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指揮がダメダメの「奇跡のシンフォニー」 [映画の雑感日記]

「奇跡のシンフォニー」☆☆★★★

 孤児院で暮らす少年エヴァンが己の音楽的才能を開花させていく物語。と書くと、実も蓋もないなあ。まあこの手の話はいわゆる「成功物語」としてよくある話なので、いかに成功までの過程をうまく作っていくかが勝負になる。
 現代は「August Rush」
 監督のカーステン・シェリダン、脚本のニック・キャッスル、ジェームス・ハートともに全く知らない。主演のフレディ・ハイモアはどこかで見たことがあるような顔なのだが、思い出せない。もしかしたらジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場」に出ていた子かなとも思うのだが、自信はない。ボケは確実に進んでいるようだ。
 で、かんじんのストーリーだが、少年以外の部分がどうにも陳腐なできでまいった。少年がひたすら楽譜を書くところなどとてもおもしろいのに残念。総じて、この映画は子どもたちがいい。少年エヴァンはもちろんのこと、黒人の少年も女の子もなかなかいい味をだしている。対して母親のチェリストや父親のロックバンドのギタリスト、とくに後者はアホなだけでいいところが全くない。ストリートチルドレンから金を巻き上げて生計をたてているウィザード役のロビン・ウィリアムズ(「ナイト ミュージアム」のルーズベルト)がかろうじて存在感を出していたくらいか。
 ニューヨーク・フィルのコンサートへの出演が決まるあたり、なんかできすぎかなあという感じがしないでもないのだが、まあ「お話」ですから。ラストはお決まりの展開で、エヴァン君作曲の「オーガスト(エヴァン君のペンネーム)のラプソディ」をエヴァン君自身が指揮をする。ははは、「オーケストラの少女」か、おい。
 で、問題はその「天才」エヴァン君が作曲した曲が聞く者を感動させるものなのかどうかなのだが、ううむ・・・。私はこのての音楽に詳しくないのだが、あまり素晴らしい曲には聞こえなかったなあ。それとエヴァン君の指揮。指揮のスピードと音楽のスピードが合っていないように見えるのは致命傷。天才ではなく素人の男の子が指揮をしていて、オーケストラは指揮者を無視して自分たちのペースで演奏しているように見えてしまう。この子が別に天才である必要はないのだが、主題からいっても映画として「そう見える」のは絶対に必要だろう。音楽映画だけにここはきっちり決めてもらいたかったところだ。マイナス★1つ。

↓予告編
http://www.youtube.com/watch?v=Rx-AvLXKb7c
シンフォニー.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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