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またかよの設定「エリジウム」 [映画の雑感日記]

「エリジウム」☆☆★★

 2154年を舞台にしたSF映画。監督・脚本は世評ほど私はかっていない「第9地区」のニール・ブロムカンプ。かつてのSF少年も最近のどうでもいいようなSF・ファンタジー映画の洪水には辟易しているので、どうしようか迷ったが、「ボーン・シリーズ」や「インビクタス」などでいい味を出したマット・デイモンが主演で、映画を選ぶジョディ・フォスターも出ていることから、ダメもとで見てみた。
 巻頭、地球があって宇宙ステーションが回っているという構図は、かの「2001年宇宙の旅」のイメージからいただきだろう。こうした動画をもう何十回と見たような気がする。CGが発達したおかげでこういう画面が簡単に作れるようになったんだろう、この映画でもなかなかよくできていて悪くない。が、逆に言うと、「2001年宇宙の旅」を初めて見たときのような驚きもない。あのミニチュアと合成で作られた映像を越えるものがないのだ。
 ところが、その後が早くもいけない。
 宇宙コロニー「エリジウム」(巨大な人工衛星でラリー・ニーヴンの「リングワールド」を想わせる)に住む富裕層と地上に住む貧困層。あれっ、これってあの「メトロポリス」以来それこそ何百回も映画化された設定じゃないか。「未来世界ザルドス」、最近では「タイム」などみなそうだ。
 おいおい、またこの設定かよ、と思ってしまう。
 当然、それを土台とした新しい何かがないと、見ていくのがたるくなってしまうわけだが、中間はほとんどアクション映画。マット・デイモンは坊主頭でがんばっているが、子どもを出したりの設定があまりに陳腐すぎるので、どうにもならない。金に困っているわけでもないだろうし、せっかく「インビクタス」等に出たんだから、もう少し仕事を選んでもいいんじゃないだろうか。で、なんだかんだの末、コンピュータの再起動ってのがあって一応のハッピーエンド。しかし、とやはり思ってしまう。これで問題は本当に解決したのだろうか?

↓予告編
http://www.youtube.com/watch?v=UsTFGvuQBZ4
エリジウム.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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