、日本公開は今年の5月予定。ええっ「5月」???と思たのだが、なぜか字幕のついたものが一瞬ネットで公開されているのを見つけたので、暇潰しに見てみた。まあ下のあらすじのように、宇宙人とのコンタクトが大きなテーマの1つとなっている。
 話は、世界各地(日本の北海道にも)謎の巨大宇宙船が着陸するところから始まる(原題のほうが内容に合っている)。正確には地上何メートルかに浮いているので着陸とは言えないのかもしれないので、まあ着陸もどきと言っておこう。このての話はアーサー・クラークが「幼年期の終り」という小説であまりに鮮やかに描いてしまったので、またかという気がしないではない。船内のバリアを隔ててぼんやりと現れる宇宙人とコンタクトをとる必要があり、彼らの言葉を解析するためにルイスは協力を求められる。
 今回もめんどくさいので、「メッセージ」の公式サイトから「あらすじ」をバクルと、
「突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズは、「彼ら」が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。」
 ということになる、この「現在」の話の進行の間に、彼女が幼い娘を亡くしたシーンがしつこいくらい挿入される。それが実は過去の出来事ではなく、未来の出来事であり、彼女は・・・。ということになるのだが、まだ公開されていない映画なので、これ以上は書かない。
 ただ、その時間軸が未来か過去かという出来事の紹介がどうもあまりうまくいっていない。それと、なぜ彼女がということも話の中で説明されていたのかもしれないが、いいかげんに見ていたので、よくわからなかった。科学力、技術力の差は歴然で、いくら中国の首脳が馬鹿だったとしても、宣戦布告するんだろうか。さらにロシアなどがそれに同調するという図式だが、そんな無謀なことに同調する国はせいぜいトランプのアメリカくらいのものだろう。要するに、戦争はないだろうという前提が私の頭の中にあったからかもしれないが、遂に戦争になってしまうのかというあたりもあまり切迫感が感じられないのだ。
 というわけで、頭から駄作と決めつけることはしないが、はっきり言って物語の振り幅が小さく、画面も驚きがなくて退屈。劇場の大画面で見ればちがうのかもしれないが、これがアカデミー賞にノミネートされていて、傑作「ハドソン川の奇跡」が1つもノミネートもされていないというのは、私には、トランプがアメリカ大統領になってしまったのと同じくらい不思議である(ちなみに本作はアカデミー作品賞、監督賞など8部門にノミネートされ、音響編集賞を授賞した)。

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=_q1iFcsJk8o
メッセージ.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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