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今年のテレビ2 バラエティー [テレビの雑感日記]

 出版関連の仕事というのはけっこう不規則なので、話題になっていても連続ドラマはなかなか見られない。そこへいくとバラエティー番組は、「先週見ていないのでわからない」ということがないのがいい。ただしテレビで教養を身につけようなどという気は全くないので最近多くなった雑学番組は見ない。ここに挙げたものも含めて比較的よく見るのはテレ朝の「ぷっスマ」「タモリ倶楽部」「検索ちゃん」、TBSの「あらびき団」、フジの「笑っていいとも増刊号」、テレ東「なんでも鑑定団」日テレ「踊るさんま御殿」、本来はテレ朝系列なんですがなぜか東京MXで見ている「探偵!ナイトスクープ」あたりでしょうか。その他は、話題やゲストによります。

☆M-1グランプリ
 M-1グランプリというものを意識したのは2005年のブラ・マヨから。以後、2006年チュートリアル、2007年サンドウィッチマンときて今年のNON STYLEである。みに決勝に残った3組の順位付けは、私はオードリー、ナイツ、NON STYLEの順でちょっと意外な感じもしたが、どれもなかなかの出来でまあ好みの問題だと思えばとくに不満もない。
 ちなみに歴代の優勝者は2001年9中川家、2002年ますだおかだ、2003年フットボールアワー、2004年アンタッチャブル。「ますだおかだ」は大納得、フットボールアワーとアンタッチャブルもまあまあ納得だが、第1回の中川家だけは「ええーっ」という感じである。主催が吉本興業なので無理矢理、中川家にとらせたのだろうか(ちなみに私は中川家がおもしろいと思ったことは1度もない)。で、第2回がますだおかだ(松竹芸能)に決まったため、吉本以外でも優勝できるんだということになり公正性がでてきたのではないかと勝手に想像している。
 明らかにこのM-1をパクッタと思われる10月にTBSで放送された「キング・オブ・コント」よりは選考過程がクリアになっているだけでもマシである。各審査員が責任をもって採点し、もちろん私の予想とは違うことも多いが、これはこれでいいと思う。「キング・オブ・コント」についてはこんな記事もあるが、↓
http://www.excite.co.jp/News/entertainment/20081011/Cyzo_200810_post_1047.html
 後出しじゃんけんでよりつまらなくなった典型的な例と言える(漫才ではなく「コント」と言えばこの一組と思っているアンジャッシュなど番組が始まったときにはすでに落選していてただ観客席にいるだけだった)。TBSは現場を含めて会社全体が崩壊しているネ。本当に末期的症状と言っていい。現在、見たい番組は「あらびき団」くらいしかないのだから。


☆実力以上に売れすぎる悲劇
 映画監督の故・黒澤明はシェイクスピアの「マクベス」を翻案した「蜘蛛巣城」を作るとき、その地位の能力のない人がその地位についてしまった悲劇、というような解釈をしていた。
 テレビを見ていると、この人いったい何で人気があるんだろう、と首をひねってしまう人たちが何人かいる。何人かが、あれおもいろいなあ、と言い、その人(グループ)をおもしろいと言わないと時代遅れにされてしまう、仲間外れにされてしまうという心配から、おもしろい、と合わせ思い込もうとし、それが大きな流れになって人気が大ブレイクするのだろうか?
 少し前の例でいうと、「何でだろう……」で紅白歌合戦にまで出てしまったテツ&トモ。さらにその前では山田邦子。彼らがおもしろくない、と言うのではない。そこそこおもしろかった。が、所詮そこそこのおもしろさであり、一世を風靡するようなものではなかった。それでもなぜか大ブームになっちゃったので、本人たちも天下とったような気分になっちゃうのかねえ。慢心していたかのかどうかは知らないが、頂点は短くあっという間に消えてしまった。テツ&トモは今ではほとんど「あの人は今?」だし、邦ちゃんは乳がんコメンテーターとしてしか見なくなってしまった。
 最近、この危険を感じるのは小島よしお。「そんなの関係ねー」は最初見たときは、なんじゃこりゃあ?とそれなりにおもしろかったが、大ブレイクしたときにはすでに飽きていた。その後、「ラスタピーヤ」などのギャグを作ってはいるが、はっきり言って全くおもしろくない。裸から服を着るタイミングも失敗しており、近頃はときどき服を着て出てくることもあるが影が薄い(このタイミングはなかなか難しく、先に服を着たにしおかすみこもインパクトがなくなって半分消えかかっている)。
 現在、この危機にあるのは、エドはるみだろう。
 グーはいったい何がおもしろいのか私にはわからないまま大ブレイクしてしまったが、さすがに少し飽きられはじめた兆しが感じられる。そもそもこのおばさん、「踊るさんま御殿」でさんまに「結婚に重要なのは?」とふられたところ何だか当たり前の答えを返し(何と言ったのか忘れた)、さんまから「タイミングーでしょうが」と言われていた。要するに自分のテンポで自分の世界でグーと言っている分にはいいのだが、相手とのやりとりがまだうまくできないのだ。こうなるとマンネリはもう目の前で、いつ突然飽きられても不思議はない。我が家の奥様が、TBSのドラマで普通に演技ができていた、と言っているのでおばさん脇役の方に方向転換するのだろうか?
 いずれにしても芸人は、能力以上に大ブレイクしてしまう(黒澤流に言えば、その地位の能力のない人がその地位についてしまう)と、99%がその人気を維持することはできずに消えて行く。せいぜいプチブレイクくらいにしておくのが、この世界で長生きするコツなのかもしれない、と思う今日この頃である。
(ちなみに最近の漫才・コンビで私が、「うまいなあ」「おもしろいなあ」と思うのは、ますだおかだ、アンジャッシュ。チュートリアルもおもしろかったのだがM1とって忙しくなりすぎたのか、最近はつまらなくなった。黄信号である。)


