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2008-2009年末年始のテレビを見ていて [テレビの雑感日記]

★バラエティーの中で闘病記を扱うな
 日本テレビで「世界仰天ニュース」のSPが放送された。4時間半という長丁場である。主婦が旦那をダイエットさせようと5階のベランダから下着をわざと落としとりに行かせていた(エレベーターのないマンションだったようだ)。結婚式のとき花嫁のウエディングドレスのスカート部分が外れ落ちてセミヌードになってしまった。デブがものかごいダイエットをした。あるいは爪の下に堅くなった素麺、パスタが刺さり込んでチョー痛かった、なんていうどうでもいいようなニュースが流されていく。こちらもそのつもりで見ているのでまともにつき合っているわけではなく、パソコンに向かって仕事をしたりジュースを飲んだりしながらときどきチラと見ていたわけである。が、そのうちに小児がんから生還した女性の闘病記が始まった。データ的には小児がんの7割は完治すると言われているのだが、逆に言えば3割は助からない。幸い、モデルになった子は再発もせず結婚もして2児の母親になっているようだが、しかし、病院で仲のよかった子は先に退院していったものの、その後再発して死んでいる。
 がんというと今でも死の病と思われているので生還した女性は「仰天」ニュースになるのだろうか。スタジオは一瞬深刻ぶったものの、すぐにお笑い芸人の笑えないだじゃれとともに次のコーナー、あのジョン・ベネの死の真相に迫るという今日も本意の話へとなだれ込んでいった(このあとが「ブサイク犬コンテスト」なんだって(^_^;)。
 中居と鶴瓶が突然のようにかしこまって、がんと闘っている人たちがこの話を知ればきっと勇気づけられるだろう、なんてことは、絶対にない。なぜなら、まず、がんは不治の病だという一昔前の前提で番組が作られているからだ(完治したことが「仰天」ニュースになるのだ)。あるとしたら、こうした興味本位の(それ自体が悪いと言っているのではない)バラエティー番組の中でお笑いネタとある意味同列に取り扱われることへのやりきれなさと悲しさだけだろう。ことは、生き死にの問題だ。やるならやるで、きちんとやれ。バラエティーの中で闘病記を扱うなと再度言っておきたい。この言葉は、TBSの「余命嫁」や日テレの「ダンスおばさん」のような患者の闘病を下手な感動物語に置き換えてしまった番組にも当てはまる。患者にとっては、そうしたお涙ちょうだい番組よりも、その人たちの治療の過程でどういう問題があったのか、治療方法は正しかったのか、他に方法はなかったのか……、そういった検証こそ求められていると思うのだが。

★テレビの活力は落ちているなぁ
 去年はフジテレビが「のだめカンタービレ」のSPを2夜連続で放送するなど力の入ったところを見せたが、今年はもう何度も再放送している「HERO」を映画放送に合わせてまたまた再放送するなど手抜きが目立ち、これといった番組はなかった。ここ数年勢いのあったフジのドラマも去年後半から失速しているので制作予算がやりなかったのだろうか。まあ、きちんとしたドラマを作るより人気のわりに安く使えるお笑い「若手」芸人を集めて馬鹿やっているほうが金はかからずに視聴率がとれるということなんだろう。
 TBSのさんま・玉緒の「夢かなえたろか」も経費削減のためか、大々的に海外ロケしたようなものはなく、自局のドラマに出ているタレント(春馬)に会わせるなんていうお手軽ぶり。デーーブ・スペクターに会いたいというのも、会いたいと言っているあんちゃんが、タレントをめざしているということになると、「仕込みか」と勘ぐりたくなる。それとも不況で庶民の夢も小さくなったのか(ちなみに、名古屋の新聞に載っていた去年の名古屋での年間視聴率は1位が東海テレビ=フジ。2位が中京テレビ=日テレとメ〜テレ=テレ朝、4位CBC=TBS。こんな番組編成をやっていたのではTBSは今にテレ朝に抜かれてしまうだろうと去年のブログに書いたことが名古屋ではすでに実現していた)。
 例年なら東京を離れている年末年始には(CATVのものも含めて)いろいろ見たい番組があるため何本も録画予約するのだが、それが今回は1本もなかった。ちょっと真面目に勉強しようとNHKが小林、益川というノーベル賞を受賞した両氏を招いた特番も見たが、結局のところ「すごいですねぇ」「えらいですねぇ」で終始してしまい、かんじんの「理論」のわかりやすい解説はついになかった(ま、びびる大木が解説役という時点でアウトですがね)。
 といったぐあいで、地上波は何の反省もなくぬるい番組を垂れ流しているし、BSデジタルに至っては夜はどの局もショップ番組の大安売り(これはもはや番組とも言えないかもしれない)。これで電波が足りない、電波の有効利用のために地デジに移行なんて言っても説得力ゼロ。このブログでも何度も言っているが、莫大な金をかけてまで地デジに移行しようとするのは省庁と電気メーカー(あ、新タワーの建設なんかみからむから不動産家や土建屋もだ)とが結託した陰謀か、あるいはお役所にありがちのバブル時の計画が見直されもせずそのまま生きてしまっているのか。そもそもまだ見られるはずのテレビが見られなくなる、つまり粗大ゴミとかしてしまうわけで、政府の言う「もったいない精神を生かそう」という言葉はどこへ行ってしまったのか。無駄な建設なんかやめ、民放の2時以降の深夜番組やBSデジタルを全面的にやめてしまえばずいぶん省エネになり地球温暖化防止にも役立つと思うのだが。

