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最近のテレビ雑感 [テレビの雑感日記]

「エコ」を言う前にBSデジタル廃止を(2009.06)
 我が家は朝日新聞を購読しているが、この春からテレビ欄の局位置が地上波デジタルの並びに変更された。今までのアナログの(東京での)チャンネルは欄は左から、NHK1、NHK教育3、日テレ4、TBS6、フジ8、テレ朝10、テレ東12と並んでいたのだが地デジチャンネルになって、NHK1、NHK教育2、日テレ4、テレ朝5、TBS6、テレ東7、フジ8の並び順になったのである。今までと同じチャンネルの日テレ4、TBS6、フジ8が得したような気がしていたが、しばらく使っているうちに、テレビ欄のセンターにきたテレ朝5が一番得をしたことがわかった。目が、まずそこへ行くのである。
 そして、その紙面変更と同時に、BSデジタルの番組が載るようになった。いつの間にか、民放各局は、BSデジタルの放送も始めていたのだ。
 驚いた。
 いや、驚いたというのは民放がBSデジタルをやっていたということではない。我が家のCATVではBSチャンネル表示にするとテレビの画面にチャンネル表示が出る。だから、民放各局がBSデジタルのチャンネルをもっていることなど、とっくに知っている。ところがBSデジタルの基本はWOWOWで、映画を放送するときだけたまにNHKのBS-2かBS-hを見る程度である。はっきり言って、民放のBSデジタルなぞ見たことがない。その理由が、新聞のBSデジタル欄を見てはっきりした。垂れ流される番組のほとんどが、所謂「ショップチャンネル」なのである。ためしに、最近、BS=iからBS-TBSと名前を変えた、TBSのBSデジタルの内容を見てみると、ざっとこんな具合だ(2009.05.29)。
 15:00-18:00 ショップ
 18:00-00.00 韓国ドラマ、世界うるるん滞在記(地上波の再放送)
 00:00-03:00 ショップ
 驚くことに所謂ゴールデン・プライムタイムを含む12時間のうちなんと半分の6時間がショップチャンネルなのである。しかも、それ以外の番組も昔の地上波の再放送としょうもない韓国ドラマ。これでは見ないもの当たり前というものである。ところが、TBSはCSでもチャンネルをもっていて(TBSチャンネル)こちらも再放送主流だがかつて話題になったドラマや「ザ・ベストテン」など、ちょっと見たいかなと思う番組もある。あるが、ところがどっこい。こちらは有料なのだ。つまり、無料のBSデジタルではショップチャンネルを垂れ流し、見たい番組はCSで放送して金をとるというわけである(日テレ、フジ、テレ朝も全く同様。テレ朝では午前0時から9時まですべてショップ番組だったこともある)。ホントにやっていることがセコイ。
 要するに何を放送するのかわからないが、「枠」があるのでとりあえずその枠を確保し、確保したのはいいが流す番組もないのでショップ番組(早い話がCMだ!)を垂れ流しているというのが、BSデジタル放送の実態だと思う。偉そうに「エコ」を言うのなら、電波の無駄遣いBSデジタルを一時休止したらどうか。酔っぱらって裸になる男がキャラを勤めていた地デジ化ではまだ見られるテレビが見られなくなるという「もったいない」で多くの家が困ることになるが、民放のBSデジタルを止めたところで困る家なんぞでない。そして、止めてしまえば間違いなくエネルギーの節約になる。「エコ」を主張する前にエコを実践すべきではないのか。
 それにしてもだ、(何度もしつこく書くようだが)地上波デジタルへの移行の理由の一つが、限りある電波の有効利用だったはず。って、電波あまってるじゃん、とため口の一つもたたきたくなるようなBSデジタルの中身ではある。新聞も限りある紙面をこんな無内容なもので埋めようとせず、有効利用して意味ある情報を伝えてもらいたい(もう、書いていることがやけっぱちになっている。お前のブログこそ無駄だから止めろ、と言われそうだ)。


★TSUTAYAの焦り??(2009.05.10)
 「ネットで借りて、自宅に届き、ポストに返却」
