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引退詐欺?「運び屋」 [映画の雑感日記]

「運び屋」☆☆☆★★

 麻薬の運び屋になった人物の実話に基づいた映画らしい。
 なんだかあまり気乗りしない話のようなのだが、監督がクリント・イーストウッドとなるとやはり見てしまう。確か「人生の特等席」のとき、これからも監督はやるかもしれないが映画に出ることはもうないだろう、というような気がするのだが(記憶曖昧)、なんと監督・主演とはおそれいいった。「人生の特等席」は監督はしていないので、監督・主演となると、あの「グラン・トリノ」以来になるのではないのか。
 確かもう89か90歳のはずだ。実話の人物は80歳過ぎてから運び屋になったということなので、それなら俺が、ということなのだろうが監督で主演。おそれいいるとは、このことだ。共演はブラッドリー・クーパー(「アメリカン・スナイパー」主役)、ローレンス・フィッシュバーン(「マトリックス」のモーフィアス)。
 こう書いてくると、なんとなく重苦しい殺伐とした犯罪映画のように思えるかもしれないが、家族ドラマでもあり、クスリとするハートウォーミングな部分もある映画なので嫌な感じはしない。話自体はサスペンス・アクションになって何の不思議もないはずなのに、なぜかゆったりした気分で見ることができる。おんぼろ車がフォードからリンカーンになるなんて設定、大統領の名前にすると何がいいたいのか一目瞭然というような遊びもある。
 私は、映画ってこうなんだよなと思いながら、ときどきクスリとしたりして、いいもの見せてもらいましたという気分で見終えることができた。CG過多のファンタジー映画ばかりの中で、年寄りでも見られる洋画はホント、イーストウッドの作品だけになってしまったなあということを再実感した次第。
 若い人には刺激が足りないかもしれないが、老人とは孤独なもので、だから世間が注目してくれたり誉めてくれるのが生きている実感としてうれしいんだろうなぁというのが、こちらもいい歳なのでとてもよくわかる。まだ見ていない人も多いと思うのでストーリーは省略するが、百合の花で始まり百合の花で終わるあたり、憎いねえ・・・。(^^)/

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=AH9h7e-Lx4E
運び屋.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
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