☆「ぷっスマ」
 ユースケ・サンタマリアとSMAPの草薙がMCをつとめる「ぷっスマ」(テレビ朝日)というバラエティを毎週見ている。毎週いろいろなゲームでMCとゲストが競うという番組で(この形式に落ち着くまで何年か!かかった)、とくにお気に入りは「記憶力絵心クイズ」。ともかく草薙画伯の絵が常識を突き抜けていて笑える。絵心のない私が見ても「何だこりゃあ」というくらいものすごい絵なので、草薙には勝てると考えているゲストがほとんど。だから、草薙に負けると茫然自失、この表情がまた見物である。坂下千里子は泣き出してしまったし、松たか子は目を見開いたまま絶句してしまった。私はこの草薙に加えて東幹久、石田純一を「ぷっスマ」の三大画伯と呼んでいるが、彼らが出たら必見である(最近、出ないなあ……)。
 9/9は「あたかもディクショナリー」。ある言葉の解説文の所々が空欄になっていてそこを埋めていくゲームで、「ぷっスマ」にあってはまあ普通におもしろい回なのだが、今回は少し趣向を変えようというのか、素人の下手なコントなど入って改悪になってしまった。意味のないコントのおかげで問題文が映される時間が短くなってしまったため、どういう問題文なのかよくわからず、こちらは考えられない。本末転倒の典型的な例といえる。
 また、ゲストで品川庄司の品川が出ていたが、いかにも受け狙いでわざと馬鹿なことを書いて空欄を埋めたのがわかる答えで興ざめ。芸人の馬鹿は演技だというくらいのことは見る方もわかっているのだが(あの羞恥心のつるのにしたって本当の馬鹿なら「ウルトラマン」のとき台詞を覚えられないだろうし、好きだという将棋のルールだって覚えられないはずである)、演技はあくまで自然にやってくれないと。もちろん、演技とわかっていても「ますだおかだ」のように突き抜けて馬鹿を演じていれば、それなりに笑えるんだけどね。
 かつて毒舌で売っていたタケシは子どもに「この人、ホントはいい人なんだよね」と見抜かれたときからおもしろくなくなった(監督、MCといろいろやっているが、ここ10年以上、タケシをおもしろいと思ったことは一度もない)。芸人がおもしろくなくなって人気が落ちるのは、
1 女優や美人とつき合ったり結婚したりする(大竹しのぶと結婚していた当時のさんま。最近ではモデルとつき合っていたインパルスの堤下など。さんまは離婚して復活したが、堤下は別れてもまだ潜ったままである)
2 お笑いをやっているが実はりこうなんだぞというところを見せたがる(たけしが典型。爆笑問題の太田が要注意)
 文化人コンプレックスは要注意である。
 なんだかんだと言っても視聴者は芸人を自分たちより一段下の人間と見て馬鹿にしたり笑ったりしているのだから、女優や美人とつき合ったり、りこうぶったとたんに人気は急降下する。麒麟の田村も「貧乏」で視聴者の優越感を満たして人気が出たが印税2億などという報道ですっかり人気を落とした。芸人は「おもろいやんか」と思われてナンボ。品川も小説を書いたりしているようだが、気をつけないとね。


☆「あらびき団」
 朝日新聞で「あらびき団」がとりあげられていた。TBSの水曜午後11時50分から放送している30分番組で、私は毎週楽しみにしているのだが、マイナーな番組なので新聞に取り上げられるとは思わなかった。番組はふつうならまあテレビにはとても出られないような芸人たちがあらびきな芸を披露し、それを東野と藤井がくさすというもの。安穂野香(はげのおっさんがセーラー服を着てキーボードを弾く。最初見たときは呆気にとられたが何度も見ていると飽きる。CDも出したそうだが、何と名古屋の人だったとは驚き)、メグちゃん(おもしろくない芸を披露していたが親にバレて引退)、ふとっちょ☆カウボーイ(たるんだ腹を見せてパンパーンとピストルを発射する真似をしているだけの全くおもしろくないデブ)、みっちー(最近の……実におもしろい。私もやってみる、と全く似ていない小島よしおの物真似など。あまりに似ていないのがけっこうおもしろいのだが最近あまり見かけない)などはこの番組で初めて見た。売れていない自称グラビアアイドルがとんでもない芸を披露し、藤井に「大丈夫なんでしょうか」と言われることもある。世界のナベアツ、はるな愛、品川庄司の庄司、ケンドーコバヤシなどの「有名人」も時々出演する(たいてい芸そのものはおもしろくない)。
 粗挽き芸なので芸そのものはおもしろくないものがほとんどなのだが、東野が「ひどいねえ。何ででてきたんだ」「おい、ちゃんとオーディションやってるのか」、藤井が「今後が心配です」「何だったんでしよう?」などと言いたい放題のくさしのタイミングが抜群で笑える。深夜番組ならではのおもしろさがあるので、なまじ新聞で話題になったからといって(テレビ朝日がよくやって失敗しているように)ゴールデンに移行しないようにしてほしい。少なくとも知らないグラビアアイドルが水着で出てきて、パンを一口で食ったり、うんこ座りしたりという粗挽き芸は、ゴールデンになったら絶対に見られないのだから。
 ちなみに、我が家の奥様のお気に入りは「モンスターエンジン(……という暇をもてあました神々のたわむれ)」、私のお気に入りは「ふうせん太郎」(でかい風船に入ってジャンプしたり竹馬に乗ったりするパフォーマーだが毎回必ず失敗する)。
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