 テレビで何度も流れているDMMのCMである。何を言いたいのか明りょうで、最近のCMの傑作だと思う。もっとも、このシステムがうまくいってこそ評価されるCMで、うまくいっているのかどうか利用していない私にはわからないが、問題の指摘など聞かないので、とりあえずはうまくいっているのだろう。ソフトバンクのようにイヌだ外人だという奇妙な設定で(どういう家族なんだ?)人気を博しても、何度も通信障害を起こしていると、力を入れるところが違うだろう、と言いたくなってしまう(以前のNOVAウサギが人気になったときもそうだが、本筋と関係ないキャラクターで受けをとろうとするCMを、私は基本的に信用していない)。
 ところが、最近も極めて似たようなフレーズのCMが登場した。歌にこそなっていないが、「ネットで借りて、郵便受けに届き、ポストに返却」というTSUTAYAのCMだ。TSUTAYAといえばレンタルビデオ業界の最大手。25-20年ほど前には街のあちこちに個人事業のようなレンタルショップがあり、ここは音楽物(CDと音楽ビデオ)、ここは洋画、ここはアダルト物と各店に特色があった(顔なじみになると「裏」もこっそり貸してくれたりした。いい時代だったなぁ)。まあ時効だと思うしその店もとっくの昔に潰れてしまっているので書いてしまうが、違法にレーザーディスクをレンタルしている店もあり、私はよく利用した。それが、今ではビデオレンタルをやっている店といえば、一部アダルト専門店、輸入ビデオ専門店などをのぞけばTSUTAYAしか見かけなくなってしまった。やはり何と言っても品揃えの数が違う。しかも、TSUTAYAはCDも扱っているのでCDもDVDもというとき、1か所ですんでしまう。まことに便利である。街のショップは次々と閉店に追い込まれ、TSUTAYAだけがどんどん店舗数を拡大していったこともうなずける。
 そのTSUTAYAがである、DMMなんていうマイナーな会社(ネットではよく名前を見るが、私はアダルト専門の会社だと思っていた)のCMのマネをするとは。
 このあたりに実はTSUTAYAの焦りが見えるような気がする。
 かくいう私もTSUTAYAの会員だったのだが、2年ほど前に更新を止めてしまった。というのも、気がつけばビデオ(含・DVD、CD)を借りなくなっていたからである。我が家はCATV(およびWOWOW)と契約していて、映画関係のチャンネルだけでもWOWOW、チャンネルNECO、ムービー・プラス、ザ・シネマ、日本映画専門チャンネルとある。最新作から古い映画まで家で寝ころんでいて見られるのである。別料金をとられるので我が家は入っていないが、アダルト専門チャンネルも複数ある。しかも、CSの放送までもがハイビジョン放送になったので、画面もDVDに引けを取らない。劇場公開後、最も放送が早いのはWOWOWで約半年〜1年後。これはDVD発売の公開半年後よりは遅いが、地上派よりは断然早く、もちろんノーカット、ノートリミング、ノーCMである。ここ数年は、何がなんでも早くみたいと思える映画はないので、これで十分という気がする(第一、それほど見たい映画なら劇場へ見に行く)。有料で1作品ごとに画面で契約して見るというペイパー・ビューという制度もあり、これはDVDの発売とほぼ同じか、それより早いこともある。わざわざTSUTAYAまで借りに行く必要を感じないのである。
 そこにDMMの「ネットで借りて、自宅に届き、ポストに返却」である。TSUTAYA関係者は、焦ったんだろうねえ。誰が見たって、下手なモノマネとしか思えないCMを慌てて流すことになった(と想像している)。しかし、この宅配システムも一過性のものではないかと思う。
 というのも、昔、CD-ROMの図鑑を作ったことがある。
 紙の媒体と違ってCD-ROMの場合はランダム検索ができること、音や動画が再生できることなどが特徴なので、できるだけ動画などを入れようとした。ところが、CD-ROMの容量は650-700MBしかない。動画の質をかなり落とさないと本数を入れられない。(とうじはまだ規格も決まっていなかった)DVDが登場し、パソコンでも再生できるようになったとき、あのときDVDというメディアがあったらなあ、と悔しい思いをしたものである。なんせ容量は4.5Gもある。かなり質のいい動画を多数入れられるはずである。そう考えていたのもわずか数年。今ではインターネット配信でもそこそこの動画が再生できるようになった。まだテレビのハイビジョン画面のクオリティーまではいかないが、いずれそうなるだろうことは明かである。
 そのときDVD(そしてブルーレイ)は、どうなるのだろう。つまりは、TSUTAYAはどうなるのだろう。順調に拡大してきたTSUTAYAも大きな転換期にあり、明確な打開策が未だないことが、モノマネCMになったのではないかと思うのだが、どうだろう?