★どつき漫才
 どつき漫才といえば、私のようなおっさん世代には「正司敏江・玲児」がすぐに思い浮かぶ。このコンビ、ただどつくだけの漫才からエスカレートして跳び蹴りまで飛び出すようになり、着物姿の敏江がすっ転んでパンツ開帳が定番になっていた。登場したときは夫婦が確か玲児の浮気がバレて離婚。最近は見かけないが、離婚してもコンビは続けていたはずなのだが、どうしているんだろう。無事なら60代後半のはず。どつき漫才を続けているんだろうか?
 前置きが長くなった。
 最近の漫才コンビで私がおもしろいと思うのは、たか&としとオードリーなのだが、ある意味どちらもどつき漫才である。たか&としはだいたいたかがボケてとしがどつき、時としてたかが無関係なボケをかましてとしをどつくパターン。オードリーは若林があれこれくっちゃべり、それに対して春日がボケつっこみ。それを若林がどつくというパターンである。
 両コンビともリズムがあってなかなかおもしろいと思っているのだが、常にペチペチどつきが入るとさすがに飽きてくる。ダジャレ言い間違いを延々と続けていくナイツが強弱に乏しく5分も聞いていると飽きてくるのと同じである。始めから終わりまで同じパターンでどつくのではなく、強弱をつけるとか思わぬところでどつく(あるいは当然どつくべきところでどつかない)なども工夫があってしかるべきではないか。そういう意味では、時としてたかの逆襲のあるたか&としの方が一歩先をいっており、事実、一歩おもしろいと思う。

★ピン芸人はつらいよ
 エドはるみがお笑い番組の司会をやっていた。といってもセンターではなく、MCの補助のような役割で気の利いたやりとりはできず、合間に「グー」とか「コー」とか言っているだけ。これでは笑えない。だいたいこの人、「グー」が受けていたころからどうして受けているのかわからなかったのだが、マラソンを妙に真面目に走ってしまったのが命取りだったのか。素人芸でよく1年もったという言い方もできるが、果たしてこの1年生き延びることができるかどうか、はなはだ疑わしい。去年「踊るさんま御殿」で、さんまが「結婚のときに重要なのは?」とせっかくふってやったのに何か真面目なことを答え、「タイミングー」でしょうがと苦笑されていたくらいだから番組のタイミングーが読めないのだろう。要するに素人なのだ。我が家の奥様によると、ドラマでは学芸会ではなくそれなりによかったそうなのでそろそろ転身を考えるタイミングなのかもしれない。
 同じくピン芸人では「女王様」キャラで売り出した、にしおかすみこも服を着たとたん単なるおばさんになってほとんど消えてしまった。デブの加奈子ちゃんも消滅寸前。男では「フォー」のレイザーセモンHGは消滅(よくもった)、「あると思います」のエロ詩吟あんちゃんは早くも行き詰まっており、あれほど売れに売れた「そんなの関係ねー」の小島よしおですら最近は失速して完全に過去の芸人に成り下がっている。なんだかんだと言って、コンビと比べてピン芸人を長く続けていくのは至難の業なんだなあと思う今日この頃である。

★継続はちからなり?
 新年のテレビ朝日で「2009年(!)流行語大賞」というのをやっていた。各芸人が流行語になりそうな言葉を考え、その言葉を入れたネタを披露し優劣を競うというものである。と言っても深夜のバラエティなのでいいかげんなものなので、それまでの経緯を全く無視し、大木という女子アナの判定で大賞が決まってしまった(^_^;。
 という経緯はともかく、見ていて思ったのは「ますだおかだ」の岡田のとんでもなさ。彼ら(というか岡田)の言葉は「ぱふっ!」。増田も全然からめず、スベリにスベル。にもかかわらず岡田は「ぱふっ!」の連発。「おぎやはぎ」や「次長課長」などずっとうまくネタを披露した連中を蹴散らしてしまった。で、途中で言葉を替えてもいいということになったら、「切り取り撮影」というわけのわからん言葉にチェンジ。またまたスベリにスベッテいるにもかかわらず「切り取り撮影でお願いします」の連発で場をとってしまった。ううむ、……継続は力なのか?
 スベッテ焦る「ペナルティー」のワッキーや、こういう番組で全くからめず存在感のなかった「アンガールズ」や「ハリセンボン」などは、この岡田の図々しさを少し見習うべきではないか。
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