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残念ラストの「ラスト・ブラッド」 [映画の雑感日記]

「ラスト・ブラッド」☆☆★★

 WOWOWで「ラスト・ブラッド」という奇妙な映画をやっていた。といっても、原題は「BLOOD THE LAST VAMPIRE」というアニメらしい。「スカイ・クロラ」や「攻殻機動隊」の押井守などもからんでいるようで、マニアの間ではけっこう有名なアニメだということだが、私は、知らん(^^;。
 この映画は、その実写版で香港とフランスの共同製作。で、舞台は日本(銀座線に丸ノ内線の地下鉄車両が走っていたりして、「鉄ちゃんの」うちのお子様が見たら怒り出しそうなもんだが、富士山もしっかり見えるので日本であることは間違いない)。古代からバンパイア(といってもこの映画に出てくる面々はあまり吸血鬼らしくないのだが)は「鬼」として知られており、人間社会の中にも多くが紛れ込んでいる。その親分が、鬼の源、つまりオニゲン。そのオニゲンを倒すべく、セーラー服少女が日本刀で闘うというストーリー。「バイオハザード」や「ファイナメ。ファンタジー」といったゲームが映画になる時代である。プレステなどのゲームと同じと思えば、わかりやすいし、そのことをとやかく言う気はない。
 サヤ(小夜か?)の育ての親カトウ(懐かしや倉田保昭さんではないですか)を襲うオニは誰がどう見たって忍者だし、これまたどう見たって日本人の女子高生にしか見えないサヤ(WOWOWのパンフによれば、チョン・ジヒョンという韓国映画「猟奇的な彼女」の女優らしい)が米軍基地内の高校に入るというのもちょっと、いや大いに無理がある。第一、設定は16歳のようだが、このチェンさんどう見ても20代半ば過ぎでしょう。
 女子高生というより、コスプレにしか見えんぞ(^^;。
 それに、なんでセーラー服なんだ。タランティーノ「キル・ビル」のゴーゴー夕張(栗山千明)もそうだが、外国のおっさんも日本人のおっさんと同じようにセーラー服がお好きとみえる。もちろん、私も嫌いではない(昔、やす・きよの漫才で「お嫌いですか?」「お好きです」という定番のやりとりがあった(^^;)。まあショートスカートのセーラー服でアクションをやると思えばそれだけでよだれも出てきそうなものだが、残念、完全なる「見せパン」なのでそっち方面は全く期待できない。
 アクションが始まるとそれがほとんどストーリーを無視するように異様に長く(まあ、どうでもいいようなストーリーだと言ってしまえばそれまでなのだが)、ヒロインが、なぜあれほどヤンキー女子高生を守ろうとするのかもよくわからない。そういうシチュエーションにしないと、闘いの場面を設定しにくいから、なんて理由はなしよ(^^;。最後には当然のように敵のボス、オニゲン登場。おやこんなところに小雪さん。この人、よく見ると確かに「鬼顔」で、その意味ではいいキャスティングなのだが、いかんせん動きがとろい(実際の運動神経がどうということではなく、いかにも鈍そうに見えるところが痛い)。だから、全然強そうに見えず、従ってクライマックスも盛り上がらない。クライマックスともなれば、それまでの闘い以上のパワーアップがないとクライマックスにはならないのだが、そんなものは何もないまま何か適当に始まり、適当に終わってしまった。なんだかわけのわからない部分を残して終わるのがこの手の映画の流行のようだが、「向こうの世界」と「こちらの世界」の描き方が中途半端なので、なんとも釈然としない。「ラスト・ブラッド」と言いながらラストは完全に不完全燃焼のまま終わってしまった。
 その後、パソコンに向かってこの雑文を書き出したのだが、名前に間違いがないか念のためWOWOWのパンフを見直してみたら、あれっ、この映画の後に原作アニメの「BLOOD THE LAST VAMPIRE」を続けて放送していたんだ。しまった。そっちは録画していないぞ。
ラストブラッド.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家=故・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。要するに合格というか許せるぎりぎりのラインということです。)

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