★芸人がタケシをめざす危ない道(2009.04.19)
 もともとそういった傾向があったのだが、「太田総理」がそこそこの視聴率をとったことも影響しているのだろう。爆笑問題、とくに太田の文化人化傾向にますます拍車がかかっている。小心者の太田が行き場に困ってめちゃくちゃ言い出すパターンを私は嫌いではないのだが、文化人気取りにはちょっと危険な匂いを感じる。だいたい芸人が文化人を気取って、ろくなことはないのだ。というのも、社会の表面に出て来る文化人なるものが、そもそもとびっきり怪し気なのだから、そんなものになったところで何かいいことがあるのか、と思うのだが、芸人の文化化が止まらない。最近も、おしゃべりクソ野郎の品川が映画監督などをやった(だいたい、この品川、目立ちたいせいなのだろうがバラエティーのどんな場面でも割り込んで話してくめので、とてもウザイ)。おそらく、こういった傾向の中には、いつも馬鹿やっているが実はおれは馬鹿じゃないんだぞ、という屈曲した意識があるのだと思う。
 そうした彼らのお手本が、実はタケシなのではないのか。お笑いで一世を風靡し、書いた本はベストセラー、映画を撮れば高い評価を得る。まあ、世の芸人どもが目指すのも無理はないかとも思うのだが、実はタケシの評価は(評価などというものは、もともとそういうものだと言ってしまえばそれまでだが)巨大な虚構の上に成り立っているということを彼らは忘れている。実は、タケシがそれなりにおもしろかったのは例の事故の前までであって、あれ以降のタケシは私には口が曲がった何を言っているのかはなはだ聞き取りにくい言語不明瞭なただのおっさんにしか見えない。映画「監督バンザイ」は集中力を欠いた退屈な映画だったし、安住アナの番組のコメンテーターとして出ているタケシの発言はちょっと斜に構えているだけで物事の本質には全く迫っていない。それでもテレビは、タケシの名前があると企画が通りやすいのだろう、タケシの番組をありがたがる。それを身近に見ているから、芸人たちはタケシをめざしたがる。馬鹿と思われているよりも、馬鹿もやっている利口と思われたほうが世間体もいいし、いつまでも馬鹿やってられるか、といったところなのだろう。
 しかし、本当の馬鹿では馬鹿はやれないということは、世間の誰もが知っていることなのである。クイズ番組で馬鹿言っている芸人だって本当に馬鹿ならそもそも台本を覚えられない、決められたところでボケられないくらいのことは子どもだって知っているはずだ。そうしたお約束の上での馬鹿なのに、実は俺馬鹿じゃないんだぞ、と正面切って言われたらしらけるだけである。
 こうした芸人の文化人化傾向は日本ではやはり森繁久彌の成功が大きいのではないかと思う。いわゆるアチャラカ芸人だった森繁が映画「夫婦善哉」でいちやく俳優として評価を高め、社長シリーズではもちろん社長(このシリーズ何か見に行くと必ずといっていいほど併映でやっていて何本か見たが、おもしろかったためしがない)、テレビの「七人の孫」ではいいおじいちゃん。森の石松などで馬鹿やっていた芸人から「演技派」役者へと見事な変身ぶりである。勝手な想像だが、その森繁に追いつけ追い越せと後を追いかけてもう1つうまくいかなかったのが「幕末太陽伝」「私は貝になりたい」のフランキー堺ではないかと思う。私がご贔屓だった植木等も「喜びも悲しみも幾年月」(リメイク)のおじいちゃん役があまりにぴったりで(ブルーリボン賞受賞)、ちょっと危ないかなと思わせた一時期があった(黒澤「乱」の快演でそれは杞憂に終わった。この件については以前にも書いたので、興味のある人は「植木等」で検索してほしい)。そんなことを考えると、50になっても馬鹿一筋のさんま、60になっても馬鹿一筋の高田純ちゃん、アホの坂田師匠(アホであって馬鹿ではないので「馬鹿」と言われると怒るという伝説がある)は、もしかすると偉大なのかもしれない。いや、間違いなく利口になりたがる芸人よりはるかに偉大である。世間に対する自分の存在価値がどこにあるのかを知っているだけでも偉大であり利口である。
 「馬鹿をやっている芸人は仕事でやっているのであり本当は馬鹿ではないことくらい皆知っている。それがわからず馬鹿ではなく利口なんだと言いたがる芸人は馬鹿で、馬鹿を続ける芸人こそ利口なのだ」


★TBSの迷走と馬鹿番組編成(4/11)
 こんな記事があった。
http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=ent&aid=p-et-tp0-090411-0007
 削除の可能性もあるので簡単に書いておくと、4/9のTBSの番組最高視聴率がなんと再放送の「水戸黄門」だったというのだ。しかし、それにしてもだ、その視聴率が7.2%ということは二桁とった番組が皆無ということ。こりゃあちょっとひどくないかい。
 以前、テレビ朝日が深夜でちょっと人気がでた番組をゴールデンにもってきて失敗している愚を書いたことがあるが、今回のTBSの番組構成は大愚・大馬鹿と言っていい。「ひるおび!」なんていうわけのわからん帯番組が11時から2時過ぎまであり、いくつかドラマの再放送などがあって5時から「サカスさん」なる軸がはっきりしないバラエティー番組。そして6時から8時まで報道番組と称する「THE NEWS」。
 サラリーマン時代、入ったそば屋などのテレビでフジの「笑っていいとも」を見たことがあるが、「ひるおび!」のような11時からの番組ではサラリーマンの昼休みは中途半端で、店主がよほどの関心を持っていない限り「ひるおび!」にチャンネルを合わせることはないだろう(店に入ったときには店主により、あるチャンネルが設定されており客はその番組を見るのである。私が行く3軒の店では2軒が「笑って」で1軒がNHKだった)。しかも、そんなはつきりしない番組が2時過ぎまでというのだから、これはもう垂れ流しと言うしかない。5時からの「サカスさん」は見たことはないが(だいたい仕事をしている人が見られる時間ではない)、このあたりの時間帯はかつてのTBS「銀座NOW」やフジ「夕焼けニャンニャン」のように高校生あたりの視聴時間だろう。でなければ、主婦か。そうした作りになっているんだろうか。6時からの「THE NEWS」に至っては論外で、ニュースを見たい人はNHK7時のニュースを見るだろう。小林アナはカッコつけて報道番組をやりたかつたのだろうが、ただ原稿を一生懸命読んでいるだけで、バラエティーに出ていたときのような溌溂さ皆無。これでは食事時の家庭では気楽に見られるバラエティー番組にチャンネルを合わせること必然である。
 さらによくないことには、テレビは何日の何時からは何を見るというぐあいである部分「習慣」なのだが今回の大改悪シャッフルのせいで何がなんだかさっぱりわからなくなってしまった。以上、とくに考えなくても誰にでもわかることだと思うのだが、TBSの上層部にはよほど×××な人間がいるのだろうか。
 週刊文春だったかに小林信彦が、1960年代のTBSは民放のNHKとまで言われていたが現在のTBSは溜息みたいなことを書いていたがおおむね同感である。かつてテレビ界は三強(日テレ、TBS、フジ)、一弱(テレ朝)、一番外地(テレ東)などと言われていたが、このままではTBSが番外地の座に坐る日は近いと思われる。
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